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のぞいてみよう! 施工中現場紹介 〜シティタワー仙台五橋大規模修繕工事〜

大規模修繕 設計監理方式

【仙台市一番町・五橋エリアのタワーマンションの大規模修繕工事2件同時施工】

現在、東北支店管轄の仙台市一番町・五橋エリアで2件のタワーマンション大規模修繕工事をほぼ同時進行で進めています。「第1回ザ・レジデンス一番町大規模修繕工事」と「シティタワー仙台五橋大規模修繕工事」です。タワーマンションにはさまざまな形状があり、仮設の設置方法や施工の重点ポイントもそれぞれ異なります。今回は、「シティタワー仙台五橋大規模修繕工事」の施工を通じて工夫した点や施工のポイントについてお伝えします。

本マンションでは今回が初めての大規模修繕工事となります。施工業者の選定は設計監理者方式で行われ、当社は仮設工事のVE提案を分かりやすく説明し、管理組合様からご採用いただきました。今回は、管理組合様の信頼にお応えするための現場運営のポイントについて、横山現場所長にお話を伺いました。

目次
1. 本現場の基本状況
2. ご採用頂いた経緯と今回の工事の特徴
3. 今回の工事で工夫している点
4. 今回の工事で苦労している点
5. 工事竣工までの意気込み
6. 最後に

1. 本現場の基本状況

大規模修繕 設計監理方式

【シティタワー仙台五橋館銘板】

大規模修繕 設計監理方式

【シティタワー仙台五橋大規模修繕工事の施工中外観(仮設)】

工事名称 シティタワー仙台五橋大規模修繕工事
構造・規模 鉄筋コンクリート造、28階建・地下1階・塔屋1階
総戸数 184戸
所在地 宮城県仙台市青葉区五橋1丁目3-1
竣工年 2008年(平成20年)8月 築16年経過
工期 2024年2月〜2024年12月(予定)
発注者 シティタワー仙台五橋管理組合
工事内容 外壁塗装、タイル補修、防水工事、他工事
取材日 2024年11月13日(水)
話を聞いた人 東北支店 工事部 横山所長

2. ご採用頂いた経緯と今回の工事の特徴

施工業者選定に際してのヒアリングで、当初予定していた仮設計画のガイドレール式ゴンドラ6台の2工区制を、当社のVE提案によりゴンドラを4台の3工区制へ変更提案致しました。これによりゴンドラ台数を削減し、コストダウンを実現できることを示し、再度見積を提出しました。また、KENSO-TVを活用した情報配信や、防犯対策としてFPC(フェイスパスカム:当社が特許を取得したAI顔認証・検温ソリューション入退館システム)によるマンション内の入退場管理なども説明し、管理組合様からご採用いただきました。

このマンションはバルコニーがほぼ独立しており、隔て板を取り外して横移動することができないため、ゴンドラの台数を減らすことになり、より緻密な工程管理が求められました。また、FIX窓が多く、過去には漏水の問題も発生しているため、工事中の漏水防止にも十分な注意を払いながら作業を進める必要がありました。さらに、北面には機械式駐車場が隣接しているため、工事中の飛散対策にも配慮が必要な建物でした。

大規模修繕 設計監理方式

【シティタワー仙台五橋大規模修繕工事の現場の特徴】

大規模修繕 設計監理方式

【シティタワー仙台五橋大規模修繕工事の現場の特徴】

3. 今回の工事で工夫している点

御提案した仮設計画には工程上各作業班との綿密な打合が必要な為、工事開始後、足場業者やゴンドラ業者と何度も打ち合わせを行い、安全に作業ができるように計画をブラッシュアップしました。今回は、4階から27階までの外壁タイルがPC先貼りタイル工法でタイルが健全であったため、タイル補修工事がほぼ不要でした。ガイドレール式ゴンドラのガイドレール撤去後には、タイル補修として穴埋め処理を行い、その上にシーファインという化粧フィルムを貼ることで、タイル撤去作業時における飛散災害のリスクを軽減しました。

大規模修繕 設計監理方式

【シティタワー仙台五橋大規模修繕工事のタイル状況】

4. 今回の工事で苦労している点

外部のFIX窓周りのシーリングには3色が交わる箇所があり、1回の施工で完了することができませんでした。シーリング撤去後には漏水のリスクにも注意しながら、同じ範囲を最低でも3回ゴンドラを使って仕上げ作業を行う必要がありました。現在のところ漏水は発生していませんが、雨養生のテープを長期間貼っていたため、養生跡の清掃作業が非常に手間を要しました。

バルコニーにはエコキュートの室外機があり、見積段階では脱着・ホースの延長を予定していましたが、ホースの延長先に十分なスペースがないことが判明しました。そのため、今回は脱着や延長を行わずに作業を進めることになりました。床シートの張替えもなかったため、なんとかバルコニー内で移動しながら作業を行いましたが、非常に狭いスペースでの作業となり、作業員には大きな負担となりました。

最初の工区では鉄管からの漏水や、バルコニー内の天井ボード内での漏水が多く見つかり、調査に時間がかかりました。このため、予定工期での完了は難しいと判断し、6月に中間報告会を開催しました。全体工期は変更せず、工区ごとの工期変更およびゴンドラの一時的な増設について説明し、居住者様にご理解をいただきながら工事を進めています。

大規模修繕 設計監理方式

【シティタワー仙台五橋大規模修繕工事エコキュート対策】

大規模修繕 設計監理方式

【シティタワー仙台五橋大規模修繕工事漏水対策】

5. 工事竣工までの意気込み

現場代理人として超高層の改修工事は2件目となりますが、どちらの現場でも養生方法や必要な安全対策が異なり、仮設設置後に気づくことも多々ありました。そのため、現場ごとに柔軟な発想が求められることを改めて実感しています。現場をしっかりと把握し、安全を最優先に考え、工事竣工時にはお客様にご満足いただける結果を提供できるよう努力していきたいと思います。

6. 最後に

今回の工事では、設計事務所様がドローンを使用して外壁診断を実施されたと伺っています。ドローンによる調査は、高解像度の画像や熱画像解析を駆使して行われます。これらの調査結果と、実際にゴンドラ仮設を使用して作業員が目視および打診で行った調査結果を比較・分析し、超高層マンションの調査・施工技術の革新に貢献できるよう努めていきたいと考えています。

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■この記事のライター
□吉田 秀樹
建装工業株式会社 MR業務推進部 統括部長
愛知県出身 職能能力開発総合大学校(当時:相模原市)卒業
マンション管理士・一級建築施工管理技士・マンション維持修繕技術者を有し、大規模修繕工事の営業に従事した経験者

(2025年2月3日新規掲載)
*本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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