毎週月曜日更新

毎週月曜日更新

タグ一覧

パンジー・ビオラの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜

パンジー 育て方

ベランダでも楽しめるお花と育て方を紹介していくシリーズです。今回は「パンジー・ビオラ」の魅力に迫ります。育て方のポイントを初心者にも分かりやすく解説し、花言葉や今人気の食材「エディブルフラワー」についてもご紹介していきます。

☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・マンションのベランダはあくまで「共用部」です。大規模修繕工事の際は、すべて撤去する手間がかかりますので予めご注意ください
※詳しくは下記の記事を参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意

目次
1. パンジー・ビオラとは
2. パンジー・ビオラの花言葉・その他
3. パンジー・ビオラの育て方

1. パンジー・ビオラとは

パンジー・ビオラは、ガーデニングに使われる花の中でもリーズナブルで手に入れやすく、チャレンジしやすい草花の代表格です。かつては大輪の花を「パンジー」、小さくて多花性のものを「ビオラ」と呼んでいましたが、近年では「大きなビオラ」や「小さいパンジー」などもあり、今や定義は曖昧。パンジーもビオラもまとめて、好きな大きさや色で選ぶと良いでしょう。

・特徴
パンジー・ビオラともスミレ科スミレ属の花で、学術上は同じ植物として扱われており、秋に種をまくと冬を越えて長く楽しむことができます。
一般的にパンジーはフリルのような花びらで、ビオラは小ぶりな花が特徴です。
ともに冬の寒さに強い植物ですが、なるべく雪や霜にあたらない場所に植えましょう。
パンジー・ビオラが登場したのは19世紀頃。ヨーロッパに自生するスミレの交配が盛んとなり、「パンジー」や「ビオラ」の華やかな園芸品種が生まれました。愛される色や模様は時代によって変化します。一般的に市販されているのはパンジー・ビオラのF1品種(大量生産種子)の苗で、100円程度で購入できるリーズナブルなものが多いですが、近年おしゃれなガーデナーたちの間では極小輪花や超フリル咲きのアンティークカラーなどの「育種家ビオラ」が大ブームに! 各地のカリスマ生産者が交配して作ったオンリーワンの花が人気で、簡単には買えない文字通りの「高嶺の花」になっています。希少種は高いものだと1ポット3000円以上のものもあり、「パンジー・ビオラは安いもの」という常識を覆しました。

・開花時期
パンジー・ビオラはスミレ科の植物なので春のイメージがあるかもしれませんが、園芸では秋から開花がスタートします。10月頃に開花株が出回り、タイミングよく切り戻せば、翌年6月頃まで長く咲いてくれます。切り戻しのコツは、後ほど「育て方のポイント」で詳しく説明します。

●パンジーは食用!? 食べられる花「エディブルフラワー」とは

パンジー 育て方

エディブルフラワーとは、「食べられる花」のこと。パンジー・ビオラをはじめ、バーベナ、ランタナ、クローバー、ベゴニア、ヤグルマギクなども食用になります。サラダなどの生野菜はもちろんのこと、冷製スープの具にしたり、スイーツにあしらわれたりと、エディブルフラワーはコース料理のどのポジションでも彩りとして大活躍します。
ただし、パンジー・ビオラを食用に育てるのは大変なこと。自宅でパンジー・ビオラを食用にするなら、そのための更なる配慮が必要になります。無農薬・低農薬はもちろんですが、少しでも鳥や虫に食われたものを使ったら、食欲の湧かない料理になってしまいます。また、肥料が強すぎると固くて食感の悪いものに…。エディブルフラワー農家さんの努力がうかがえますね。

2. パンジー・ビオラの花言葉・その他

パンジー・ビオラの花が、「物思いにふける人間の顔」のように見えることから「物思い」「思い出」「私を思って」という花言葉があります。
英語ではLove grass(恋草)という別名があり、「 Kiss me at the garden gate (門のところでキスをして)」という花言葉もあるのだとか。
また色別では、
・ 青は「純愛」
・ 白は「温順」「心の平和」
・ 赤は「思い出」「物思い」
・ 黄は「つつましい幸せ」「田舎の喜び」「記憶」
・ オレンジは「天真爛漫」「楽しい気分」
・ 紫は「思慮深い」「揺るがない魂」「あなたのことで頭がいっぱい」
などの意味が込められています。

3. パンジー・ビオラの育て方

パンジー・ビオラの育て方

ベランダガーデニングでも大活躍のパンジー・ビオラの育て方を解説します。初心者には簡単に育てられるポット苗で購入することをおすすめしますが、園芸中級者以上なら種まきにもぜひチャレンジしてみてください。こちらで詳しく見てみましょう。

・植え付け/植え替え
10月に入ると園芸店などでパンジー・ビオラの開花ポット苗が販売されます。種まきですと同じ花がたくさんできますが、ポット苗で買えば様々な色と形、花の大きさなど、お好きなものを一つずつ選べます。
用土は保水性と水はけの両方を兼ね備えたものがベストです。地植えなら腐葉土を混ぜ込んだ土壌に植えつけましょう。鉢植えなら市販の「草花の培養土」が便利です。庭植え・鉢植えともに10〜20cm間隔を取りながら植えつけます。

・種まき
同じ花が大量に欲しい場合は、種まきがおすすめ。ビオラが発芽するための適正温度は15〜20℃です。種子は夏から販売されますが、暑すぎると発芽しにくいので、暖地では9月、寒冷地では7月頃にまけば11月頃から開花が始まります。
パンジー・ビオラの種まきが中級者向けなのは、明るくないと発芽しない「好光性種子」だからです。日光が良く当たり、雨風に晒されない場所に種をまきます。
用土が入ったトレーに種をまいたら、土をかけないで軽く押さえ、発芽するまで霧吹きなどで優しく水やりしましょう。勢いが強すぎると水や風の圧力で種子が飛ばされてしまいます。
種まきから一週間ほどで発芽します。発芽したら直射日光の当たらない明るい場所に移動しましょう。本葉が2〜3枚になったら植えつけ可能となります。

・適している環境
パンジー・ビオラは日当たりと風通しの良い場所を好む植物です。屋外で育てましょう。寒さには強いので真冬でも良く開花し、そのままで越冬します。霜に当たると葉が紫に変色することもありますが、特に問題はありません。

・室内での育て方
パンジー・ビオラは基本的に屋外栽培です。室内で栽培するなら、なるべく屋外に近いような環境が良いでしょう。日が良く当たって外気温に近く風通しの良い南側の窓辺などが最適です。ただし、暑さには弱いので、暖房が直接当たる場所は避けて栽培してください。

・水やり
冬季は良く晴れた午前中、暖かくなった頃に水やりしましょう。鉢植えでは鉢底から流れるくらいたっぷり水やりします。午後を過ぎてから与えると水が残り、夜に凍ってしまうので要注意です。
春からは強風で乾燥するため、用土の表面が白っぽく乾いたら、午前と午後の1日2回与えることもあります。

・肥料
パンジー・ビオラは花期が長く、半年以上咲き続けるので肥料は欠かせません。
鉢植えに使う市販の培養土には肥料が含まれていますが、地植えの場合は植えつけ前に適量の肥料を土壌に混ぜ込みます。植えつけ後は、地植え、鉢植えとも2ヶ月に1回、置き型の固形肥料を適量与えると良いでしょう。さらには2週間に1回ほど、規定量に薄めた液体肥料を水やりの代わりに与えると花付きが良くなります。
ただし、肥料のやりすぎは良くありません。パッケージに書かれた適量を守って与えてください。

・育て方のポイント
パンジー・ビオラを見栄えよく育てるコツは、手入れや剪定にあります。咲き終わったらこまめに花がら(咲き終わった花のこと)を摘み、黄色く変色した葉があれば摘み取ります。
春になって茎が伸びすぎて不揃いになってきたら、仕立て直したい場所の付近で脇芽が出ているところの上で切り戻します。鉢植えなら、鉢の縁に沿って切り落しても良いでしょう。適切な切り戻しをすると、だらしなく間延びした株から元気良くこんもりとした株に再生してくれますよ。

・病害虫対策
パンジー・ビオラがかかりやすい病気には、うどん粉病、立枯病、灰色カビ病などがあります。
パンジー・ビオラに付きやすい害虫は、アブラムシ、ハダニ、ネキリムシ、ヨトウムシなどです。
風通しが悪いと病害虫が付きやすくなるので、枯れた葉っぱや花をそのままにしないよう、清潔に保ってください。病害虫を発見したら速やかに薬剤を散布して食い止めましょう。病気と害虫の両方に効く市販のスプレータイプが便利です。

●パンジー・ビオラのベランダガーデニングにチャレンジしてみましょう
誰でも簡単に育てられるガーデニングの定番「パンジー・ビオラ」の花を、ベランダでガーデニングしてみてください。おしゃれな鉢を選んで寄せ植えすれば、気分も上がりますよ。ポット苗で購入すれば初心者でも色々な種類を楽しめます。園芸に自信があれば種まきにもチャレンジしてみてくださいね。秋から冬、春から初夏までと長く咲いて楽しませてくれます。

■あわせてお読みください。
・ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意
・ベランダガーデニングを楽しむ! 初心者にもおすすめのベランダ菜園
・マリーゴールドの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜


■この記事のライター
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2022年10月3日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

おすすめコンテンツ