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建装工業初! 大規模修繕工事にて電子契約第一号の若葉台第一住宅管理組合様にインタビューしました
近年、IT・DX・AI等の革新で、あらゆることが変革しています。建装工業初となる、大規模修繕工事にて電子契約締結第一号の若葉台第一住宅管理組合様に電子契約についてインタビューしました。
目次
1. 本現場の基本状況
2. 電子契約のきっかけ
3. 電子契約の説明を受けて
4. 管理組合内での検討状況
5. システム操作で戸惑った点
6. 電子契約の懸念点
7. 今までの修繕履歴の思い出
8. 今回の大規模修繕工事に関するご要望
9. その他
10. 最後に
1. 本現場の基本状況
工事名称 | 若葉台第一住宅2023年度大規模修繕工事 |
建物規模 | RC SRC 戸数:889 棟数:34 階高:14 |
所在地 | 埼玉県坂戸市千代田4-7 |
竣工年 | 1976年 (昭和51年) |
工期 | 2023年6月12日〜2024年6月30日 |
発注者 | 若葉台第一住宅管理組合 |
工事内容 | 仮設工事、躯体改修工事、防水改修工事、外壁塗装工事、鉄部塗装工事、金物改修工事、機械設備改修工事、外構改修工事、オプション工事 |
電子契約日 | 2023年6月8日 |
大規模修繕工事 | 4回目 (内2・3回目建装工業で実施) |
取材日 | 2023年6月14日 |
話を伺った方 | 理事長 日原様、修繕委員長 松下様、広報部長 坂田様 |
【左から 理事長 日原様、広報部長 坂田様、修繕委員長 松下様】
2.電子契約のきっかけ
施工会社内定段階で、今後の打合せ等について建装工業営業担当の大住さんとのメールでのやりとりを行っていました。メールの署名欄にKenso MagazineのURLがあったため、閲覧してみたところ「建装工業 電子契約を始めました。」の記事が掲載されていたことがきっかけです。記事の内容をみて、電子契約であれば収入印紙が不要になるとの情報が記載されており、今回の大規模修繕工事は、工事費が約15億円にもなるため収入印紙代だけでも32万円と管理組合の負担が大きく、その削減ができるということがとても魅力的に感じました。
建装工業へ電子契約を行えないかメールにて連絡したのと同時に、自身でも国土交通省のホームページにて調べてみました。ホームページでは双方に費用を要すること、今後継続的に利用料のようなものを支払うというような意味合いに感じたため、それでは管理組合の負担が大きいことから一度は諦めましたが、営業担当の大住さんから電子契約の手続きに関する丁寧な説明と、クラウドサイン社のパンフレット等の受領を受け、ご提案いただいている内容であれば管理組合の負担がほとんどかからないと思い、前向きに検討することとしました。電子契約を締結するにあたり、期日も相当要すると感じていましたが、費用も掛からず・期日も要さないとの説明を受け、修繕委員会にて議論する価値があると判断しました。
修繕委員会内で議論した後、理事会に上程し、管理組合として32万円の印紙代の費用削減・新たな費用が発生しない・短期間で簡単に契約締結できる、と判断し、理事会にて承認をいただきました。
3.電子契約の説明を受けて
事前にメールでの説明及び資料を受領していましたが、詳細確認のために理事会開催前に建装工業さんに実際に足を運んでもらい、電子契約の説明・質疑等を行わせていただきました。管理組合として、「毎月の費用負担があるのでは」等のネガティブ意見もありましたが、費用負担等が一切なく、また、手順通り行えば、負担も少なく電子契約締結が行えるといった説明をうけました。契約締結のための書類確認・承認者を3名まで登録できたため、管理組合としての承認は、①修繕委員長⇒②総務部長⇒③理事長の順と決め、事前登録を行いました。
実際に契約手続きに入ってからは、3名が順に確認・承認していき、ほぼ1日で契約締結が行えました。操作も非常に簡単でした。契約書そのものは、事前に設計監理者に内容の確認等を行っていただいていたので、契約書の中身については心配も問題もありませんでした。
4.管理組合内での検討状況
6月8日に契約締結をおこないました。契約書書類がすべて電子データとなるため、ダウンロードしたものを管理事務室に保管しています。また、閲覧希望者がいればすぐに閲覧できるよう印刷し、従来通り紙面でも保管しているため、今後の検討事項等はありません。
管理組合では、今までの工事の竣工図書等を紙ベースにて保管していますが、資料室の空きスペースが無くなりつつあることと、検索に非常に手間を要することが問題だと感じています。約15年前から、竣工図書など電子化を進め、管理組合のファイルサーバーに格納し対応しています。従来であれば紙ベースのものを電子化し、保存、といった手順を踏む必要がありますが、今回の電子契約はファイルサーバーに直接格納することができたため、その点でも便利さを感じています。
5.システム操作で戸惑った点
システム操作等で戸惑った点はありません。事前に説明を受けていたこともありますが、基本的には届いたメールにクリックするだけなので、容易に行えたという印象です。わずかな手間で、収入印紙が不要である点は大きなメリットが享受できると思います。
6.電子契約の懸念点
管理組合としても、電子契約を用いての契約締結は初めてとなります。準備・導入・今後についても、現在のところ特段の懸念点はありません。
7.今までの修繕履歴の思い出
竣工から45年経過しました。1回目の大規模修繕工事は、地元の建設業者に依頼しましたが、棟によって品質面での差が生じていました。本マンションは新築時の建設業者が棟によって異なっていることからも仕上がりに差が生じたと考え、2回目以降からコンサルタントとして設計事務所に委託し、設計監理方式として大規模修繕工事・中間工事などを行っているため、品質面での齟齬がなくなり満足しています。施工会社選定も修繕委員会・理事会が主体となり行っており、2005年の中間工事から建装工業さんともお付き合いしております。
2001年に2035年までの中長期修繕計画を作成しており、コンクリートの中性化等も鑑みながら60年は住める修繕計画としました。適切に躯体の修繕も行ってきているため、最近では組合員から80年・100年は住める様にとの要望も受けています。また、中長期修繕計画は綿密に立案し、計画と実施の差異が一目でわかる様に、修繕履歴一覧表を作成しています。
8.今回の大規模修繕工事に関するご要望
18年前から主たる修繕工事を建装工業さんに依頼していることから、我々より施工者の方が良く知っている面も多々あると思っていますので安心しています。
住民説明会は、3回開催し174名が参加しました。居住者からの質問事項にも丁寧な受け答えをしていただき、現場代理人さんをはじめ、副現場代理人さんもしっかりしていると感じ、安心しています。
9.その他
管理組合として世代交代も加速すると思われるので、修繕工事等の事業について、経緯をきちんと保存するように心掛けています。今年は大規模修繕工事の着手と中長期修繕計画の見直しを行います。給水管・排水管・汚水管の更新工事は足場を要しない工事なので、来年度実施をしたいと考えています。この一連の工事が完了すると主だった大きな工事は一段落すると認識しています。そうしたら、次の世代へバトンタッチが出来ればと考えています。
先般、区分所有者調査を行った際に、現役世代が減少していると感じました。現区分所有者の子どもたちは独立して自分たちで家を保有している状態が多いと考えられるため、空き家等を懸念していますが、事前対策等はなかなか難しいと考えています。
2020年頃には建替え等の話も一部ありましたが、現在では建物の維持管理を適切に行い、マンションを大切にするつもりです。
また、これからは脱炭素化も目指し、取り組みを行っていかないといけないと考えており、マンションそのものが魅力的になれば、若返り・活性化にもつながると考えています。
10.最後に
電子契約第一号は、若葉台第一住宅管理組合様で、889戸約15億円の大規模修繕工事です。管理組合様の思いを伺い、建物を末長く使用できる様、大規模修繕工事を品質良くしっかりと行わなければならないと感じました。お話をお伺いした、理事長 日原様、修繕委員長 松下様、広報部長 坂田様、ご対応有難うございました。
■あわせてお読みください。
・建装工業 電子契約を始めました。
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■この記事のライター
吉田 秀樹
建装工業株式会社 MR業務推進部 統括部長
愛知県出身 職能能力開発総合大学校(当時:相模原市)卒業
マンション管理士・一級建築施工管理技士・マンション維持修繕技術者を有し、大規模修繕工事の営業に従事した経験者
(2023年7月3日新規掲載)
*本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。