タグ一覧
新型コロナウイルスでトイレや給湯器の在庫がない!? できるだけ故障させずに大切に扱うコツ
長引く新型コロナウイルス感染症の流行は住宅関連の分野にも影響を及ぼし、トイレや給湯器などの住宅設備の納品が遅延する事態が生じています。もし、自宅のトイレが故障しても、しばらくは、修理・交換できないといった事態が生じる可能性もあります。今回は、これらのトイレや給湯器といった住宅設備をできるだけ故障させないように扱うコツや、万が一、故障した時の対処法などについてご紹介します。
1.なぜトイレや給湯器が不足しているのか
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴う、ベトナムなど東南アジア諸国のロックダウンなどで、国外の給湯器やトイレの部品製造工場の稼働率が下がり、生産に遅れが生じているといった事態が発生しています。その影響は日本にも波及し、納期が数ヵ月遅れになるケースがでています。
2021年9月以降、住宅設備機器大手のTOTO、給湯器大手のリンナイといった住宅設備メーカーは、相次いで商品の納期遅延を公表しました。
このような状況から、自宅で使用している給湯器などが故障した場合、すぐに修理・交換ができない懸念が高まってきました。
TOTO 弊社商品 生産遅れ対応状況について
https://jp.toto.com/importantnews/info_cv2020/
リンナイ 弊社商品 納期遅延に関するお詫びとご案内
https://www.rinnai.co.jp/notice/deliver/
2.トイレや給湯器を故障させず大切に扱うコツ
このような供給不足の状況下ではトイレや給湯器などの住宅設備をできるだけ故障させないように扱いたいものです。そのためのコツをご紹介します。
<シャワートイレをできるだけ故障させないために>
便利なシャワートイレですが、おしり洗浄機能のほかに暖房便座、温風乾燥、脱臭機能、掃除サポートなどさまざまな機能が搭載されていればいるほど、内部の部品が増えているため、できるだけ負担をかけないように使用したいところです。
シャワートイレはノズルの汚れを放置すると劣化が早まります。1週間に1回程度を目安に掃除しましょう。多くのシャワートイレにはノズルの自動洗浄機能が搭載されていますが、軽い汚れを落とす程度の効果しかないので、便器などとともに定期的な掃除をすることが大切です。ノズル掃除の方法については下記を参考にしてください。
・シャワーノズルの掃除方法
1)掃除用のスイッチを押すか、手でノズルを引き出します。
2)やわらかい布で全体をやさしく水拭きします。ガンコな汚れには中性洗剤を使い、手が入りにくい部分は歯ブラシや布を巻いた綿棒などを使って汚れを取ります。
※力を入れ過ぎるとノズルが壊れてしまうことがあるので、気をつけましょう。
※上記は一般的なお手入れの方法です。メーカーや機種によって、推奨される掃除の仕方が異なる場合がありますので、必ず作業前に製品の取扱説明書を参照しましょう。
また、冬場などの寒さが厳しい時期は、シャワートイレの中の水が凍結して故障の原因になることがあります。凍結の予防方法をご紹介します。
1)電源を切らず温水スイッチ・便座スイッチともに「高」にし、便座のフタを閉める。節電機能つきの製品は節電機能を切っておく。
2)トイレ内の室温が0度を下回らないようにする。
<給湯器をできるだけ故障させないために>
給湯器を長持ちさせるためには以下のようなポイントがあります。
・外装をきれいに保つ:屋外に設置された給湯器は外装の劣化が進んでくると内部のパーツにも影響するため、汚れやゴミなどがたまらないように定期的な水拭きをする。
・不完全燃焼を防ぐ:給湯器の前にものを置かない。ホコリなどを定期的に掃除して排気口をきれいに保つ。
・バーナー(点火器)と配管の消耗を減らす:水だけを出す時は、お湯用ではなく、水用の水栓レバーを使う。少量のお湯を何回も出すような使い方は避ける。
3.トイレや給湯器が故障した時の対処方法
万一、トイレや給湯器が壊れてしまったら、分譲マンションの場合は基本的にどちらも専有部分にあたるため、居住者自らが対処することになります。修理を依頼する業者がわからない時はマンションの管理会社に相談しましょう。
修理までの日数を要する場合は、修理までの代替策が必要です。例えばシャワートイレは携帯用の洗浄器で代用する方法があります。給湯器が故障した際の洗面や調理に使うお湯は、コンロや温度設定のできる電気ケトル・ポットなどで対応できますが、大変なのがお風呂でしょう。浴槽に入れて使用する電気湯沸かし器でお湯を沸かす方法もありますが、かなりの電気代がかかります。ジムやスポーツクラブを利用しているなら、そこのシャワーで済ませる、あるいは銭湯に行くなども検討しましょう。
住宅設備を長持ちさせるための基本はメンテナンスです。新型コロナウイルスの感染拡大によって在宅時間も長くなっている今、給湯器などの供給不足に備えてトイレや給湯器などのお手入れはきちんと行うようにしたいですね。
■あわせてお読みください。
・マンションでバリアフリーリフォーム トイレをバリアフリー化したい!
・マンションの浴室をリフォームする時にプラスしたいもの
・鳩のフンは病気の原因に! フン害を防ぐためのベランダ鳩対策
■この記事のライター
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。
※建装工業株式会社公式HPはこちら
(2022年6月20日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。