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マンションの防犯や資産価値に影響する管理のポイント

マンション 防犯

1. マンションの安全と資産価値を守る

どのようなマンションも年数が経てば劣化していきますが、築年数が同じマンションの資産価値が全て同じように下がるわけではありません。分譲マンションは区分所有者全員の大切な資産ですので、快適な居住性と資産価値を維持していく必要があります。その基本となるのが、共用部の日常的な管理です。

管理がしっかりしているマンションでは、建物や設備が良好に保たれ、住民は安全で快適に暮らすことができます。それが資産価値の維持につながるのですが、そのためには建物・設備の手入れとともに、防犯性も重要になります。マンションの共用部は様々な場所や設備で構成されていますが、特に防犯と資産価値の面で管理に力を入れたいポイントがあります。こうした重要ポイントと良好な管理のためのヒントをご紹介します。

2. いつもきれいであってほしい場所

良好なマンション管理の基本は、日常的に共用部の清掃や点検が行き届き、ゴミや修理の必要な箇所が放置されていないことです。その上で特に注意したいのが、次のような場所です。

・エントランス
エントランスは「マンションの顔」になる場所ですので、掃除が行き届いていなければ、住民はもちろん、購入希望の見学者にも良くない印象を与えてしまいます。

・集合ポスト
ポストからこぼれ落ちたダイレクトメールやチラシが散乱していないでしょうか。荒れた住戸があるという印象にもつながりかねません。

・ゴミ置場
回収日以外にゴミが置かれている、ゴミの分別ができていないなど、ゴミ置場が整理整頓できていないと見た目の面でも衛生面でも問題となります。開放型のゴミ置場の場合、住民以外の人にもゴミを捨てられてしまう可能性があり、防犯上も良くありません。

これらの場所があまりきれいに保たれていなければ、管理会社による掃除の回数を増やすことも解決策の1つですが、それには費用がかかります。まずその前に、管理組合と住民でできる工夫をしてみましょう。

例えば、管理人が常駐していないなどの理由で、集合ポストへのビラのポスティングを防ぐのが難しい場合、住民各自が不要なチラシなどを捨てられるよう、集合ポスト付近に紙専用のゴミ箱を置くという方法があります。また、ゴミ置場に回収日をわかりやすく記載した看板を設置したり、ゴミの種類によって置き場所の色を変えたりするなど、ゴミの出し方を明確化することも大切です。

3. マンション防犯の重要ポイント

マンションの防犯を考える上では、駐輪場と駐車場も重要なポイントとなります。これらの場所が乱雑になっていると、住民のものではない自転車が放置されるなど、外部から不審者に侵入されやすくなります。自転車やバイク、車が所定の位置からはみ出して停めてある、住民所有かどうかわからない車両があるなどの場合は、管理を改善する必要があります。

方法としては自転車とバイクを登録制にし、登録した車両には統一したステッカーを貼ってもらい、地面に白線を引く・自転車スタンドを導入するなどして決まった区画に駐輪してもらうようにします。こうすることで、整頓された状態を保ちやすく、放置自転車があればすぐに発見・撤去できます。駐車場は、ほとんどのマンションで住民ごとに停車位置を決めていると思いますが、バイクまで管理は行き届いているでしょうか。既にあるルールを徹底するよう改めて住民に呼びかけましょう。バイクに関するルールが不十分であれば、それは管理組合で別途検討していく必要があります。また、子供用の自転車やタイヤ幅の太いマウンテンバイクなど、他の自転車と形が異なり、整然と並べることができない、ラックに納まらないといった自転車もあります。こうした自転車をどのように管理していくのかを管理組合で検討しておくことも有効です。
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4. 防犯のためには、暗い共用部はダメ!

マンション全体の印象と防犯に関わるものに、共用部の照明があります。
昼間は気づきにくいかもしれませんが、エントランス、廊下、共用階段などが夜間にうす暗いと、誰でも不安に感じますし、侵入者を呼び寄せることにもなりかねません。オートロックでないマンションでは特に注意が必要です。
電球や蛍光灯が切れている・切れかけているのを放置しないよう、こまめに点検・交換することが大事です。電球切れに気づいたらすぐに管理人や管理会社へ連絡することに加え、寿命の長いLED照明への交換を検討するのもいいかもしれません。多くの場合、蛍光灯よりも明るくなり、省エネルギーにもつながります。

マンションの資産価値は住民自ら守っていくものです。その要となる日常のマンション管理は、管理会社に全て任せてしまうのではなく、居住者全体が主体的に行っていくことを常に意識しましょう。
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《この記事のライター》
大塚 麻里絵
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター

(2019年11月1日記事更新)

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