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マンション大規模修繕工事とは?
マンションの区分所有者の方は避ける事が出来ない、マンション大規模修繕工事。
よく耳にしますが、なぜ行うのか、どの様な定義なのか、期間・工事項目は、大規模修繕工事の回数での違いがあるのか?などの疑問にお答えします。
目次
1. 大規模修繕工事の必要性とは?
2. 修繕工事と改修工事・改良工事の違いとは?
3. 大規模修繕工事の準備期間と工事期間は?
4. 大規模修繕工事の工事項目とは?
5. 大規模修繕工事の回数と留意点とは?
6. 大規模修繕工事の一般的な費用とは?
1. 大規模修繕工事の必要性とは?
コンクリート建物の寿命は、何年でしょうか?
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造、マンションの法定耐用年数(減価償却を行うための指標)は47年となっています。
実際の建物の寿命は、単純に使用可能年数と考えられますので、60年とも100年とも言われています。使用可能年数は、建物の立地条件やメンテナンス状況よって大きく異なります。
定期的なメンテナンスを行っているかどうかはとても重要で、手入れが行き届いた建物ほど、同じ構造を使っていても長持ちします。
つまり、建物の寿命を延ばすために、大規模修繕工事は必要になるのです。
2. 修繕工事と改修工事・改良工事の違いとは?
修繕工事・改修工事・改良工事、どれも同じような意味だと思いますが、修繕工事は現状レベルを新築当初の水準にまで回復させる工事で、改修工事・改良工事は改修・改良により性能を改善・グレードアップさせる工事のことを指します。
マンション大規模修繕工事は、厳密にいえば上記の通り、新築当初の水準にまで回復させる工事の事を意味しますが、改修・改良工事を含めても、広義の意味で、マンション大規模修繕工事と使用するのが一般的となっています。
3. 大規模修繕工事の準備期間と工事期間は?
マンション大規模修繕工事は、マンションの規模や工事内容によって工事期間は異なりますが、一般的に計画から着工までは1年〜2年程度を要します。 そして工事期間は、小規模マンションで3.5ヶ月程度、戸数の多い大規模マンションの場合は6ヶ月以上かかります。
マンション大規模修繕工事の実施の是非は、総会の決議で承認を得なければなりません。それまでの準備として、修繕委員会の設置などを行いながら、区分所有者間の意識の醸成を行います。
その後、建物診断・劣化調査の実施、修繕工事の設計・仕様作成、見積業者の選定、プレゼンテーション等による施工業者の選定を行い、総会に諮ります。
その後、施工業者との契約を経て、工事説明会、着工〜各種検査を行いながら、工事完了となります。
4. 大規模修繕工事の工事項目とは?
大規模修繕工事の内容は、建物の経過年数・累計修繕工事数にもよりますが、一般的な外壁を中心とした工事項目では、共通仮設・足場仮設・下地補修・外壁タイル・シーリング・鉄部塗装・外壁塗装・各種防水が主な工事項目となります。
5. 大規模修繕工事の回数と留意点とは?
第1回目と第3回目では、大規模修繕工事の内容に大きな相違が出る場合が有ります。それは、金属建具、玄関ドア・サッシ等の交換を行うかどうかが大きな相違点になります。
最近では、金属建具の断熱・遮音性能が良くなっていますので、快適なマンションライフを送る事が出来る様になってきました。近年特に、経年変化と共に建物・区分所有者の2つの老いに対してどう対応するかが問われています。
建装工業では、補助金の有効活用を行いながら、管理組合の工事費用低減のアドバイスも行っています。
6. 大規模修繕工事の一般的な費用とは?
マンション大規模修繕工事費用は、一概に戸数×単価で表す事が出来ません。
立地場所、立地条件、戸数、経年変化、工事内容、工事仕様等により大きく異なります。
工事金額も重要ですが、一番大事なのは、建物をしっかり修繕すると言う事になりますので、これを機会に、皆さん正しい情報を得ながら、修繕委員会・理事会・区分所有者間で勉強しては如何でしょうか?
これからも、KENSO-Magazineでマンション大規模修繕工事に有益な情報をお届けして参ります。
《この記事のライター》
吉田 秀樹
建装工業株式会社 MR業務推進部 統括部長
愛知県出身 職能能力開発総合大学校(当時:相模原市)卒業
マンション管理士・一級建築施工管理技士・マンション維持修繕技術者を有し、大規模修繕工事の営業に従事した経験者・編集長
(2021年4月26日記事更新)