毎週月曜日更新

日本塗装工業会で行っている第7回リフォームアワードの結果発表が発表されました。建装工業の施工案件が、昨年に引き続き3年連続ダブル受賞を果たし、優秀技術部門:優秀賞・お客様満足部門:優秀賞を受賞致しましたので、詳細をお知らせいたします。

目次
1. リフォームアワードとは
2. 受賞物件
3. 現場代理人の受賞コメント

日本塗装工業会(日塗装)では、リフォーム文化の発展に寄与するとともに、日塗装会員がリフォーム工事業者として信頼してお任せいただけることをお客様に知っていただくため、優秀で価値のあるリフォーム工事を行った会員を顕彰するリフォームアワードを実施しています。この度、第7回リフォームアワードの受賞工事が決定し、第65回定時総会(2024年5月23日開催)で表彰式を行いました。
表彰部門は2部門で、技術的に優れたリフォーム工事を称える「優秀技術部門」、お客様に満足いただけたリフォーム工事を称える「お客様満足部門」です。

この度、優秀技術部門　大規模修繕　優秀賞、お客様満足部門　大規模修繕　優秀賞、と2案件が受賞致しましたので、順にご紹介致します。

●優秀技術部門　大規模修繕最優秀賞

【工事の概要・評価ポイント】
大規模修繕工事の周期を延ばせるよう、耐久性を阻害する要因を徹底的に排除。高耐久性を持つ材料を使用しつつ、多岐にわたる検討を行いました。

【工事内容】
受賞物件は、荒川区南千住に建つ高層分譲マンション「東京フロンティアシティパーク＆パークス」です。荒川区白髭西地区市街地再開事業の一環である再開発エリアに建つこちらのマンションは、2008年竣工、2024年現在で築16年ほど経過、建物は一部鉄筋コンクリート造を用いた鉄骨鉄筋コンクリート造の地下1階、地上20階、全6棟、635世帯の高層分譲マンションです。

この物件では、マンションの外壁および屋上防水工事を含む第1回の大規模修繕工事を施工しました。

評価のポイントは、管理組合様からの大規模修繕工事の周期を一般的な12年想定ではなく、20年想定で実施してほしいという強い要望を、関係者全員のこれまでに培ってきた知識や経験、技術を用いて実現した点です。
具体的には、屋上防水には、防水施工会社と防水メーカーも交えた検討を重ね、民間の改修工事では関東で初めてとなる標準耐用年数45年のアスファルト防水高耐侯仕様を用いました。熱による劣化に関しては、防水仕様を通常の工法よりも1層多い保護塗装3層塗りとしました。水による劣化に関しては、凹みに関して何度も補正し、可能な限り排除しました。
これにより、耐久性が高いアスファルト防水を実現しました。

外壁補修工事に関しては、一般的なセメントフィーラーの摺り込み工法ではなく、クラック箇所は下地にも止水処理を施し、再発防止を目的に弾性ボンド貼りとしました。また、次回以降の大規模修繕工事の際に、打診による外壁調査で異常を発見しやすい工夫も施しました。

シーリング工事に関しては、タイル目地シーリングなどの露出部分には、耐久力と天候の変化に強く、環境にも配慮したシリル化アクリレート系シーリングを使用しました。また、一部のシーリングに関しては、経年劣化による塗装面の変色を軽減することを目的に、設計監理会社とシーリングメーカーによる現地確認を繰り返し行いながら、通常よりも保証年数が長い、仕上げ塗装を施さない露出仕上げとしました。
外壁塗装に関しては、試験施工を繰り返し行い、天候の変化に関して高い耐久性を持つ塗料を使用し、塗装メーカーの承諾のもと、保証年数を10年とすることが出来ました。
このほか、バルコニーの防水、鉄骨階段の錆の除去、車寄せ及び中庭ウッドデッキの改修・修繕を行い、それぞれで長寿命化を図りました。

これら前例が少ない大規模修繕工事の長周期化を、工事に関わるすべての会社および作業員が一丸となって作業に取り組み、そして実現したことを評価していただき、今回の受賞という栄誉に輝きました。

●お客様満足部門　大規模修繕優秀賞

【工事概要・評価ポイント】
見本板や色分けが分かる資料の作成、撮影した細部写真に着色するなどして視覚的に仕上がりを提案しました。結果、イメージ通りの仕上がりにご満足いただけました。

【工事内容】
「パシフィックヒルタウンSAPPORO」は、おおよそ標高150メートルから200メートルの比較的小高い場所に佇む、都市の利便性と緑豊かな自然環境の両方が調和した好立地に建つマンションです。周囲の自然豊かで壮観な景色を望むことができる恵まれた環境であり、隣接する「月寒公園」という北海道では比較的有名な公園は、広大な敷地で四季折々の景色を楽しむことができます。また、札幌市内の中心部や主要な交通施設にもアクセスしやすいことから利便性も高い立地環境です。

この度、築38年を迎えひび割れや欠損等発生の経年劣化補修、シールの劣化補修、塗装改修を本工事で行うことにより耐用年数を延ばし資産価値の向上を目的とした大規模修繕工事を実施するに至りました。今回工事が2回目であり、前回工事では既存色(単色)で塗り替えが行われました。

本工事ではマンションの築年数も経過している事から外観のイメージを一新し、資産価値の向上を目指し4色の塗り替えを実施する運びとなりました。決定した案は、茶色の同系色を使い、下部を濃く、上部を淡くすることで、色の重心を活かした安定感のあるデザインを採用しました。

居住者様に理解して頂ける様に見本板の段取りや色分けが分かる資料の作成、細部の写真を多数撮影し、変更後の色を着色して視覚的に提案しました。そうしたことで、管理組合の皆様がイメージしやすくなるように工夫しながら説明し、承認を頂き工事着手となりました。施工が完了し、理事会からはイメージ通りの仕上がりにて満足頂く事ができました。又、工事完了アンケートにて居住者の方からは「足場が無くなり外観が一新され非常に良かった。」「イメージ通りの仕上がりで満足している。」等々、良いご意見を頂戴しました。又、現場巡回の際にも同様のお話を頂く機会が多く、皆ご満足頂ける結果となりました。
工事竣工の際には、工事所長・工事担当含め感謝状を頂くことが出来ました。

●東京フロンティアシティパーク＆パークス
この度はこのような大変名誉ある賞を頂き、誠にありがとうございます。ご協力頂きました管理組合様、お住まいの皆様、監理者様の多大なご支援とご指導があってこその結果であり心より感謝申し上げます。
今回の工事は管理組合様からのご要望である大規模修繕工事の周期を12年周期から20年周期に延長する為に、高耐久性能を有する材料使用の他に、耐候性を著しく低減していると思われる一般的な修繕工事の要因を検討、排除しながら工事を進める事でした。その為に各種材料メーカーを交えた監理者様との綿密な打ち合わせは勿論ですが、弊社の協力業者への施工手順の再指導や、実際に作業する一人ひとりの作業員への意識付けに苦慮した事もありました。しかし結果としてより品質の良い物を提供しようとの共通の目標に向かって、団結して邁進する事が出来ました。
今後もアフターメンテナンスを確実に行い、また不具合箇所があればその要因を考察し継続して関わり、修繕周期の延長がなされているかの検証も含め、更なる技術の向上に努めて行きたいと考えております。ぶれない目標を最後まで掲げて頂いた管理組合様、何度も打合せを重ねて頂いた監理者様、サポートして頂いた弊社の各部署のスタッフ及び協力業者の工事関係の皆様にこの場をお借り致しまして感謝申し上げます。

●パシフィックヒルタウンSAPPORO
この度は、大変名誉な賞を頂きありがとうございます。施工者を代表いたしまして感謝とお礼を申しあげます。
大々的な色の塗り替えに従事した現場が初めてであった為、色の納まりや細かい部分の見切り等、判断に迷う機会が非常に多くありました。そういった際には都度修繕委員会様・監理者様との協議を行い、決定していきました。次回にも色の塗り替えが行われる現場に従事した際にはこういった経験を元に先手を打てるよう計画・配慮に努めていきたく存じます。これからも今回の工事の経験を糧に、お客様に満足いただけるよう努めさせて頂きます。
この度はありがとうございました。

■あわせてお読みください。
・第6回リフォームアワード　ダブル受賞！
・第5回リフォームアワード　ダブル受賞！
・第13回マンションクリエイティブリフォーム賞を受賞致しました。
・第12回マンションクリエイティブリフォーム賞を受賞致しました。

■この記事のライター
吉田 秀樹
建装工業株式会社　MR業務推進部　統括部長
愛知県出身　職能能力開発総合大学校(当時：相模原市)卒業
マンション管理士・一級建築施工管理技士・マンション維持修繕技術者を有し、大規模修繕工事の営業に従事した経験者
※建装工業株式会社公式HPはこちら

（2024年7月1日新規掲載）
＊本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。