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マンションでペットとストレスなく快適に過ごすためのリフォーム

マンション ペット

ペット飼育数は右肩上がりで増え続け、ペット関連市場は拡大を続けています。その影響でペットを飼育可能なマンションも増えてきました。とはいえ、マンションでのペットとの暮らしには、気をつけておきたい問題も多くあります。そこで、人もペットもストレスなく、より快適に過ごすためのリフォームについてご紹介します。

目次
1. コロナ禍でより需要が増えるペット市場
2. 大事なペットを守る! ペットゲート
3. ペット用リフォームで部屋を快適に!

1.コロナ禍でより需要が増えるペット市場

少子高齢化で子どもにかけるお金が減る一方、ペット産業は拡大を続け、今や軽く1兆円を上回る規模となりました。ペットはもはや家族の一員となり、ペット関連アイテムもますます充実しています。例えば、ペット用の誕生日ケーキにウェアラブルデバイス、ルームランナーに保険などなど、驚くほど多彩な製品・サービスが用意されています。

ペットが飼える物件も増加しており、国土交通省の「平成25年度マンション総合調査」によると、全体ではペット飼育が可能なマンションは約半数ですが、2010年以降に建てられたマンションに関してはペット飼育が可能なマンションが全体の9割を超えていることがわかりました。

また、コロナ禍もペット需要に影響を与えています。在宅時間が増え、新しくペットを飼い始める人が急増。一般社団法人ペットフード協会の「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」によると、2020年に新しく「犬」を飼いだした世帯での頭数は前年比14%、「猫」は16%アップしており、これは過去5年間の最高数となっています。

その一方、ペット関連のトラブルも増えています。安易な気持ちでペットを飼い始めた人による飼育放棄や、騒音や臭いなどのご近所トラブルも後を絶ちません。いったんペットを迎え入れたら、最後まで面倒を見るのが飼い主の責任。そこで、ペットも飼い主も近隣住民も、よりストレスなく快適に過ごせるためのリフォームについてご紹介していきます。

2.大事なペットを守る! ペットゲート

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まず、自宅にペットを迎えるにあたって考えたいのは、脱走やベランダなどからの転落事故への対策です。言うまでもなく、室内飼いのペットにとって外は危険な場所。帰宅時や急な来客時、物音等に驚いて、ペットが玄関ドアやベランダから飛び出せば、命にかかわる事故につながりかねません。さらにペットの安全のため、台所や階段など、特定の場所への立ち入りを制限したほうが良い場合もあります。

そこでお勧めしたいのが、ペットゲートの設置。犬用なら、置くだけのタイプ、突っ張り棒やネジなどで壁に固定するタイプがあるので、犬の大きさや設置場所に合わせて選びましょう。猫であれば「高さ」が必要条件なので、できれば天井近くまであるパーテーションや専用ゲートなら安心です。頻繁に出入りする場所には、両方向から開閉できるものが便利です。

ドアの一部にペットが通れるペット専用のドアがあれば、ペットは部屋間の移動が自由になります。ペット専用ドア付のドアに取り替えることも可能ですが、既製品を購入して自分でDIYすることもできます。

また、隙間を防ぐためにネットや金網を張ったり、網戸をペット用の丈夫なものに張り替えたり、ドアにストッパーをつけるなど、ペットの脱走や転落を防ぐ方法は他にもあります。目的・場所にあったリフォームを選びましょう。

3.ペット用リフォームで部屋を快適に!

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マンションでのペットとの暮らしをもっと快適にするために、他にどんなことができるでしょうか。犬や猫との暮らしを想定すると、次のような対策ができるかもしれません。

●傷・汚れ対策
ペットを飼っていれば、ある程度の部屋の傷や汚れは避けられません。ひっかき傷や、粗相、お散歩から持ち帰った汚れ……。特におしっこのアンモニアはフローリングの変色のもとです。腰壁や、撥水加工・ラミネート加工されたクロス、ホーローやタイル素材の壁材に変えることで、傷や汚れを防ぎましょう。コルクマットやクッションフロアなら、タイル状のものを選べば汚れた場所や傷んだ場所だけ取り換えられて経済的です。

●におい対策
ずっと一緒にいると慣れてしまうものですが、ペットのにおいも対策しておきたいもののひとつ。これも壁や床・天井の内装材を工夫することで、軽減することができます。においを吸着・消臭する特殊加工を施した壁紙や、抗菌作用のある銀イオン配合の内装材、ペット臭を抑えるのに効果的。消臭機能付きのカーテンなら取り入れやすいかもしれません。

●騒音対策
ペットの鳴き声・吠え声や走り回る音は、建物の作りによっては下の階や周辺に伝わり、近隣問題に発展することがあります。そのような心配がある場合は、防音・吸音機能のある建材を使いましょう。具体的には、音や振動を吸収する断熱材、吸音機能のある壁材やパネル、振動を吸収してくれるコルクシート、音漏れを防ぐ防音カーテンを取り付けるなどの方法があります。内窓をつけて窓を二重にすることも効果的です。

●ペットのストレス対策
多くの時間を室内で過ごすペットのストレスを軽減するために、室内でリラックスできるスペースを確保してあげましょう。猫の場合は、キャットウォークやキャットタワーを設置できるかもしれません。導線を考えて施工すれば、限られたスペースでも十分運動できる遊び場になります。安全に日向ぼっこができるスペースやサンルームがあると、さらに快適に過ごせるかもしれませんね。

こうしたリフォームは、部屋全体でなくてもペットが長時間を過ごす場所や、トイレ周辺に施工するだけでも効果的です。ペットと飼い主にあった方法を取り入れて、マンションにおけるペットとの暮らしをもっと楽しみましょう。

■あわせてお読みください。
・マンションペット問題 ペットと暮らす楽しい生活
・マンションの収納を増やすリフォームの工夫とは
・居住者が負担する専有部分のオプション工事ってどんなもの?


■この記事のライター
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2022年4月18日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合がありますので予めご了承下さい。

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