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災害に備えてマンションの防災力を強化!
目次
1. マンションの防災力を高め、災害時の被害を軽減させるには
2. 建物の倒壊・崩壊を防ぐ建物の耐震性能とは?
3. 耐震性能の向上を図り設備の防災力も強化
4. 共助の防災力をさらに高める自助の力
1. マンションの防災力を高め、災害時の被害を軽減させるには
2. 建物の倒壊・崩壊を防ぐ建物の耐震性能とは?
3. 耐震性能の向上を図り設備の防災力も強化
4. 共助の防災力をさらに高める自助の力
1. マンションの防災力を高め、災害時の被害を軽減させるには
日本各地で災害が相次ぐ昨今、住まいの防災力の重要性を感じている方も多いでしょう。通常、マンションの建物は戸建住宅よりも頑丈なものですが、地震などの災害時には被害ができるだけ少ないに越したことはありません。特に集合住宅での防災・減災には、住民各自が自分の身を守る自助と、住民同士が協力し合う共助の努力が欠かせません。
マンションの防災力を高めるには、どのような自助と共助が必要か考えたいと思います。
マンションの防災力を高めるには、どのような自助と共助が必要か考えたいと思います。
2. 建物の倒壊・崩壊を防ぐ建物の耐震性能とは?
防災とは、住民の命を守れるよう事前に準備をしておくことです。マンションにおける防災の基本は、建物の倒壊・崩壊を防ぐこと、つまり建物本体の耐震性能と言えます。そして、既存のマンションの耐震性を高めるには様々な補強の方法があります。
ただし補強の必要性については、おおまかには次のように、建てられた年代によって異なります。
・第3世代:1981年6月以降(新耐震基準=現行基準)
震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しないよう設定されている。特に躯体への補強は必要なし。
・第2世代:1972〜1981年5月(旧耐震基準)
震度5強程度の揺れに倒壊しない設定だが、現行基準に合わせた補強をすればさらに安心。
・第1世代:1971年以前(旧旧耐震基準)
今後の大地震で倒壊または崩壊の恐れがあり、耐震診断と現行基準への耐震補強の実施が望ましい。
この内、1971年以前の第1世代のマンションでは建物の老朽化も進んでいるため、補強工事は大掛かりで、住民(区分オーナー)への費用負担も大きくなりがちです。住民の高齢化もあり、工事資金の調達がむずかしいケースも見受けられます。第2世代のマンションは第1世代ほど補強に費用は掛かりませんが、いずれも分譲マンションの耐震補強は住民の共助で行うものです。
近年では、倒壊の危険性が高い部位の補強を先行して実施し、のちに現行基準まで耐震性能を引き上げる工事を実施する、段階補強という方法や資金確保のためのリバースモーゲージ型の金融商品も登場しています。第1・第2世代のマンションの耐震補強では、このような手法も視野に入れ検討するのも良いかもしれません。
ただし補強の必要性については、おおまかには次のように、建てられた年代によって異なります。
・第3世代:1981年6月以降(新耐震基準=現行基準)
震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しないよう設定されている。特に躯体への補強は必要なし。
・第2世代:1972〜1981年5月(旧耐震基準)
震度5強程度の揺れに倒壊しない設定だが、現行基準に合わせた補強をすればさらに安心。
・第1世代:1971年以前(旧旧耐震基準)
今後の大地震で倒壊または崩壊の恐れがあり、耐震診断と現行基準への耐震補強の実施が望ましい。
この内、1971年以前の第1世代のマンションでは建物の老朽化も進んでいるため、補強工事は大掛かりで、住民(区分オーナー)への費用負担も大きくなりがちです。住民の高齢化もあり、工事資金の調達がむずかしいケースも見受けられます。第2世代のマンションは第1世代ほど補強に費用は掛かりませんが、いずれも分譲マンションの耐震補強は住民の共助で行うものです。
近年では、倒壊の危険性が高い部位の補強を先行して実施し、のちに現行基準まで耐震性能を引き上げる工事を実施する、段階補強という方法や資金確保のためのリバースモーゲージ型の金融商品も登場しています。第1・第2世代のマンションの耐震補強では、このような手法も視野に入れ検討するのも良いかもしれません。
3. 耐震性能の向上を図り設備の防災力も強化
マンションには様々な付帯設備があり、その防災性も忘れてはなりません。受水槽・水道ポンプ・電気温水器などについては、「建築設備耐震設計・施工指針」により設置方法の指針が示され、設備を固定するアンカーボルトの耐力や、受水槽などは本体の強度がカギとなります。
過去の大地震では、受水槽内のスロッシングと呼ばれる水のうねりで水槽が壊れた事例がありました。災害時、受水槽の水は水道復旧までの間非常に大切なもの。必要に応じ、水槽の交換やスロッシングを防ぐ浮体式波動抑制装置等の導入をすることで耐震性の向上を図れます。
過去の大地震では、受水槽内のスロッシングと呼ばれる水のうねりで水槽が壊れた事例がありました。災害時、受水槽の水は水道復旧までの間非常に大切なもの。必要に応じ、水槽の交換やスロッシングを防ぐ浮体式波動抑制装置等の導入をすることで耐震性の向上を図れます。
また、受電・変電設備もマンション防災力の要となります。このような設備は、津波や豪雨の浸水被害に合うと復旧に時間が掛かり、その間、水道やエレベーターが使えず被災後の生活に大きく影響するからです。受電・変電設備は1階や地階に設置されていることが多いのですが、大規模修繕時に移設や浸水対策など、検討の余地があります。
4. 共助の防災力をさらに高める自助の力
以上のような共助に加え、住民各自による自助でさらに防災力を高めましょう。過去の地震での人的被害は、津波を除いて、家具・家財の倒壊や落下によるものが最も多くなっています。家具の倒壊は非常に危険な上、避難経路をふさぐこともあり、防止するべきです。特にマンションの場合は、耐震構造や建物の高さにもよりますが、上層階ほど揺れが大きく家具も倒壊しやすい傾向があります。
その対策としては、倒壊しないよう家具をしっかりと固定する必要がありますが、L型金具などを壁や床・天井の下地にねじで止める方法が有効です。とは言え、分譲マンションでは、規約により壁などの下地にねじなどを打ち込めないケースもあります。その場合は、壁一面に下地となる板を貼るなどの工夫や、規約改正の検討も考えられます。
その対策としては、倒壊しないよう家具をしっかりと固定する必要がありますが、L型金具などを壁や床・天井の下地にねじで止める方法が有効です。とは言え、分譲マンションでは、規約により壁などの下地にねじなどを打ち込めないケースもあります。その場合は、壁一面に下地となる板を貼るなどの工夫や、規約改正の検討も考えられます。
また、食器を含め、家財の落下も防ぎましょう。引き出しの飛び出し防止器具や食器棚などの扉が開くのを防止するラッチなど、様々な市販品が利用できます。これらの地震対策については、東京消防庁が発行する「家具類の転倒・落下・移動防止対策 ハンドブック」が参考になります。
さらに、室内窓や家具の扉も含め、ガラス窓には飛散防止フィルムを貼っておけば、割れたガラスの破片による負傷を防げます。
以上のことから、マンションの防災力は住民の共助と自助が要になることが分かります。それを前提に、地震対策など防災について住民の合意形成を目指したいですね。
東京大学生産技術研究所 目黒研究室 平成30年3月 報告書 抜粋
特別研究会(RC-77)防災ビジネス市場の体系化に関する研究会 第8章
建装工業株式会社 マンション防災力の向上実例 リライト掲載
さらに、室内窓や家具の扉も含め、ガラス窓には飛散防止フィルムを貼っておけば、割れたガラスの破片による負傷を防げます。
以上のことから、マンションの防災力は住民の共助と自助が要になることが分かります。それを前提に、地震対策など防災について住民の合意形成を目指したいですね。
東京大学生産技術研究所 目黒研究室 平成30年3月 報告書 抜粋
特別研究会(RC-77)防災ビジネス市場の体系化に関する研究会 第8章
建装工業株式会社 マンション防災力の向上実例 リライト掲載
《この記事のライター》
舘林 匠
北海道出身 飛行機の整備士を目指し、日本航空学園千歳校を卒業後なぜか建築の道へ。
一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、宅建士をはじめ25の資格を有し、
バイク、ダイビング、DIY、料理など多趣味でちょっと飽きやすい性格。
最近はドローンにはまりプライベート機を3機保有している。
KENSO Magazine編集長 兼 ライター
(2018年10月15日記事更新)