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マンションでローズガーデン? ベランダでバラを楽しむ 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
ローズガーデンへの憧れを、マンションだからという理由で諦めていることはないでしょうか? 実は、知識さえあれば比較的簡単にマンションのベランダで華やかなローズガーデンを楽しめます。
今回は、マンションのベランダ栽培に向いているバラの品種や、ラティス・アーチをはじめとしたアイテムの設置方法など、ローズガーデン初心者にも分かりやすくご紹介します。
☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・マンションのベランダはあくまで「共用部」です。大規模修繕工事の際は、すべて撤去する手間がかかりますので予めご注意ください
※詳しくは下記の記事を参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意」
目次
1. マンションのベランダでつくる憧れのローズガーデン!
2. ベランダローズガーデンに向いているバラ 3つの条件
3. マンションのベランダでも使用可能なローズガーデンアイテム選び
4. おしゃれなベランダローズガーデンにするために おすすめのちょっとした工夫3選
マンションのベランダでつくる憧れのローズガーデン!
バラは「花の女王」として、その美しい花と魅力的な香りで多くの人を魅了しています。庭がなくても適切な工夫をすれば、マンションのベランダでもローズガーデンを楽しむことができます。ただし、マンション特有の制約を理解しておく必要があります。
●ベランダは「共用部分」であることを理解する
分譲マンションのベランダは、居住者が専用して使用する権利がありますが、実際には「共用部分」にあたります。そのため自由に改造することはできません。
また、ベランダは「避難経路」としての役割も持っています。隣家との境目にある板は「隔て板」と呼ばれ、非常時には蹴破って避難できるように設計されています。
ベランダガーデニングを行う際は、火災や地震など有事の際にスムーズに移動できるよう配慮する必要があります。
●順守すべきルールを守れば、ローズガーデンも可能
では、マンションでローズガーデンは不可能かというと、そうではありません。「隔て板」の前や避難はしごのハッチの上にすぐに動かせない重量物を置くのはルール違反ですが、避難経路を優先したレイアウトにすれば、ローズガーデンを作ることは可能です。
ベランダでの栽培に適したバラの種類やアイテムなどをご紹介します。
ベランダローズガーデンに向いているバラ 3つの条件
ベランダでのバラの栽培は、「日照対策」「害虫対策」「樹形維持」の3つの条件に注意することが重要です。
育てにくい品種を選ぶと、管理の途中で面倒になり放置してしまうことも。そこで、ベランダでも育てやすい種類をおすすめします。
●日陰に強いバラを選ぶ
バラは一般的に1日4時間以上の日当たりが好ましいとされていますが、ベランダの方角や日照条件が厳しい場合は、日陰に強い品種を選ぶと良いでしょう。
日陰に強い品種の例)
・クィーン・オブ・スウェーデン
・レディ・オブ・シャーロット
・クレア・オースチン
●耐病性のあるバラを選ぶ
バラは病害虫が付きやすい植物です。そのため、病気にかかりにくい品種を選ぶことが大切です。虫が付きにくい品種はありませんので、見つけ次第駆除しましょう。
病気にかかりにくい品種の例)
・レオナルド・ダ・ヴィンチ
・ナエマ
・ノヴァーリス
●コンパクトにまとまるバラを選ぶ
大きくなりすぎない木立性※や半つる性の種類を選び、適切に剪定を行えばコンパクトな樹形を維持できます。「ベランダは限られたスペースなのでミニバラを」と考えがちですが、ミニバラはかえって育てるのが難しい種類が多いため、樹勢のよい中輪や大輪のバラのほうが安心です。
※ 木の幹のように茎が太くなり、支えがなくても自立して立つ性質
大きくなりすぎない木立性や半つる性の品種の例)
・アイスバーグ
・レイニーブルー
・レディ・エマ・ハミルトン
マンションのベランダでも使用可能なローズガーデンアイテム選び
バラの種類が決まったら、ローズガーデンにふさわしい鉢やアイテムを揃えましょう。
●鉢
スタンダードなテラコッタの深鉢は見た目もよいですが、24〜30cmの大苗を植えた鉢は重たくなるのが難点です。軽量なプラスチック製の鉢に植える場合は質の良いものを選び、チープ感がでないようにしましょう。
色調を統一すると、おしゃれなローズガーデンが完成します。スタイリッシュな白やナチュラルな緑、シックな黒系の鉢もおすすめです。
●アーチ
ベランダでもバラのアーチを作れます。庭のように地中に固定することができないので、アーチの両端を重量のある鉢などで押さえます。バラが絡んで上が重くなるので、バランスを崩さないようしっかり固定しましょう。大型のつるバラよりも、シュラブ(半つる性)のバラを左右に2鉢置いて、双方から絡ませると安定します。
●オベリスク、トレリス(ラティス)
アーチ用のスペースがない場合は、オベリスクやトレリスもおすすめです。バラの枝を這わせると高さが出て、縦方向の空間を演出できます。鋳物、プラスチック製、木製のものなどがあります。1株植えの鉢を並べて挿して固定するか、横長の大型プランターに複数株植えて設置する方法もあります。トレリスとプランターが同素材でセット販売されているものもおしゃれです。
●レイズドベッド
レイズドベッドとは、上げ床状の花壇を指します。庭では板やレンガなどで土止めを立てて土を直接盛ることができますが、ベランダではできないため、市販されている大型の横長プランターのようなレイズドベッドを利用しましょう。
レイズドベッドにはほかにも底面が床についているものや足があるもの、ハイタイプで下に収納スペースがあるものなどがあります。
おしゃれなベランダローズガーデンのために おすすめの工夫3選
ベランダローズガーデンが完成したら、さらに素敵な空間に仕上げるための工夫を取り入れてみませんか?
人にもバラにも居心地の良いベランダを作るための「ちょっとした工夫」を3つご紹介します。
●高低差をつける
ただ単純に鉢を並べるだけでは、平坦でのっぺりとした印象になってしまいます。そんなときは高低差をつけてみましょう。ひな壇のフラワースタンドを使うのも良いですが、レンガや石を使ってランダムに高低差をつけるとおしゃれにみえます。
また、この高低差で日当たりもよくなるので、バラの成長も促進されます。狭いベランダでバラをまとめて置きたい場合にも効果的です。
●日よけ・照り返し防止
バラは日光を好みますが、真夏の直射日光は苦手です。ベランダで鉢栽培をする場合、猛暑時には土中の温度が上がり、水切れを起こし枯れることもあります。すだれやオーニングなどで遮光して、直射日光をやわらげましょう。
また、ベランダの床がコンクリートの場合、照り返しが強くなります。ウッドパネルや人工芝を敷くことで反射熱や輻射熱を防ぐと、室内も涼しくなるので一石二鳥です。
●バックヤードを作る
せっかくベランダにローズガーデンを作っても、培養土や肥料の袋、軍手やバケツなどが目に付くと台無しです。上手にスペースを利用してラティスなどで目隠しをしたバックヤードを作りましょう。自分だけの秘密基地のような空間が楽しめます。
花のない時期のバラをバックに隠して、別の花を飾るのもよいアイデアです。
おしゃれな鉢に植えたり、オベリスクやミニアーチにつるバラを誘引して自分だけの美しい景色を創造できるベランダローズガーデン。リビングからベランダを眺めながら趣味を楽しむなど、素敵な時間を過ごしませんか。
■あわせてお読みください。
・バラの基本的な育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜・マリーゴールドの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
・一目でわかる!ガーデニング用語集(初級編・その1) 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
・一目でわかる!ガーデニング用語集(初級編・その2) 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
・ハイビスカスの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
・ポインセチアの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
・カーネーションの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜
■この記事のライター
□熊谷皇(くまがいこう)
国立大学法人 鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境工学(温熱環境、省エネ等)。国土交通省 住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構(IBEC)・日本建築センター(BCJ)・職業能力開発総合大学校等の講習会講師、日本建築ドローン協会(JADA)のWG等の委員を歴任。
(2024年8月19日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。