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マンション外観から考える 大規模修繕工事の基礎知識
1. マンションは外観が大事？
マンションにとって大切なものとは何でしょうか？ マンションの住宅性能や資産価値に影響を与える要素はいろいろとありますが、その主要なもののひとつが「外観」です。外観とは、外側から建物を見たときの印象のこと。
マンションの外観は、外壁やエントランス（玄関）、外構と呼ばれる外回りのアプローチや門、フェンスなどにより構成されます。このうち、外構の面積や仕様は物件によって異なりますが、どのマンションでも建物の表面積の大半を占める外壁は外観イメージを大きく左右します。これに加えて、外観の強いアクセントになるのが、マンション全体の正面玄関にあたるエントランスです。
こうしたことから、外壁とエントランスはマンションの外観イメージを決定づけるものと言えます。快適な住環境と建物の価値を守っていくためには定期的なマンション大規模修繕が欠かせませんが、外観に関連する工事はその大きなポイントにもなります。そこで、マンション大規模修繕の基礎知識にもなるよう、マンション外観を構成する外壁とエントランスの重要性について知っておきましょう。
マンションの外観は、外壁やエントランス（玄関）、外構と呼ばれる外回りのアプローチや門、フェンスなどにより構成されます。このうち、外構の面積や仕様は物件によって異なりますが、どのマンションでも建物の表面積の大半を占める外壁は外観イメージを大きく左右します。これに加えて、外観の強いアクセントになるのが、マンション全体の正面玄関にあたるエントランスです。
こうしたことから、外壁とエントランスはマンションの外観イメージを決定づけるものと言えます。快適な住環境と建物の価値を守っていくためには定期的なマンション大規模修繕が欠かせませんが、外観に関連する工事はその大きなポイントにもなります。そこで、マンション大規模修繕の基礎知識にもなるよう、マンション外観を構成する外壁とエントランスの重要性について知っておきましょう。
2. 外壁の大切な役割と大規模修繕工事
マンションの外壁はつねに外にさらされ、雨風や気候の変化から直接住居を守ってくれる大切な部分です。しかしながら、どんな建物でも年数が経てば劣化します。そのため、適切にメンテナンスや修繕をしながらいつでも良好な状態に保つ必要があります。
多くのマンションはコンクリートで覆われていますが、経年により、コンクリートの外壁にもひび割れが発生します。このひび割れを補修せずに放置すると、そこから雨水が侵入し、内部の鉄筋や鉄骨が腐食する可能性があります。そうなると、外壁がはがれ落ちる危険性もあり、修繕工事も大がかりになってしまいます。
また、コンクリートの躯体の表面を保護している塗装が劣化して保護機能が低下すると、空気中の二酸化炭素がコンクリートの表面に接触します。二酸化炭素と水酸化カルシウムとが化学反応を起こし、中性の炭酸カルシウムと水へと変化します。これが、コンクリートがアルカリ性を失う「中性化」の仕組みです。
通常コンクリートはph12を超える強いアルカリ性で、内部の鉄筋や鉄骨に不導体被膜を形成し錆から保護しています。この機能が失われると建物の寿命は終わりに近づきます。
そこで、12年前後に一度を目安に外壁の種類や劣化具合に合わせ、次のような補修を行うのが良いとされています。
＜塗装仕上げの外壁＞
塗料の種類にもよりますが、おおよそ10年〜15年おきに塗装の塗り替え、損傷があれば必要に応じて補修を行う。
＜タイル仕上げの外壁＞
タイルの欠け、剥離、ひび割れなどをチェックし、必要に応じて補修や張り替えを行う。
＜共通＞
外壁表面の洗浄、コンクリートの下地のひび割れや腐食がないかチェックし、必要に応じて補修を行う。
通常、マンションの大規模修繕工事の周期は、外壁の修繕周期に合わせられています。大規模修繕工事は、毎回全く同じ工事をするわけではありませんが、外壁はつねに大規模修繕工事の対象となります。
また、外壁のひび割れは、原因によっては建物の劣化を早めることがあります。ひび割れを見つけたら、次回の大規模修繕時まで先送りするのではなく、すぐに補修が必要かどうか専門の会社や建築士に相談することをおすすめします。
多くのマンションはコンクリートで覆われていますが、経年により、コンクリートの外壁にもひび割れが発生します。このひび割れを補修せずに放置すると、そこから雨水が侵入し、内部の鉄筋や鉄骨が腐食する可能性があります。そうなると、外壁がはがれ落ちる危険性もあり、修繕工事も大がかりになってしまいます。
また、コンクリートの躯体の表面を保護している塗装が劣化して保護機能が低下すると、空気中の二酸化炭素がコンクリートの表面に接触します。二酸化炭素と水酸化カルシウムとが化学反応を起こし、中性の炭酸カルシウムと水へと変化します。これが、コンクリートがアルカリ性を失う「中性化」の仕組みです。
通常コンクリートはph12を超える強いアルカリ性で、内部の鉄筋や鉄骨に不導体被膜を形成し錆から保護しています。この機能が失われると建物の寿命は終わりに近づきます。
そこで、12年前後に一度を目安に外壁の種類や劣化具合に合わせ、次のような補修を行うのが良いとされています。
＜塗装仕上げの外壁＞
塗料の種類にもよりますが、おおよそ10年〜15年おきに塗装の塗り替え、損傷があれば必要に応じて補修を行う。
＜タイル仕上げの外壁＞
タイルの欠け、剥離、ひび割れなどをチェックし、必要に応じて補修や張り替えを行う。
＜共通＞
外壁表面の洗浄、コンクリートの下地のひび割れや腐食がないかチェックし、必要に応じて補修を行う。
通常、マンションの大規模修繕工事の周期は、外壁の修繕周期に合わせられています。大規模修繕工事は、毎回全く同じ工事をするわけではありませんが、外壁はつねに大規模修繕工事の対象となります。
また、外壁のひび割れは、原因によっては建物の劣化を早めることがあります。ひび割れを見つけたら、次回の大規模修繕時まで先送りするのではなく、すぐに補修が必要かどうか専門の会社や建築士に相談することをおすすめします。
3. 見た目も大事な外壁とエントランス
こうしたことから、マンションの性能にとって外壁そのものが重要なことと、その補修や修繕の必要性をおわかりいただけたかと思います。これに加え、建物の表面積のほとんどを占める外壁は、その「見た目」もとても大切です。マンションの外壁が汚れて古ぼけていれば、外観イメージはもちろん良くありません。
また、たとえ必要な補修や修繕がされていても、建物としてのマンションの魅力が低下していくことがあります。これは、マンションの顔であるエントランスにも言えることですが、建築デザインのトレンドは時代とともに変わります。新築時は最新のデザインを取り入れた建物であっても10年20年経てば、どうでしょうか？ エントランス外観のデザインや内装が流行遅れになっていたり、周囲の景観とそぐわなくなっていたりすることがあるのです。これでは、外観イメージの良い物件とは言えないでしょう。マンションの魅力は半減し、若い人が購入しなくなり資産価値が低下してしまいます。
したがって、マンション大規模修繕のときには、外観を構成する部分については、性能だけでなく資産価値の維持も念頭に工事を計画することが大切です。そのためには、そのときだけではなく、修繕後も長年にわたって陳腐化しないデザインや色を選ぶ必要があります。周囲に好印象を与え、住人にとっては満足して長く住めるマンションにしていきたいですね。
《この記事のライター》
大塚 麻里絵
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
（2019年1月7日記事更新）
また、たとえ必要な補修や修繕がされていても、建物としてのマンションの魅力が低下していくことがあります。これは、マンションの顔であるエントランスにも言えることですが、建築デザインのトレンドは時代とともに変わります。新築時は最新のデザインを取り入れた建物であっても10年20年経てば、どうでしょうか？ エントランス外観のデザインや内装が流行遅れになっていたり、周囲の景観とそぐわなくなっていたりすることがあるのです。これでは、外観イメージの良い物件とは言えないでしょう。マンションの魅力は半減し、若い人が購入しなくなり資産価値が低下してしまいます。
したがって、マンション大規模修繕のときには、外観を構成する部分については、性能だけでなく資産価値の維持も念頭に工事を計画することが大切です。そのためには、そのときだけではなく、修繕後も長年にわたって陳腐化しないデザインや色を選ぶ必要があります。周囲に好印象を与え、住人にとっては満足して長く住めるマンションにしていきたいですね。
《この記事のライター》
大塚 麻里絵
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
（2019年1月7日記事更新）
★詳しくはこちらをご参照ください。
⇒マンション大規模修繕
▼マンション大規模修繕工事を効率的に行うために日頃の点検は必要？
▼RC造？ ラーメン構造？ 大規模修繕に備えてマンションの構造について知っておこう
▼管理組合に聞く 住民主体による大規模修繕工事とコミュニティ活動でマンションを100年持たせる取り組み 〜労住まきのハイツの事例〜（前編）
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