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マンション収納を効率よく使うために ゴールデンウィークには衣替えを

マンション 収納

1. 衣替えはした方がいい?

毎年ゴールデンウィークの時期になると、冬物と春夏物の衣類の入れ替えを考える人が多いと思います。年間を通して衣替えをしないという人もいますが、衣類をカビや害虫から守るために、また収納スペースを整理する意味でも衣替えは有効です。特に床面積が決まっているマンションでは、収納スペースを効率よく使いたいですね。

衣替えのタイミングといえば、従来は6月と10月が一般的でしたが、近年は地球温暖化の影響もあり、夏服への切り替えを早める学校なども増えています。このことからも、ゴールデンウィークは衣替えに適していると言えますが、実は、これ以外にもこの時期が衣替えのベストシーズンとなる理由があります。今回は、その理由と賢い衣替えの仕方についてお話しします。

2. ゴールデンウィークが衣替えにベストな理由

どうしてゴールデンウィークが、衣替えにおすすめの時期なのでしょう?
それには、衣類を守る上での重要なポイントが関係しています。長い間しまっておいた衣類に、いわゆる「虫食い」の穴ができていたということはありませんか? このように衣類を食べる虫には、ヒメカツオブシムシ・ヒメマルカツオブシムシとイガ(衣蛾)・コイガが代表的です。その生態について少し説明しましょう。
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ヒメカツオブシムシの幼虫は体長10mm弱、ヒメマルカツオブシムシの幼虫は体長4〜5mm程度で、10回弱の脱皮をして成長します。穴を開けられてしまった衣服や、引き出しの底に抜け殻を見つけたら、どこかにカツオブシムシがいるということです。

イガ・コイガの幼虫は体長5mm程度で、白いいもむしの形をしています。イガの幼虫は、動物質の繊維を好むので、ウールはもちろんカシミアやアルパカなどの高級セーターも食べられてしまいます。一方、コイガはより幅広いものを食べるので、化学繊維でできた服や服に食べかすがついたままの部分も食べます。

夏から秋にかけて成虫が外に干した洗濯物や窓などから家の中に入り込み、収納されている衣類に卵を産みつけます。干している洗濯物に卵が産みつけられることもあります。成虫が衣類を食べることはなく、冬から春にかけ、卵からふ化した幼虫が衣類を食べるのです。その後、さなぎになった幼虫はゴールデンウィーク前に成虫となり、また産卵期に入ります。外から侵入した害虫が家の中で産卵し、卵から成虫になることがくり返される可能性もありますので、マンションの高層階でも油断はできません。

衣類を害虫の被害から守るには、卵を産みつけられないようにすることが大切です。そこで、害虫の活動サイクルからわかる産卵期の前に衣替えを済ませましょう。そのベストな時期といえるのが、産卵期にあたるゴールデンウィーク頃であり、この時期が衣替えのタイムリミットでもあるのです。

3. 衣類をしまう前に気をつけたいこと

ここからは、衣替えにあたって気をつけたいポイントについて見ていきましょう。
この時期の衣替えでは、冬物の衣類をしまいますが、気をつけたいのが保管中に虫食いやカビ、シミが発生するのを防ぐことです。そのためには、次のようなことに注意しましょう。

・必ず洗濯やクリーニングを済ませましょう。衣類についた皮脂や食べ物の汚れは害虫の栄養になります。
・洗濯の後はしっかり乾かしてからしまいましょう。湿気によるシミやカビを防ぐことができます。また、クリーニング後のビニール製のカバーは、内側に湿気がこもることがあるので、取り除きましょう。しまう前に衣類にアイロンをかければ、害虫の卵や幼虫を退治でき、より効果的です。
・雨の日を避け、湿度の低い晴れた日に衣替えをすると良いでしょう。衣類が湿気を吸収するのを防止できます。
・防虫剤は、製品ごとに決められた使用法にしたがいましょう。メーカーの推奨する方法で使用することで、最大限の効果を発揮します。

4.収納内の環境にも注意

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衣類を良い状態で保管するためには、クローゼットなど収納内部の環境も重要です。衣類の害虫が活動しやすい環境は、気温15℃から25℃の間、湿度60%以上といわれています。気温が30℃以上になると虫の活動は鈍くなりますが、湿度が高いと今度はカビが発生しやすくなります。収納の中に湿気がこもらないよう、こまめに換気してください。除湿剤や除湿器を置くのもよいでしょう。

また、収納内に風を通しやすくするためには、ものをつめ込みすぎるのはよくありません。不要なものは思い切って処分する、圧縮タイプの収納袋を使うなどして、収納スペースに余裕を持たせることが大切です。

クローゼットに何年もつめ込んだままの服があれば、収納の中の空気がよどんで湿気がこもりやすく、環境としては良くありません。収納内の空気を動かすという意味でも衣替えは有効ですし、不要なものを見直すことで収納内の整理整頓もできます。ベストなシーズンを逃さずに、賢く衣替えをしたいですね。

《この記事のライター》
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター

(2020年4月13日記事更新)

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