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施工会社の選定方法には、責任施工方式、設計監理方式、プロポーザル方式があります。
今回は、建装工業が大規模修繕工事を行っているイニシア千住曙町を例にして、施工者視点でプロポーザル方式についてご説明致します。

目次
1. 工事の概要
2. 今回の施工業者選定方法の特徴を教えてください。
3. 今回の提案で工夫した点を教えてください。
4. 今回の提案で苦労した点を教えてください。
5. ご契約時のことをお聞かせください。

イニシア千住曙町管理組合法人様のマンションは、桜をはじめとする美しい花々に囲まれ、四季の移ろいを感じる風景の中に位置しています。リバーサイドならではの開放感に恵まれ、散歩やジョギングを楽しむ憩いのスポットが点在しています。

今回の施工業者選定方式は、株式会社さくら事務所様が主体となりプロポーザル方式が採用されました。プロポーザル方式では、施工者が建物の調査・診断を行い、施工範囲及び仕様の選定、保証年限・定期点検等を自社で策定し、管理組合法人様にプレゼンテーションを行います。当社には調査診断室があり、営業と工事の各部門が協力して、管理組合様に受け入れて頂ける提案を作成しました。プロポーザル提案方式は過去に数件受注経験があり、今回も様々な検討を行い、ご提案しました。

【責任施工方式・設計監理方式・プロポーザル方式の違い】

A.責任施工方式
工事会社または管理会社が修繕工事の施工部位・仕様・数量測定などを行い、工事・工事監理まで一任して発注する方式。責任の所在が明確で、打ち合わせが1社で済むため管理組合の負担を抑えられるが、第三者のチェックがないため見積金額や工事品質の妥当性が不透明になる可能性がある。

B.設計監理方式
設計・工事監理と施工を分離して発注する方式。設計事務所などのコンサルタントが設計・工事監理を行い、施工は施工会社が請負う。第三者のチェックが入るため、金額や工事品質に客観性が得られる。

C．プロポーザル方式
複数の施工会社に工事仕様や金額を提案してもらい、管理組合が施工会社を選ぶ方式。施工会社の特技を活かした豊かな提案を受けやすいが、提案内容の比較検討が難しく、施工者にとっては無償提案の負担が大きい。

施工範囲の選定、材料・工法の選定、提案工事の内容に注力しました。施工範囲の選定では、全ての部位を積算し、次回の大規模修繕まで修繕が不要な部位を除外し、必要な部位のみを施工範囲としました。そのため、現地調査を頻繁に行いました。材料・工法の選定では、修繕周期を18年と設定し、最も効果的な方法を社内で議論しました。提案工事は、資産価値向上につながる内容を提案し、管理組合様が採否しやすい形にしました。本プロジェクトには部長クラスがメンバーとして参加しました。

施工範囲や材料・工法の選定、提案工事の内容について、管理組合様に確実にご採用いただける答えはなく、不安との戦いでした。幸いにも、各セクションの部長級や経験豊富な現場代理人が対応し、適切な工程・仮設計画を立案できました。

ご契約は自身初の電子契約にて行いました。プロポーザル提案方式は、会社の実績やノウハウを集約して表現するため、非常に面白みのある内容となります。一方で、ご採用いただけないと営業に費やした時間や努力が無駄になるため、ご内定いただけたときは大きな喜びでした。工事が完了しお客様にご満足頂けるまで、しっかりとサポートできればと思っています。

■あわせてお読みください。
・のぞいてみよう！施工中現場紹介〜イニシア千住曙町大規模修繕工事〜
・マンション修繕業者の選定基準　経審（経営事項審査）とは？
・管理組合に聞く タワーマンションの大規模修繕を技術提案型総合評価方式で臨んだ理由とは
・のぞいてみよう！工事現場紹介　D‘sTower大規模修繕工事

■この記事のライター
□吉田 秀樹
建装工業株式会社　MR業務推進部　統括部長
愛知県出身　職能能力開発総合大学校(当時：相模原市)卒業
マンション管理士・一級建築施工管理技士・マンション維持修繕技術者を有し、大規模修繕工事の営業に従事した経験者
※建装工業株式会社公式HPはこちら

（2024年6月17日新規掲載）
＊本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。