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ハイビスカスの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
ガーデニングを楽しみたい方のために、ベランダでも楽しめるお花と育て方を紹介していくシリーズ。今回は「ハイビスカス」の魅力に迫ります。育て方のポイントを初心者にも分かりやすく解説し、花言葉やハーブティー、その他役立つ知識をご紹介します。
☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・マンションのベランダはあくまで「共用部」です。大規模修繕工事の際は、すべて撤去する手間がかかりますので予めご注意ください
※詳しくは下記の記事を参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意」
1.ハイビスカスとは
ハイビスカスは、パラソルのようにパッと開いたトロピカルなイメージの花です。ハワイや沖縄など、温暖な地域で目にした人も多いのではないでしょうか。ベランダガーデニングでも南国気分を味わえるハイビスカスについて解説します。
・特徴
ハイビスカスは、アオイ科フヨウ属の常緑または落葉低木です。熱帯または亜熱帯に自生し、その種類は1万種近くあるともいわれます。赤、ピンク、オレンジ、黄色、白など花色が豊富で、大輪のものからこじんまりしたものまであります。寒さに弱いので日本のガーデニングでは鉢植え栽培がほとんどですが、沖縄では通年屋外で育ち、街路樹にも植えられ背丈が3mほどになることもあります。最適な気温は12℃から30℃まで。寒いのも苦手、暑すぎるのも苦手な植物です。
・開花時期
開花時期は5〜10月頃です。園芸店やホームセンターなどでは、温室で加温栽培されたハイビスカスが4月頃から出回りますが、翌年以降に自宅で開花するのは5月頃からとなります。咲いたその日にしおれてしまう一日花ですが、秋まで次々と咲くので長く花を楽しめます。
●クレオパトラも愛飲していた!?ハイビスカスティー
ハイビスカスの中のロゼア(学名Hibiscus sabdariffa、別名ローゼル)という種類は、花が終わった後の真っ赤な実が特徴です。生でも食べられますが、乾燥させてハイビスカスティーにするのが一般的です。ビタミンC、ミネラル類、クエン酸、アントシアニンなどを含み、強い抗酸化作用でアンチエイジングに一役買いそうです。なんとあのクレオパトラも美の秘薬として愛飲していたのだとか。乾燥させた実はドライフラワーとしても楽しめます。
●ハイビスカスは頭につける位置で違う意味合いに
トロピカルなハイビスカスを頭に飾り、バカンスを楽しみたい女性もいるのではないかと思います。でもちょっと待って。ハイビスカスは「頭につける位置で意味が違う」ことをご存じでしょうか。
ハイビスカスを女性の髪に飾る時に、ハワイでは既婚女性は頭の左側、未婚女性は頭の右側につける習わしがあるのだそうです。
左側…既婚女性
右側…未婚女性
もう少し細かく見てみると、
後頭部…売春婦
頭上…恋人募集中(おバカさんという意味も)
両側…ゲイやドラァグクイーン(女装でのパフォーマー)
という意味もあるとか。日本国内ではさほど気にする人はいないかもしれませんが、海外旅行の際にはくれぐれも気をつけて楽しんでくださいね。
・ハイビスカスの花言葉に怖い意味は一つもない
ハイビスカスは花色により異なる花言葉があります。赤いは「勇敢」「新しい美」、ピンクには「華やか」、白には「繊細な美」、黄色には「輝き」という意味があります。ハイビスカス全体では「新しい恋」「上品な美」など良い意味しか見つかりません。沖縄では後生花(ぐそうばな)と呼ばれ、墓地に植えられるので怖いと勘違いされやすいのですが、花言葉自体に怖いものは一つもないので贈り物にする際にも安心してください。
2.ハイビスカスの育て方
南国のイメージがあり育てるのが難しそうなハイビスカスですが、育て方が分かればマンションのベランダでも簡単に育てられます。春に気に入った色の花をお店で購入するのが一般的で、種まきから育てることはあまりありません。ガーデニングに自信があれば、ハイビスカスティーにもなるロゼア(ローゼル)という種類を種から育ててみるのもおすすめです。
・植え替え
ハイビスカスを苗で購入したら、なるべく早めに購入時より一回り大きい鉢(直径プラス3cm)に植え替えましょう。植え替え適期は5〜6月です。根の成長が早く鉢がきつくなりやすいので1〜2年に1回は一回り大きい鉢に植え替えましょう。
・種まき
種まきにチャレンジするなら、まき時は気温が20℃前後の5月頃です。種は一晩水に浸けてからまくと発芽率が良くなります。日陰の場所でポットにまき、1週間ほどで発芽します。本葉が4〜5枚になった頃、15cmポット1つに1株ずつ植え替えたら、日向で育てます。その年の夏には花が開花し、秋には実を収穫できます。ロゼアは寒さに弱いので、冬越しはさせずに、種まきをして一年草のように育てる人が多いようです。
・適している環境
4〜9月は日光が良く当たる暖かい場所で育てます。常夏の花のイメージですが、寒さはもちろんのこと、暑すぎる環境にも弱いので、マンションのベランダガーデニングではコンクリートの照り返しが苦手です。気温が30℃を超える前に、下にデッキなどを敷いた涼しい日陰に移しましょう。九州以北では10月になったら室内に取り込みます。
・室内での育て方
ハイビスカスは寒さに弱く、屋外では10℃くらいまでしか堪えられないので、最低気温が12℃を下回ったら10月から4月くらいまでは室内で管理します。日光を好むので、日中はよく日が当たる窓辺に置いて、夜になったら寒気が入らないように防寒するか、窓から離して部屋の中央に置くと安心です。
・水やり
春から秋の成長期には、毎日水やりをして水切れさせないようにしましょう。開花期に乾きすぎるようなら、朝と夕方2回水をあげてください。水が切れると花が咲かずにつぼみのまま落ちてしまうことがあります。秋になり冷え込むようになると、成長が緩慢になるため10月以降は水やりを控えめにし、土が白っぽく乾いたら、よく晴れた日中に水やりしましょう。
・肥料
ハイビスカスは花が次々と咲くので、肥料が切れると花付きが悪くなります。月に1回の緩効性置き肥(ゆっくり長く効く固形肥料)と、2週間に1回の液肥(規定量の水で薄めて使用する液体肥料)を併用すると効果的です。肥料を与える時期は真夏を除く5〜10月です。酷暑時は夏バテで体力が弱るので、30℃を超えたら根を傷めてしまわないよう肥料はいったんストップしましょう。
・育て方のポイント
ハイビスカスを上手に育てる3つのポイントは、以下の通りです。
①根の発育が旺盛なので、根詰まりさせないようにすること。
②花の時期は水切れ、肥料切れをさせないこと。
③快適な温度は12℃から30℃まで。12℃を下回ったら室内に、30℃以上になったら涼しい日陰に退避させること。
以上を踏まえてお世話をしましょう。
・病害虫対策
害虫は一般的な草花と同様で、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニ、毛虫、ハマキムシ、コナジラミなどです。病気はうどん粉病などがありますが、カイガラムシがいたら糞にカビ菌が付着してスス病になることもあるので、殺虫殺菌剤で早めに駆除しましょう。
●ハイビスカスのベランダガーデニングにチャレンジ!
マンションのベランダガーデニングにもぴったりなハイビスカス。お気に入りの色を選んでぜひチャレンジしてみてください。夏のベランダにハイビスカスがあると華やかになり、トロピカルな気分に浸れること間違いなしです。
■あわせてお読みください。
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■この記事のライター
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
※建装工業株式会社公式HPはこちら
(2022年7月4日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。