毎週月曜日更新

毎週月曜日更新

タグ一覧

マンションで自治会に入るメリットはあるの? 管理組合との関係は?

マンション 自治会
マンションには管理組合のほかに、自治会が存在する場合があります。
管理組合は法律に基づいて必ず加入する必要がありますが、管理組合に加えて自治会にも入る必要があるのでしょうか?
そもそも自治会は何のためにある団体なのかわからないという方もいると思います。
そこで、今回はマンションにおける自治会について、管理組合との関係や加入のメリットやデメリットなどを紹介します。

目次
1.マンションにおける自治会と管理組合との関係
2.自治会の役割と加入のメリット・デメリットを考える
3.いま注目されるマンション自治会の役割「防災」

1.マンションにおける自治会と管理組合との関係

マンション 自治会
過去に掲載した記事でも紹介しましたが、管理組合は法律にもとづく団体で、自治会は任意加入の団体となります。

⇒マンション管理組合と自治会の違いとは
https://www.kenso.co.jp/magazine/article/20191218a.html

管理組合と自治会が一体化している場合や、運営している人が重複していることも多いのですが、本来は全く別の団体となります。
そのため、管理費と自治会費をあわせて集金している場合は、自治会に加入していない住人とのトラブルに発展するケースもありますので、明確にわけて集金することがのぞましいでしょう。
たとえば、マンションの維持管理に関することは管理組合とし、マンションの住民の交流促進に関することは自治会とするなど、役割分担をすることで効率的なマンション管理を実現できます。

2.自治会の役割と加入のメリット・デメリットを考える

マンション 自治会
さて、それでは自治会に入るメリットは何でしょうか。
マンションにおける自治会の役割は、過去記事でも紹介したとおりマンションの住民や地域との交流促進であり、自治会はいわゆる町内会と同じ様な団体となります。自治会に加入するとゴミ掃除当番などの負担も増えそうだし、加入が任意であれば入りたくないという人もいることでしょう。

そこで、自治会に加入するメリットとデメリットをまとめてみました。

自治会に加入するメリットは、
・マンションや地域住民との交流がしやすくなる。
・子どもや高齢者には見守り活動の恩恵がある。
・行政とのつながりがあるため、地域の有益な情報を入手できる。
などがあげられます。

一般的にマンションは、住民相互の交流しづらい環境の場合があり、同じマンションの住民との交流を深めたい人にとっては、自治会に加入するメリットがあります。
特にお子さんがいる場合は、同じようにお子さんをもつマンションの住民との交流や助け合いがしやすくなり、子どもたちにとっても友達を作りやすい環境をつくることができます。
また、自治会主催のイベントやお祭りを開催するなどのイベントも行いやすくなります。その他、自治会には、行政の末端組織としての役割もあるため、地域や防災などに関する情報を確実に得られるほか、逆にゴミ収集場を増やしてほしいといった行政への要望も通しやすくなります。

反対に加入する主なデメリットは、
・一定の会費がかかる。
・役員や班長になると一定の拘束時間が生じる。
・ゴミ清掃当番などの活動をしなければならない。
などが考えられます。

中には、住民相互の交流をあまり望まず、プライベートの時間を削られたくない方もいると思います。自治会はあくまで任意加入が原則ですので、入りたくない場合は、はっきりと断るべきでしょう。

このように自治会に入るメリット・デメリットは、趣向や家族構成、ライフスタイルなどによって、変わると思います。

3.いま注目されるマンション自治会の役割「防災」

マンション 自治会
近年、自治会に加入するメリットとして、自主防災組織を設立できることが注目されています。
自主防災組織とは、地域の住民が協力しあって災害対策を行い、いざというときに住民みずからの命と財産を守る組織で、主に自治会や町内会によって設立されます。
ここ数年、全国で大きな自然災害が相次ぎ、マンションでも自主防災組織を結成する必要性が指摘されています。

多くの市区町村が、自主防災組織の活動や資機材にかかる費用の助成などを行っており、災害時には、行政による安否確認は自治会単位で行われ、情報や支援物資も自治会を通して提供されます。
緊急時には自治会が行政との貴重な窓口になり、平時からも防災に関する情報は自治会に届けられます。 防災情報や、公助(国や自治体による救助)を受けやすく、日ごろからの災害への備えにも役立つことが、自治会への加入の大きなメリットといえるでしょう。

防災についての行政の支援を受けるには、自治会が自主防災組織を運営している必要性があり、市区町村によっては自治会の設立を自主防災組織の結成の要件としているところもあります。

防災活動は実際に暮らす人たちが参加してこそ意義があります。
マンションの生活環境を守っていくには、住民相互の交流やいざというときの災害時の協力が大切です。
自治会といえば、近隣住民や地域との交流促進が主とされていますが、一度、「防災」という観点からも、自治会への加入について検討してみてはいかがでしょうか?


■あわせてお読みください。
・マンション管理組合と自治会の違いとは
・マンション防災 自主防災組織はあったほうがいい?
・災害に備えてマンションの防災力を強化!
・災害発生時に必要となる住人の自助と共助。あなたのマンションは大丈夫ですか?
・マンションでの防災対策。一年に一度の備蓄の日に日常備蓄をチェック!

《この記事のライター》
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。

(2021年2月1日記事更新)

おすすめコンテンツ