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マンションでバリアフリーリフォーム トイレをバリアフリー化したい!

バリアフリーリフォーム
トイレをリフォームする場合は、高齢者や体の不自由な方と同居されている場合はもちろん、自分の老後のことも考えてバリアフリー化を検討したいところです。そこで今回は、マンションのトイレを安全で使いやすくするためのバリアフリーリフォームについてご紹介します。

※過去にもマンションのバリアフリーリフォームについての記事を掲載しています。ご興味がある方は、ぜひ併せてご参照ください。
マンションでのバリアフリーリフォーム、ここを押さえておけば安心!!


目次
1.トイレをどのようにバリアフリー化するかを考える
2.トイレのバリアフリー化のポイントは?
3.トイレまでの距離にも注意
4.大規模修繕のオプション工事という選択肢も

1.トイレをどのようにバリアフリー化するかを考える

バリアフリーリフォーム
ひと口にトイレのバリアフリー化といっても、トイレを使用する人の体の状態や自立度に応じたトイレの使い方によって、必要となるスペースや仕様が異なるので、まずは、トイレの使い方を想定する必要があります。

<バリアフリー化ためのトイレの使い方の想定例>
・自立歩行の使用のみを想定する。
・自立歩行に加えて、介助を行うことを想定する。
・自立歩行に加えて、車いすの使用を想定する。

自立歩行の使用のみを想定する場合は、間口75cm、奥行き120cmほどのスペースがあれば十分です。

自立歩行に加えて、介助を行うことを想定する場合は、上記に加えて、便器の側方や前方に幅50cm以上のスペースが必要となります。

自立歩行に加えて、車いすの使用を想定する場合は、トイレ内で方向転換ができるように、間口165cm、奥行き165cm(約1坪)のスペースがほしいところです。これなら介助スペースも確保することができます。

実際問題としては、スペースの確保が難しいケースも多いのですが、トイレの壁を工事で移設することが可能な場合もありますので、リフォーム会社と相談してみてください。

2.トイレのバリアフリー化のポイントは?

トイレのバリアフリー化をするうえで、検討したいポイントをご紹介します。

・出入口
出入口の幅は、自立歩行では75cm以上、車いす使用では80cm以上確保します。
扉は、車いすでも開けやすく、自然に閉まらないため出入りがしやすい引き戸がおすすめです。特に床面に段差ができない吊り戸がベストです。
引き戸の床面の段差がある場合は、小さな段差を解消できるミニスロープなどを活用するのも一つです。開き戸しか設置できない場合は、トイレ内での転倒時など救助しやすいよう必ず外開きにしてください。

・手すり
便器の横に縦手すり、また必要に応じて横手すり、もしくはL字型の手すりを設置します。設置する高さや位置は利用者の体型や動作のしやすさにあわせて調整します。
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・床材
滑りにくく、杖や車いすに対応するもの、汚れに強く掃除のしやすい塩化ビニール素材のシート状床材であるクッションフロアがおすすめです。

・便器
自立歩行のみを想定する場合の座面の高さは40cmほどですが、車いすの使用を想定する場合は、車いすからの移乗が行いやすい座面の高さ(45cmほど)にします。座高の調整方法のひとつとして「補高便座」を活用する方法もあります。
トイレのフタの開け閉めは、腰の負担になるため、センサーで自動開閉するフルオート便座が便利です。
タンクレストイレを導入するとトイレのスペースが広くなりますが、マンションによっては水圧の関係で使用できない場合があるため、事前にリフォーム会社などに相談して、必要に応じて水圧測定を行います。

・その他
便器の洗浄レバーや手洗いの水栓、照明のスイッチなどは、手の力が弱くても操作しやすいタイプや、手をかざすだけで動作するようなセンサータイプがおすすめです。
人工肛門・人工膀胱を造設している方がいる場合は、器具洗浄台などを設置したオストメイト対応トイレを導入します。

一般的な例をご紹介させて頂きましたが、実際にバリアフリーリフォームをする際には、建装工業にお問い合わせいただければ、お客様のご希望にあわせてプランをご提案させていただきますので、ぜひご相談いただければ幸いです。

3.トイレまでの距離にも注意

トイレのバリアフリー化では、トイレそのものに気を取られがちですが、バリアフリートイレを必要とする人の居室(寝室)からの距離も重要なポイントです。特に夜間や冬季には、居室からトイレまでの動線距離は短いに越したことはありません。

また、各居室からトイレにつながる廊下には、なるべく段差をなくす、明るすぎず足元が確認できるような夜間用の照明、歩行を助ける手すりなど、使う人の状態にあわせて検討しましょう。

4.大規模修繕のオプション工事という選択肢も

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2回目、3回目のマンション大規模修繕を行うころには、住居全体のバリアフリー化を検討する必要がでてくる場合が多いです。そのような場合、共用部分の大規模修繕工事のオプション工事に併せて、専有部分のバリアフリーリフォームを行う方法があります。

これは、大規模修繕工事の請負業者がマンション住民のうち希望者を募り、専有部分などのリフォームを行うものです。工事内容によっては、管理組合の承認が必要になりますが、マンション全体の給排水設備の修繕時にトイレなどのリフォームを同時に行えば、工事による生活の負担も軽減することができます。大規模修繕工事の予定がある場合は、ぜひ検討してみて下さい。


<参考資料>
「福祉住環境コーディネーター検定試験2級公式テキスト」東京商工会議所


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《この記事のライター》
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。

(2021年2月8日記事更新)

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