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のぞいてみよう!施工中現場紹介 〜第1回 東京都練馬区編

マンション 大規模修繕
現在建装工業が施工しているマンションの工事現場の様子についてリポートしていくシリーズです。
今まさに大規模修繕工事まっただ中のマンションにお住まいの方はもちろんのこと、マンションという、いつかは必ず大規模修繕工事を迎える集合住宅にお住まいの皆様に、ためになる情報を分かりやすくお伝えしていきます。

こんな人におすすめ
● 大規模修繕工事を計画しているマンションにお住まいの方に
● 大規模修繕工事まっただ中のマンションにお住まいの方に
● マンション改修業界で働きたいとお考えの方に

目次
1. 今回の工事現場 基本情報
2. 今回の工事の特徴
3. 今回の工事で工夫している点
4. 今回の工事で苦労している点
5. 工事竣工までの意気込み

1. 今回の工事現場 基本情報

マンション名 Eマンション
※マンション名は伏せています
所在地 東京都練馬区
竣工年 1972年(築48年)※2020年時点
建物規模 2棟 地上14階建て 197戸
RC造・SRC造
工期 2020年1月〜2021年1月(12ヶ月)※予定
発注方式 責任施工方式
※検査業務などの専門的な業務は管理組合が外部に依頼しています。
取材日 2020年3月31日
話を聞いた人 現場所長 Y.Iさん

2. 今回の工事の特徴を教えてください。

一般的なマンションの大規模修繕工事に加えて、耐震改修工事、サッシ(窓)の改修工事も合わせて行っていることです。
また、周囲を大学、小学校、保育園に囲まれているという立地も特徴的だと感じています。
その他に、躯体の劣化が進んでいる印象があります。新築当初はコンクリート打ち放し仕上げだった建物を、途中で塗装仕上に変更した経緯がありました。
これも劣化の進行を抑えるための措置だったのではないかと見ています。
管理組合さんは、大規模修繕工事に非常に熱心に取り組まれています。今回の工事は、マンションの大規模修繕工事で広く採用されている「設計監理方式」を採用していません。
工事の計画段階では設計コンサルタントに計画の立案などを依頼することも検討されていましたが、やりたいことが沢山あるのはもう分かっている、それならば「だったら自分たちでやってしまおう」という結論に至っています。
建設業に携わっている居住者の方が複数名いらしたという点も大きいかもしれませんが、「自分達でやろう」という方向へ舵を切れるのは、管理組合が持っているエネルギーが大きいことの現れではないでしょうか。

3. 今回の工事で工夫している点は何かありますか。

工事の内容や工程が複雑なので、居住者の方にそれらを分かりやすく伝えることを意識しています。
特に、今回の工事は耐震改修工事も行いますので、一部のお部屋ではベランダを一度解体するという大胆な工事も行われます。
一般的な大規模修繕工事とは違って騒音も大きく長期間にわたりますので、そうした生活制限が発生する工事について事前にお知らせをしておくことは、居住者の方の不安を少しでも軽減し、施工者側もスムーズに工事を進めることに繋がります。
マンション 大規模修繕

工事ごとに色分けした工事用掲示板
居住者に対して工事内容に関するお知らせを分かりやすく掲示しています。

また、サッシ交換工事や玄関扉更新工事など、居住者の在宅を必要とする工事も予定しています。
こうした工事には、無線を活用することで作業員同士の連携を図っています。携帯電話ももちろん普及していますが、無線は発信側が一方的に話すということができます。
手が離せない時に応えられないということが少ないので、すばやく連絡を取ることが可能です。

また、現場所員の時差通勤を採用しています。
2020年2月に着工した工事ですが、工事が進むにつれて国内の新型コロナウイルスの罹患者もどんどん増えていきました。
電車通勤が中心なので、オフピーク通勤を取り入れることで、人の密集した場所に行くことを避けています。

4. 今回の工事で苦労している点はありますか。

在宅工事の調整ですね。サッシ更新工事は、工事場所の室内の状況によっても工事内容が異なってきますので、実際に工事をする前に確認しておく必要があります。
例えば、窓のすぐ下に作り付けの棚を付けてしまっていると、そのままでは工事ができない、とういような状況です。事前の調査と実際の工事、玄関扉更新工事と複数回にわたって在宅が必要になりますので、普段からお出かけの多いお部屋の方とは調整が難しいケースがあります。
とはいえ、全戸を施工する計画ですからあそこのお部屋だけやらないということにも行きません。
早い段階からコンタクトを取り、工期中に全戸の在宅工事を終えるように引き続き頑張ります。

5. 工事竣工までの意気込みを聞かせてください。

マンション 大規模修繕
耐震改修工事は施工範囲が限られていることから、居住者の負担になるような工事が多い一方で、お部屋によっては前に足場が建っているのに、何も工事が入らない期間が長くなってしまうタイミングもあります。
そうしたところで出来るだけ作業を前倒して、少しでも早く工事を終えて綺麗になった建物を引き渡したいですね。

《この記事のライター》
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター

(2020年5月25日記事更新)

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