タグ一覧
マンション大規模修繕・リフォーム工事にも関係するアスベスト検査について
1. いまだに残るアスベストのリスク
アスベスト(石綿)は、極めて強力な発がん性物質として、いまでは広く認知されています。しかし、国内ではアスベストの危険性が早くから認識されながら、欧米に比べて10〜15年も使用禁止が遅れ、2006年に全面的に禁止されるまで多くの建材に使用され続けてきました。
現在もアスベストの使用の有無が明確でない建材を使った建築物が多数あり、災害時や建物解体時に発がん性物質であるアスベストが飛散して、環境汚染や健康被害をもたらす危険性があります。
実際、マンションでは鉄骨やエレベーターシャフト内への吹付材はもとより、塗材や石膏ボートなどの建築仕上げ材にもアスベストは含まれており、その含有調査と、検出された場合の飛散防止対策に多額の費用を要するケースが増えています。
現在もアスベストの使用の有無が明確でない建材を使った建築物が多数あり、災害時や建物解体時に発がん性物質であるアスベストが飛散して、環境汚染や健康被害をもたらす危険性があります。
実際、マンションでは鉄骨やエレベーターシャフト内への吹付材はもとより、塗材や石膏ボートなどの建築仕上げ材にもアスベストは含まれており、その含有調査と、検出された場合の飛散防止対策に多額の費用を要するケースが増えています。
2. アスベスト対策の現状
こうしたアスベストへの対策として、各国がそれぞれ独自の対策を進めてきました。アスベスト対策先進国といえる英国や米国などでは、建物所有者の調査義務、アスベストに関連する公的な資格制度、アスベスト関連作業のライセンス制、違反した場合の厳しい罰則を定め、国家的に厳格な管理体制を構築しています。
日本でもアスベスト含有建材(アスベストを0.1%を超えて含有するもの)は労働安全衛生法施行令により、2006年9月から、製造・使用ともに全面的に禁止されました。
一方、2006年8月以前に建築に着手した建築物にはアスベストを含む建材が使用されている可能性があることから、マンションの大規模修繕工事や解体工事、リフォームを行う際にはアスベスト含有建材を使用しているかどうか確認する必要が出てきました。
現在、要調査建物が280万棟あるともいわれています。老朽化した建物の解体は2028年頃にピークを迎えることが予想されており、国内での規制強化も今後ますます厳しくなっていくと思われます。
ただ、アスベストの調査や分析には専門的な能力が必要で、実際にアスベストを分析する技術者により検査結果が大きく左右されてしまうことがあります。そこで、今後のアスベストの調査は「建築物石綿含有建材調査者」の有資格者に一本化しようという動きがあるほか、分析技術者については「認定分析技術者」を、Cランク、Bランク、Aランクと段階を設けてレベルアップを図っていく計画のようです。
ゆくゆくは検査機関そのものに、分析機関の信頼性の保証として、海外の既存の分析認証制度(米国のNVLAPなど)や国内の複数の認証機関で行われている ISO/IEC17025 の認証制度の利用など、第三者の認定を受けることを厚生労働省は目指しているようです。
これまで国内の分析機関で行われてきた検査方法はJIS(日本産業規格)に基づく「エックス線回析法」などのアスベストの元となる鉱物を結晶の構造で見分ける方法が主流で、これは日本独自方式といっても良いものでした。
一方、英国や米国などのアスベスト先進国では石綿の検出方法として発がん性の視点から、鉱物が細くて長い繊維状になっている「アスベスト様形態」であることが石綿の判断要件と判断し、国際ISO/EPA法を採用しています。
この分析法は2014年3月28日に新たに制定された「JIS A 1481-1」の偏光顕微鏡による国際基準の分析法として日本でも確立されましたが、偏光顕微鏡をのぞいて判断できるレベルの技術者が国内ではまだ十分育っていないというのが現状です。
今回は、アスベスト先進国の米国の検査機関を訪問してきましたので、併せてご紹介します。
日本でもアスベスト含有建材(アスベストを0.1%を超えて含有するもの)は労働安全衛生法施行令により、2006年9月から、製造・使用ともに全面的に禁止されました。
一方、2006年8月以前に建築に着手した建築物にはアスベストを含む建材が使用されている可能性があることから、マンションの大規模修繕工事や解体工事、リフォームを行う際にはアスベスト含有建材を使用しているかどうか確認する必要が出てきました。
現在、要調査建物が280万棟あるともいわれています。老朽化した建物の解体は2028年頃にピークを迎えることが予想されており、国内での規制強化も今後ますます厳しくなっていくと思われます。
ただ、アスベストの調査や分析には専門的な能力が必要で、実際にアスベストを分析する技術者により検査結果が大きく左右されてしまうことがあります。そこで、今後のアスベストの調査は「建築物石綿含有建材調査者」の有資格者に一本化しようという動きがあるほか、分析技術者については「認定分析技術者」を、Cランク、Bランク、Aランクと段階を設けてレベルアップを図っていく計画のようです。
ゆくゆくは検査機関そのものに、分析機関の信頼性の保証として、海外の既存の分析認証制度(米国のNVLAPなど)や国内の複数の認証機関で行われている ISO/IEC17025 の認証制度の利用など、第三者の認定を受けることを厚生労働省は目指しているようです。
これまで国内の分析機関で行われてきた検査方法はJIS(日本産業規格)に基づく「エックス線回析法」などのアスベストの元となる鉱物を結晶の構造で見分ける方法が主流で、これは日本独自方式といっても良いものでした。
一方、英国や米国などのアスベスト先進国では石綿の検出方法として発がん性の視点から、鉱物が細くて長い繊維状になっている「アスベスト様形態」であることが石綿の判断要件と判断し、国際ISO/EPA法を採用しています。
この分析法は2014年3月28日に新たに制定された「JIS A 1481-1」の偏光顕微鏡による国際基準の分析法として日本でも確立されましたが、偏光顕微鏡をのぞいて判断できるレベルの技術者が国内ではまだ十分育っていないというのが現状です。
今回は、アスベスト先進国の米国の検査機関を訪問してきましたので、併せてご紹介します。
3. アスベスト検査機関視察レポート
カリフォルニア州ロサンゼルス郊外、ハリウッドからもほど近いアリータにある検査機関「Western Analytical Laboratory,inc」を訪問しました。
1996年に設立され2001年にここカリフォルニア州アリータにてバルクアスベスト繊維分析(PLM)及び空中繊維計数(PCM)サービスを行っており、現在米国をはじめカナダ、メキシコ、マレーシア、ウルグアイ、日本とその取引先は多岐にわたっています。
弊社も今後、高品質なアスベスト検査を実施するべく国内代理店である株式会社トライフォースコーポレーションを介してこの検査機関を利用する予定です。
《この記事のライター》
舘林 匠
北海道出身 飛行機の整備士を目指し、日本航空学園千歳校を卒業後なぜか建築の道へ。
一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、宅建士をはじめ25の資格を有し、
バイク、ダイビング、DIY、料理など多趣味でちょっと飽きやすい性格。
最近はドローンにはまりプライベート機を3機保有している。
KENSO Magazine編集長 兼 ライター
(2020年4月27日記事更新)