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タワーマンション大規模修繕に挑む! 課題と技術とは その1
1. タワーマンションの大規模修繕は大変?
2000年前後から建設されるようになったタワーマンション。現在では、首都圏や近畿圏を中心に多くの物件が供給されています。特に首都圏では、東京オリンピックの時期に向け、タワーマンションの建設ラッシュが続いています。
現在、全国でおよそ1371棟、36万戸の超高層マンションが供給されています。
タワーマンションは、眺望がよいことに加え資産価値も高いと言われ、高級感があることなどから、人気の高い住スタイルですが、通常のマンションに比べ大規模修繕がむずかしいと言われています。
およそ12年おきなど、定期的に行われる大規模修繕は、マンションの性能や資産価値を維持するために欠かせないものです。それがむずかしいとなると、タワーマンションに住んでいる方はもちろん、管理組合の理事をしている方などは非常に気になるところでしょう。むずかしいといっても、大規模修繕はきっちりと行っていかなければなりません。
そのためにも、タワーマンションの大規模修繕がなぜむずかしいのか、また、どのような技術での対応が期待できるのかについてお話ししたいと思います。
現在、全国でおよそ1371棟、36万戸の超高層マンションが供給されています。
タワーマンションは、眺望がよいことに加え資産価値も高いと言われ、高級感があることなどから、人気の高い住スタイルですが、通常のマンションに比べ大規模修繕がむずかしいと言われています。
およそ12年おきなど、定期的に行われる大規模修繕は、マンションの性能や資産価値を維持するために欠かせないものです。それがむずかしいとなると、タワーマンションに住んでいる方はもちろん、管理組合の理事をしている方などは非常に気になるところでしょう。むずかしいといっても、大規模修繕はきっちりと行っていかなければなりません。
そのためにも、タワーマンションの大規模修繕がなぜむずかしいのか、また、どのような技術での対応が期待できるのかについてお話ししたいと思います。
2. そもそも、タワーマンションとは
ここで、タワーマンションの定義について確認しておきましょう。実は、タワーマンションという名称自体については、法律上の定義はありません。一方、建物の構造などについては建築基準法による基準がありますが、これは一定の高さごとに異なり、特に高さ60メートルを超える建物については非常に厳しく定められています。
この60メートル以上の建物は超高層建築物と呼ばれ、階数にするとおよそ20階以上になります。この建築物がマンションの場合、超高層マンション、あるいはタワーマンションと呼ばれます。このことから、一般的にタワーマンションとは高さ60メートル以上、もしくは、およそ20階建以上のマンションとされています。
この60メートル以上の建物は超高層建築物と呼ばれ、階数にするとおよそ20階以上になります。この建築物がマンションの場合、超高層マンション、あるいはタワーマンションと呼ばれます。このことから、一般的にタワーマンションとは高さ60メートル以上、もしくは、およそ20階建以上のマンションとされています。
3. 大規模修繕がむずかしい理由
タワーマンションの大規模修繕がむずかしいとされる理由の一つが、その高さにあります。これによって、事前調査の方法や修繕工事の施工方法が違ってくるからですが、その違いについて、少し詳しく見ていきましょう。
どのようなマンションの大規模修繕でも、事前に劣化具合を調査する必要があります。外壁など外装の調査をする場合、中低層のマンションであれば、地上から目視で確認することができますが、タワーマンションではそういうわけにはいきません。目視できない高さの外壁などの状況を調べるには足場を組むことになりますが、超高層マンションの劣化調査では既設ゴンドラを利用したり、調査の為だけにゴンドラを吊って実施する必要があります。
劣化調査は部分的な調査でも実施可能ですが、特定行政庁によっては一定規模以上のマンションでは特定建築物定期調査報告が義務化されています。
これは3年毎に防火区画の適切な設定、避難階段、避難器具の整備等の調査と報告の他に 建築物の躯体、外部設置機器、塀などの劣化状況も調査・報告しなければいけません。
外壁等は「目視及び部分打診調査」を3年毎に実施しなければいけないことになります。
さらに、外装がタイル貼り(PC・ALC版に貼られる場合や工場で打込まれる場合も含む)、石貼り(乾式工法によるものを除く)、ラスモルタル(モルタル塗 一般的に20〜40mm)で仕上げられていて、建物が竣工してから10年を超えているものについて、外壁改修工事を10年を超えて行っていない場合 、歩行者等に危害が加わる恐れのある部分の外壁全面打診調査を10年を超えて行っていない場合は3年以内に外壁の全面打診調査を行う必要があります。
つまり、築10年を経過したタイル貼り等のマンションでは13年目までに全面打診調査を実施する必要があるということになります。
この場合地上から設置して組み立てる「組み足場」で対応できるのは高さ45メートルまで。それ以上の高さになると、「ゴンドラ足場」や「移動昇降式足場」といった特殊な足場を利用しないと調査が行えません。
この足場にかかる費用が意外と高額となり調査費用も高額になります。
どのようなマンションの大規模修繕でも、事前に劣化具合を調査する必要があります。外壁など外装の調査をする場合、中低層のマンションであれば、地上から目視で確認することができますが、タワーマンションではそういうわけにはいきません。目視できない高さの外壁などの状況を調べるには足場を組むことになりますが、超高層マンションの劣化調査では既設ゴンドラを利用したり、調査の為だけにゴンドラを吊って実施する必要があります。
劣化調査は部分的な調査でも実施可能ですが、特定行政庁によっては一定規模以上のマンションでは特定建築物定期調査報告が義務化されています。
これは3年毎に防火区画の適切な設定、避難階段、避難器具の整備等の調査と報告の他に 建築物の躯体、外部設置機器、塀などの劣化状況も調査・報告しなければいけません。
外壁等は「目視及び部分打診調査」を3年毎に実施しなければいけないことになります。
さらに、外装がタイル貼り(PC・ALC版に貼られる場合や工場で打込まれる場合も含む)、石貼り(乾式工法によるものを除く)、ラスモルタル(モルタル塗 一般的に20〜40mm)で仕上げられていて、建物が竣工してから10年を超えているものについて、外壁改修工事を10年を超えて行っていない場合 、歩行者等に危害が加わる恐れのある部分の外壁全面打診調査を10年を超えて行っていない場合は3年以内に外壁の全面打診調査を行う必要があります。
つまり、築10年を経過したタイル貼り等のマンションでは13年目までに全面打診調査を実施する必要があるということになります。
この場合地上から設置して組み立てる「組み足場」で対応できるのは高さ45メートルまで。それ以上の高さになると、「ゴンドラ足場」や「移動昇降式足場」といった特殊な足場を利用しないと調査が行えません。
この足場にかかる費用が意外と高額となり調査費用も高額になります。
4. ドローン技術に期待
そのため、事前の劣化診断は欠かせないことですが、今のところ、ゴンドラ足場等を使って作業員が目視と打診で調査する方法が一般的です。とは言え、管理組合としては、できるだけ費用を抑えたくはないでしょうか? そこでいま期待されているのが、ドローンを事前調査に活用する方法です。
現在、遠隔操作や自動操縦できる無人の飛行体であるドローンに、ネットカメラを搭載し、タワーマンションの外装を調査する方法の開発が進められています。また、ドローンに赤外線カメラを搭載し、外壁タイル等の浮きの調査に利用されてきています。
特に特定建築物定期調査においては足場組やゴンドラ設置に要するコストが不要となりますので、調査費用(コスト)を大きく抑えることが可能となります。
天候や北面での判定の難しさ、タイルの種類によっては解析精度が低くなる等の問題もありますが、ドローンの活用により隣接した構造物があっても赤外線調査を出来る範囲が飛躍的に拡大することは間違いありません。
大規模修繕を円滑に行うためにも、今後に期待したいですし、最新の技術について知ることも大切ですね。
現在、遠隔操作や自動操縦できる無人の飛行体であるドローンに、ネットカメラを搭載し、タワーマンションの外装を調査する方法の開発が進められています。また、ドローンに赤外線カメラを搭載し、外壁タイル等の浮きの調査に利用されてきています。
特に特定建築物定期調査においては足場組やゴンドラ設置に要するコストが不要となりますので、調査費用(コスト)を大きく抑えることが可能となります。
天候や北面での判定の難しさ、タイルの種類によっては解析精度が低くなる等の問題もありますが、ドローンの活用により隣接した構造物があっても赤外線調査を出来る範囲が飛躍的に拡大することは間違いありません。
大規模修繕を円滑に行うためにも、今後に期待したいですし、最新の技術について知ることも大切ですね。
《この記事のライター》
大塚 麻里絵
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
(2018年12月3日記事更新)