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カーネーションの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
マンションでもガーデニングを楽しみたい方のために、ベランダでも楽しめるお花と育て方を紹介していくシリーズです。今回は、「カーネーション」の育て方のポイントを初心者にも分かりやすく解説します。また、カーネーションの花言葉やその他育成に役立つ知識にも触れていきます。
☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・マンションのベランダはあくまで「共用部」です。大規模修繕工事の際は、すべて撤去する手間がかかりますので予めご注意ください
※詳しくは下記の記事を参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意」
1.カーネーションとは
カーネーションはナデシコ科の植物で、別名オランダナデシコとも呼ばれます。カーネーションといえば、母の日の定番のお花ですが、なぜ母の日にカーネーションをプレゼントするのでしょうか?
今回はカーネーションの特徴や、母の日にカーネーションを贈る由来、切り花を長持ちさせる方法や、種まきや挿し芽の仕方など、盛りだくさんでご紹介します。
・特徴
カーネーションは、花束でもらう切り花の品種と、庭や鉢植えで育てるガーデン品種とでは、性質や難易度が少し違います。一般的な園芸店で売られている鉢苗はガーデン品種がほとんどなので、ベランダガーデニングでも簡単に育てられますよ。
・開花時期
カーネーションの開花時期は4月〜6月です。春から初夏にかけて咲き誇り、秋に返り咲く種類もあります。多年草なので上手に育てれば、ベランダでも毎年かわいく咲いてくれます。
・切り花を長持ちさせる方法
切り花を長持ちさせる方法は、花の種類によって違いますが、カーネーションの切り花を長持ちさせるコツは、できれば毎日、少なくとも2〜3日に一回の水替えと、茎の水切りです。水切りのやり方は、花瓶の水を替えるタイミングで、茎を水に浸けた状態で、水中でハサミやナイフで斜めに切ります。切り口が常に新鮮になるようにしましょう。直射日光やストーブ、エアコンの風が当たらない場所に花瓶を置くと、切り花が傷みにくくなります。
●カーネーションを母の日に贈るのはなぜ?
「母の日」にカーネーションを贈るようになった由来は、アメリカの南北戦争の時代に遡ります。負傷した兵隊を献身的に看護し、人々から敬われていたアン・ジャービスという人物がいました。そのアンが亡くなった時、娘のアンナが、母の死を悼み集まった参列者に、白いカーネーションを配ったところから、カーネーションが母の日の象徴となったそうです。
●カーネーションの花言葉
カーネーション全般の花言葉は、「純粋な愛情」ですが、色により内容が変わるようです。
明るい赤は「母への愛」、白い花には「亡き母をしのぶ」「尊敬」、ピンクには「感謝」、紫には「気品」、ブルー系には「永遠の幸福」などの意味が込められています。一方で、ネガティブな意味を持つ色も……。暗い赤には「私の悲しみ」、黄色には「嫉妬」「軽蔑」などの意味があります。オレンジには恋人に向けた「熱烈な情愛」の意味がありますので、贈る相手によっては気を付けたほうがよさそうです。
2.カーネーションの育て方
ベランダガーデニングでもチャレンジできる、カーネーションの育て方を詳しく見てみましょう。好む環境や病害虫など育て方のポイントを事前に学んでおけば、初心者でも簡単に育てられますよ。
・種まきの方法
種まきの適期は一般的に9月です(寒冷地では3月〜5月)。トレーに種まき用土を入れて種をばらまきし、薄く土をかぶせます。土を湿った状態を保ち1週間ほどで発芽します。発芽して本葉が4〜5枚出た頃に9cmポットに鉢上げし、鉢の表面が乾いたら水やりします。まだ小さい苗なので、冬は簡易ビニールハウスや室内で管理するといいでしょう。春になったら、もう一回り大きい鉢に植え替えましょう。
・挿し芽の方法
カーネーションは樹木ではないので、「挿し木」ではなく「差し芽」といいます。5月〜7月あるいは9月に、先端から15cmほどのところで切り(花が咲いていたら花は切り落とします)上5cmほどの葉を残して下の葉を落として水に浸けます。清潔な容器に挿し木の土を入れて、差し芽を数本挿し、水やりしながら半日陰で管理します。発根したらそれぞれ個別にポットに植え替えます。
・適している環境
カーネーションが適しているのは、日当たりがよく、水はけと風通しの良い、涼しい環境です。乾燥気味を好むので、日本の高温多湿の環境では、育て方に失敗すると枯れてしまうことも……。西日が当たらない涼しい場所で育て、夏は日陰に移動しましょう。真冬は0℃を下回る地方では、室内の明るい場所に取り込むなどの対策を取ると万全です。
・鉢植えのカーネーションの室内での育て方
鉢植えのカーネーションは基本的に、屋外で育てます。もらったばかりで外に出すのはしのびない場合は、多湿にならないよう気を付けてください。風通しの良い明るい窓辺で花を鑑賞したら、なるべく早く屋外に出してあげましょう。寒冷地では、真冬の寒さで枯れてしまう場合があるので、外気温が0℃以下になるようなら、明るい室内に取り込み、水やりは控えめにして越冬させます。
・水やり
カーネーションは水をやりすぎて多湿になると、弱ってしまいます。鉢の表面がしっかり乾いて白っぽくなってから、水をやるようにしましょう。雨が定期的に降るなら水をやる必要はありません。ただし、鉢の置き場所によってはベランダのひさしの下など、雨水が当たらない場合があるので注意深く観察してください。真冬は、水は控えめに与えましょう。
・肥料
秋口と春の開花前は肥料をしっかり与えます。花付きをよくするためにはリン酸やカリが多く含まれるものがおすすめです。置き肥(おきひ:土の上に置く固形肥料)を月に一回施し、液肥(えきひ:水で薄めて施す液体肥料)を二週間に一回ほど水やり代わりに与えるといいでしょう。暑さや寒さが厳しい時期は、植物が弱って半休眠しているため、肥料をやるとかえって枯れてしまうことも。真夏と真冬は肥料を避けるようにしましょう。
・育て方のポイント
カーネーションは日光を好みますが、南ヨーロッパや西アジアの地中海沿岸が原産で、カラッとした気候の植物です。高温多湿の日本の夏は苦手なので、夏の管理だけは注意が必要です。真夏は直射日光や西日を避け、涼しい半日陰の場所で育ててくださいね。
・病害虫対策
カーネーションがかかる主な病気は灰色カビ病、うどん粉病、立ち枯れ病などです。主な害虫は、アブラムシ、ハダニです。葉やつぼみを豪快にかじられていたら、鉢の中にヨトウムシ(ヨトウガという蛾の幼虫)が潜んでいるかもしれません。いずれも早めに見つけて、農薬を撒いたり捕殺したりして対処しましょう。
●カーネーションのベランダガーデニングにチャレンジ!
カーネーションは、日当たりと乾燥気味を心掛ければ、ベランダでも簡単に育てられます。種まきや挿し芽でも増やせることを知らなかった方も多いのではないでしょうか。カーネーションの鉢植えの栽培に、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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■この記事のライター
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
※建装工業株式会社公式HPはこちら
(2022年4月25日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。