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良質な睡眠は生活習慣の改善から!乳酸菌が効くって本当? 睡眠の質を高める方法
たくさん寝たはずなのに、頭が冴えない。疲れが取れていない感じがする……。そのような状態の方は、睡眠の質に問題がある可能性があります。睡眠の質が悪いと、日常生活に支障が出たり、健康面に影響を及ぼしたりする恐れがあるのです。
そこで今回は、厚生労働省が発表した「健康づくりのための睡眠指針」をもとに、睡眠の質を高めるための生活習慣改善方法をまとめてみました。加えて、乳酸菌と睡眠の関係についてもご紹介していきます。
1.健康づくりのための睡眠指針って何?
国民の5人に1人が睡眠に関する問題を抱えているという日本において、厚生労働省は国民の健康づくり運動の一環として「健康づくりのための睡眠指針2014〜睡眠12箇条〜」を発表しました。人間にとって必要な睡眠を十分とれないことは、判断力の低下、疲労感、情緒不安定など生活にさまざまな悪影響をもたらす可能性があります。そこで、睡眠について国民に適切な情報を普及する目的で作られたのが「睡眠12箇条」なのです。
(指針引用:厚生労働省健康局「健康づくりのための睡眠指針 2014」)
この「睡眠12箇条」の特徴のひとつに、ライフステージ別の睡眠について触れている点があげられます。
「理想的な睡眠時間は8時間」という話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、実はこの数字に明確な科学的根拠はありません。
「睡眠12箇条」では、最も健康な人の睡眠時間は6時間以上8時間未満としており、さらに年齢による睡眠時間の変化を加味して理想の睡眠時間を考える必要があります。年を取るごとに必要な睡眠時間は短くなるのが自然で、10歳代前半までは8時間以上、25歳で約7時間、45歳には約6.5時間、65歳になると約6時間まで短縮されます。睡眠は大切ですが、必要以上に長時間睡眠時間をとることが健康につながるわけではないことにも気をつけなければなりません。
このように、睡眠について正しい知識を身につけ、自らの睡眠を見直すために、ぜひ「睡眠12箇条」を活用しましょう。
2.今日からはじめる睡眠12箇条!
それでは、実際に厚生労働省が示した「睡眠12箇条」を確認してみましょう。各項目について、生活習慣改善法も簡単にまとめていますので、睡眠の質向上にお役立てください。
1. 良い睡眠で、からだもこころも健康に。
睡眠は体の疲労回復だけでなく、心の健康を維持するのにも重要です。睡眠時間が不足すると、生活習慣病のリスクが高まる他、うつ病など心の病気に繋がることもあるのです。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
適度な運動をする、朝食をしっかり摂るといった生活習慣をつけることが、良い睡眠へとつながります。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
睡眠不足が生活習慣病のリスクを高めます。睡眠時に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は、糖尿病や脳卒中などに繋がるため、危険です。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
うつ病の9割近くの人が不眠症状を発症しており、不眠の人はうつ病にかかりやすいです。睡眠で休息をとることが、心の健康維持に繋がります。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
必要な睡眠時間は、年齢や季節によって変わります。加齢が進むと睡眠時間は短くなるのが自然です。また、日が長くなると睡眠時間が短くなり、逆に日が短くなると睡眠時間が長くなります。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
暑すぎたり、寒すぎたりすると睡眠を妨げてしまいます。また、白すぎる、明るすぎる光は目を覚まさせる作用があります。寝室の環境を睡眠に適したものにしましょう。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
若年世代は夜更かしをしやすくなります。特に休日はたくさん寝てしまい、平日のリズムが乱れてしまうこともあるのではないでしょうか。休日も体内時計のリズムを保つことが、朝寝坊を防ぎます。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
働いている人は、忙しさの中でついつい寝不足になりがちです。平日の寝不足を休日長時間寝ることで取り戻そうとする人もいますが、睡眠時間は貯めることができない仕組みになっています。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
年を取ると睡眠時間が短くなります。たくさん眠ろうと無理に長時間寝床にいると、逆に睡眠が浅くなってしまいますので要注意です。日中に適度な運動を行うことは、睡眠の質を高めるだけでなく、生活習慣病の予防、日常動作の維持にもつながります。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
眠ろうと強く思うと、かえって目が冴えてしまうものです。寝床には眠くなってから入ります。寝る時間が遅れたとしても、起きる時間は遅らせないようにすれば睡眠時間は安定していきます。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
激しいいびき、足のむずむず感、歯ぎしりなど睡眠中の異常には、病気が隠れていることがあるので注意しなければなりません。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
不眠の問題を自分で解決できない時は、専門家に助けを求めましょう。人に話すことだけでも、楽になる場合があります。
(指針引用:厚生労働省健康局「健康づくりのための睡眠指針 2014」)
自分の状態と「睡眠12箇条」を照らし合わせて、問題がある部分に関しては今日から改善を目指して行動しましょう。
3.睡眠の質を高める決め手は乳酸菌?
最後に、良質な睡眠と乳酸菌の関係についてご紹介します。
不安になったりイライラしたりして、うまく眠れないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。強いストレスは睡眠を阻害してしまいます。このストレスを抑えて睡眠の質を向上させるのに乳酸菌が役に立つことが、複数の大手企業の研究結果でわかってきています。
乳酸菌は、眠気を発生させるホルモン「メラトニン」の生成にも重要な役割を果たしています。メラトニンの材料となるトリプトファンは、体内で作ることはできず体外からたんぱく質として摂取します。その後腸内細菌がたんぱく質を分解、合成してトリプトファンを作り出すのですが、この腸内細菌のバランスを整えてくれるのが乳酸菌です。
乳酸菌は非常に数多くの種類がありますが、複数を同時に摂っても問題ありません。ただし、一度に多く摂取するのではなく、毎日継続して摂り続けることが重要とされています。目安として一日100億個以上の乳酸菌を摂り続けるのが良いとされています。
現在、睡眠の質向上に効果があるとうたっている乳酸菌製品(飲料・ヨーグルト・サプリメントなど)も各企業から様々な種類が販売されているので、いろいろ試してみることをおすすめします。それぞれ1〜2週間ほど試して自分の身体にあっていると思われるもの(便通が良くなるなど効果が見られたもの)を見つけて、継続摂取していくようにしましょう。
今後はぜひ「睡眠12箇条」の活用に加えて、乳酸菌を上手に食事に取り入れることで、睡眠の質向上を目指してみてはいかがでしょうか。
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