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一目でわかる!ガーデニング用語集(初級編・その1) 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
マンションでも楽しめるベランダガーデニング。ガーデニング用語が難しくて、説明を聞いても戸惑うことはありませんか?でも、いまさら聞けないし…。そんなときに初心者でも簡単に理解できる「ガーデニング用語集」があれば、スムーズに園芸作業に入れそうですよね。この記事ではベランダガーデニングでもよく使われる園芸用語を紹介していきます。
☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・マンションのベランダはあくまで「共用部」です。大規模修繕工事の際は、すべて撤去する手間がかかりますので予めご注意ください
※詳しくは下記の記事を参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意」
植え替え・育て方の用語
まずは植え替えや育て方で出てくる用語を解説します。ベランダガーデニングで鉢植えにする際にも使われる、種まきや植え付け、育て方の基本的な用語を見てみましょう。
移植(いしょく)…苗床やポリポット(ビニール製の鉢)、育種・育苗ポット(複数の種や苗を育てられるプラスチック等でできた容器)から植物を移動して植え付けること。
株分け(かぶわけ)…多年草や宿根草※が大きくなった時に、根をナイフなどで割ったり、手でほぐしたりして増やす方法。
※「多年草」・「宿根草」の解説については、「植物の特徴の用語」を参照ください。
腰水(こしみず)…鉢植えの下に、穴の開いていない皿やトレーなどを敷き、そこに水を溜めて下から水を吸わせる水やり方法。
直まき(じかまき)…種苗トレーを使わず、畑や庭など、最終的な植え付け場所に直接種まきすること。
すき込む(すきこむ)…用土に肥料や土壌改良材などを混ぜ込むこと。語源は、鋤で畑を耕すところからきている。
剪定(せんてい)…樹木や草花の枝を切り、形を整えること。新芽を出させて株をリフレッシュさせるときにも有効。
定植(ていしょく)…ポットなどの苗床で育てた植物を、最終的に植えたい場所に植え付けること。
摘芯(てきしん)…枝の先端の生長点を切り取って、その下から脇芽を出させる方法。背の高さを抑え、花数や枝数を増やしたいときに有効。
間引く(まびく)…種子を蒔いたとき、重なり合って生えてきたら、生育のいい新芽を残して弱い芽を抜き取り、間隔をあけること。または、込み合った樹木の枝を透かし剪定すること。
肥料の用語
肥料は植物に与える栄養分ですがよく理解して使用したい園芸用品のひとつ。主に窒素、リン酸、カリの三大要素で構成されます。肥料は与えすぎると肥料焼けしたり、茎や枝が必要以上に間延びする「徒長」※が発生したりして枯れることがあるので注意が必要です。
※「徒長」の解説については、「植物の特徴の用語」を参照ください。
固形肥料(こけいひりょう)…粉状や粒状など固形の状態の肥料。有効成分が1〜3ヶ月ほどかけてゆっくり効く。化成肥料のほかに、有機肥料、骨粉、油かすなどがある。
液体肥料(えきたいひりょう)…窒素・リン酸・カリとその他の有効成分を含む、速効性のある液体の肥料のこと。原液を規定量の水で希釈して散布するものがほとんどだが、ストレートタイプもある。一般的に「液肥(えきひ)」と略して呼ぶ。
活力剤(かつりょくざい)…微量要素(植物の育成に必要な栄養素のうち、必要量は微量でも不可欠な元素)やビタミンなどを配合した、植物を元気にするサプリメントのような液体。肥料(窒素・リン酸・カリ)は含まれないかごく少量なので肥料とはいわない。
元肥(もとごえ)…植え付け前の用土に混ぜ込む肥料。根が触れない場所に穴を掘り、混ぜ込むタイプと、用土にまんべんなく混ぜ込むタイプとがあるため注意する。
置き肥(おきひ・おきごえ)…用土に混ぜずに、土の表面に施す固形肥料。雨や潅水(かんすい・水やりのこと)で成分が溶け出し、根が吸うことができる。
お礼肥(おれいごえ・おれいひ)…開花後や収穫後に、消耗した体力を回復させるために施す肥料。植物に「お疲れ様でした」の気持ちを込めた日本らしいネーミングなので、与える時期を覚えやすい。
寒肥(かんぴ・かんごえ)…12月〜2月の冬の休眠期に施す肥料。冬に施肥すれば、ゆっくり分解されて春の芽出しの頃に効いてくる。主に果樹や花木など生育の旺盛な種類に施すことが多い。
肥料焼け(ひりょうやけ)…過剰な施肥により根が傷むこと。浸透圧の関係で、濃い肥料のほうに根から水分が流出して植物が弱り、最悪の場合、枯れてしまうことも。
植物の特徴の用語
植物は種類により、冬季の葉の状態や、生長のライフサイクルが違います。それぞれの特徴を理解すれば、植え付ける場所や冬越しなどがイメージしやすいかもしれません。
一年草(いちねんそう)…一年生植物。種まきから一年で生長して花を咲かせる草花のこと。種子を残して、その年のうちに枯れる。
二年草(にねんそう)…二年生植物。別名「越年草」。秋に発芽し冬に休眠する。春に生長して時期が来たら花を咲かせ、種子を残して枯れるのは一年草と同じだが、冬をまたいで生長するため「二年」とカウントされる。
多年草(たねんそう)…一度植えたら、毎年花を咲かせる草花のこと。宿根草との違いは、冬に休眠せずに常緑なのが多年草の特徴。
宿根草(しゅくこんそう)…毎年生長する多年草の一種。休眠期に一旦地上部が枯れ、根が地下で生き残り、生長期になればまた萌え出すのが宿根草。
常緑性(じょうりょくせい)…一年を通して緑色の葉が生きている植物のこと。冬暖かい原産国の樹木や草花に多いため、すべてではないが、寒さに弱い傾向にあることを留意する。
落葉性(らくようせい)…ある季節になると葉を落とし休眠する植物。日本では主に、冬に落葉する樹木や宿根草を指すが、熱帯の国では乾季に葉を落とす。
徒長(とちょう)…茎や枝がひょろひょろと間延びしてだらしなく生長すること。軟弱で病害虫に侵されやすくなる。徒長の主な原因には日照不足や窒素肥料過多、風通しの悪さなどが挙げられる。
直立性(ちょくりつせい)…茎や枝が上に向かって真っすぐに伸びるタイプの植物。立性や木立性などとも呼ばれる。
ほふく性(ほふくせい)…茎や枝が横向きに、地面を這うようにして伸びる植物のこと。花のじゅうたんなどのグランドカバーに向く。高さのあるところに植えれば垂れ下がる性質でもあるため、石や岩を敷き詰めた地面に植物を植え付けるロックガーデン、壁掛けや吊り下げて飾るハンギングバスケットにもおすすめ。
気象にまつわる用語
【バラに霜よけの寒冷紗(白)をかけた様子】
植物の生長には、気温や日照時間、必要な水分量などが重要な要素です。暑さや寒さ、降雨量(水やり頻度)など、なるべく原産国に近い環境で育てるようにするとよく育ちます。
耐寒性(たいかんせい)…どれだけの寒さに耐えられるかの指標。日本では簡単に「強い」「弱い」と表される。
耐暑性(たいしょせい)…夏の暑さにどれだけ耐えられるかの指標。ヨーロッパ原産の植物は涼しい環境を好むので日本の高温多湿が苦手な種類が多い。
耐乾性(たいかんせい)…どれだけ乾燥に耐えられるかの指標。多肉植物やサボテンなどが、耐乾性が高いことで有名。
耐湿性(たいしつせい)…土中の水分量に耐えられるかどうかの指標。耐湿性の高い植物は、湿度が高くじめじめした場所などにふさわしい。
耐陰性(たいいんせい)…どれだけの日陰に耐えられるかの指標。耐陰性が高い植物は日陰のベランダやシェードガーデン(日陰の庭)に向く。
半日陰(はんひかげ)…木漏れ日程度の明るい日陰のこと。ほとんどの植物が快適に過ごせる。午前中だけ日が当たり、真夏の直射日光は避け、14時以降は日陰になるような環境を指す。
霜(しも)…冬の低温で土壌に含まれる空気中の水分が凍ること。霜が降りて植物に付着すると凍傷のダメージを受ける。4℃程度から起こるので注意が必要。粗く網目状に織られた植物用保護布の寒冷紗(かんれいしゃ)などで対策をとる。春に遅霜が降りることもある。
今回は、初心者には分かりにくい園芸用語や植物にまつわるワードを集めて紹介しました。栽培方法や育て方で難しい用語が出てきたら、ぜひこのガーデニング用語集を参考にしてくださいね。
■あわせてお読みください。
・ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意
・ラナンキュラスの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
・ベランダガーデニングを楽しむ! 初心者にもおすすめのベランダ菜園
■この記事のライター
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
※建装工業株式会社公式HPはこちら
(2023年2月20日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。