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ベランダで家庭菜園にチャレンジ! 秋に植える野菜編 〜マンションで楽しむガーデニングシリーズ〜

家庭菜園 ベランダ

マンションでも楽しめるベランダガーデニングを紹介していくシリーズをお届けします。今回は、ベランダで簡単に始められる家庭菜園の方法や、秋に植えるおすすめの野菜を初心者の方にもわかりやすく紹介していきます。

☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・マンションのベランダはあくまでも「共用部」です。いくつか注意点がありますのでご留意ください。
・避難経路として支障がないように配慮する。
・大規模修繕工事の際は、移動等により撤去する。
・その他マンション規約に定められている事項に従う。 等
※詳しくは下記の記事を参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意

目次
1. マンションのベランダで家庭菜園にチャレンジしよう
2. 秋植えにおすすめの野菜・果物
3. 実践編 マンションのベランダで秋野菜にチャレンジ!

マンションのベランダで家庭菜園にチャレンジしよう

ベランダで花や植物を育てる楽しさを覚えたら、次は「野菜づくり」に挑戦してみませんか? マンションのベランダ菜園には、畑とは異なるちょっとしたコツがあります。
今回は、初心者でも簡単にはじめられるベランダ菜園の方法をご紹介します。自分で育てた新鮮な野菜を食卓に並べて、毎日の食事をさらに楽しんでみましょう。

●ベランダ菜園の注意事項
マンションのベランダで家庭菜園を始める際は、他の住民に配慮することが大切です。

・避難経路をふさがない
マンションのベランダには、隣の住戸との境界に設置されている隔て板(蹴破り戸)や避難はしごのハッチがあります。これらをふさぐことは消防法や建築基準法で禁止されているため、プランターの配置には十分注意しましょう。

・臭いや害虫を防ぐ
家畜の糞や魚介類を原料とするたい肥や有機肥料は、臭いが強く、害虫や鳥などを引き寄せる可能性があります。使用する場合は、臭いの少ない肥料を選びましょう。
また、市販の防虫ネットを張ったり、見つけた害虫をピンセットで取り除くなど、日々の管理を欠かさないようにしましょう。

・薬剤散布時の配慮
それでも害虫が発生した場合は、薬剤を使用しますが、散布する時間帯には注意が必要です。早朝や夕方など、洗濯物を干していない時間帯を選び、近隣への配慮を忘れずに行いましょう。

●初心者におすすめの「秋植え野菜」
家庭菜園と聞くと、トマトやキュウリ、ピーマンなどの夏野菜を思い浮かべるかもしれませんが、実は初心者には「秋植え野菜」がおすすめです。
昨今の厳しい暑さや豪雨の影響で、夏野菜の栽培は難しくなりがちです。特にベランダでは畑よりも条件が厳しく、育てにくいことも多いですが、秋の涼しい気候に合わせて始めれば失敗も少なく、家庭菜園が楽しくなりますよ。

秋植えにおすすめの野菜・果物

初心者でも育てやすい、秋植えにおすすめの野菜や果物をご紹介します。これらはすべてホームセンターで手に入るプランター、培養土、肥料で簡単に育てられます。

・リーフレタス
サニーレタスに代表されるような結球しないタイプのレタス類は簡単に育てられるため、初心者に最適です。小さなプランターでも始められるので、手軽に挑戦できる野菜です。

・かぶ

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カブは白色のほか赤紫やバイカラーなど種類が豊富で、種まきから約2ヵ月で収穫できるので初心者にもおすすめです。葉や茎も食べられるので、残さず食べられるのも魅力です。丸い実(実際には胚軸)が土の上で膨らんでくると、初めて育てる人は「カブができるのは土の上なんだ。」と、驚くかもしれません。

・大根
マンションのベランダではハードルが高そうなイメージの大根ですが、深さのあるプランターなら栽培可能です。初心者は手始めにミニ大根がよいでしょう。

・ワケギ

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ワケギやアサツキ、葉ネギの類は、一度植え付けると繰り返し収穫することができます。ちょっと薬味が欲しいときにベランダに出て、地際から3cmのところでハサミで切るだけで、新鮮な薬味が手に入ります。ワケギやアサツキは球根で植え、葉ネギは種まきで、真冬以外ならいつでも植え付け可能です。

・ニンニク

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秋に球根を一片ずつに分けて植え、収穫は6月頃です。12月頃、葉を切って肉と一緒に炒めると、とても美味しいです。生ニンニクを素揚げしたりして楽しめます。

・ニラ

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独特の香りで炒め物に重宝するニラも、冬を除いていつでも種まきできる野菜です。草丈20cmほどに生長したら、地際3cmで切り取ります。収穫後1ヵ月ほどで再生するので、家計にも優しい便利な野菜です。数年間繰り返し収穫できるので、収穫後は追肥を忘れないようにしてください。

・スナップエンドウ

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秋に種まきして越冬させると、翌年の春、開花から3週間弱で収穫可能になります。ベランダでの家庭菜園には、背が高くならず初心者が育てやすい「ツルなし品種」を選びましょう。

・そら豆

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収穫後3日以内がおいしいといわれるそら豆。豆のヘソが真っ黒だったら、収穫が遅れた証拠。へその色が薄いうちに収穫できるよう、上に向かって生えていたサヤが下がってきたときが収穫のタイミングです。

・ほうれん草

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種まきから約1ヵ月で収穫できるので、収穫を待ちきれない子どもや飽きっぽい人にもおすすめ。間引いた小苗もおいしく食べられます。冬の寒さに当てると甘みと旨味が凝縮され、おいしいホウレンソウに生長します。葉が長い種類や丸みのある種類、サラダでも食べられる品種など、種類が豊富です。

・ブロッコリー・カリフラワー

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ブロッコリーやカリフラワーはキャベツの一種で、いつも食べている部分は「花茎」と「つぼみ」。ブロッコリーはメインの頭頂部収穫後も脇芽から次々と小さなつぼみが上がり、そちらも収穫し楽しめます。

・イチゴ

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プランターで育てやすいイチゴもおすすめです。品種は、春から秋まで収穫できる「四季成り」が長く楽しめます。イチゴの花もかわいいので、おしゃれなストロベリーポットやハンギングバスケットに植えると、見た目も良く一石二鳥。寒さにやや弱いので、厳寒期は室内に取り込むようにしましょう。

実践編 マンションのベランダで秋野菜にチャレンジ!

秋植えのおすすめ野菜の中から3つ、育てやすい品種をご紹介します。種子から育てたほうがお得な野菜や、ポット苗のほうがおすすめの野菜もあるようです。さっそく始めてみましょう。

●リーフレタスの育て方

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・種まき:8月〜10月、2月〜6月
・収穫時期:種まきから約3週間
・害虫対策:収穫が早いので特に問題なし
・育て方
どんなサイズのプランターでも育てられます。
市販の野菜の培養土を入れたら、種子を多めにまきましょう。発芽して本葉が1〜2枚出た頃、葉が重ならないよう間引きます。間引いた苗は柔らかいので、おいしく食べられます。
2週間後、市販の野菜用肥料を与えます。葉が重ならないよう間引いてゆき、最終的に5cm間隔になるよう調整します。
大きくなったら外葉から刈り取り、サラダにします。株の中心の葉を数枚残しておけばまた葉が出てくるので、長く収穫できます。

●大根の育て方

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・種まき:9月、4〜5月(暖地はほぼ一年中可)
・収穫時期:種まきから2〜3ヵ月後
・害虫対策:防虫ネット必須
・育て方
地中深く生長するので、直径30cm、深さ30cm以上あるプランターや、栽培用の袋もおすすめです。

種子を3粒ずつ取り、5cm間隔で植えつけます。本葉が2枚になったら、3粒まいたうちの1つを間引き、生食します。
そして本葉が4枚になった頃、3粒のうちのもう一つを間引き、市販の野菜用の肥料を与えましょう。
本葉が6枚になったら少し土をかぶせ、元気そうな2〜3株を残してすべて間引きます。大根が直径7〜8cmに生長し、地上にせりあがってきたら完成です。

●ブロッコリー・カリフラワー

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・植え付け:8〜11月、2〜3月
・収穫時期:苗植え付けから2ヵ月半頃
・害虫対策:防虫ネット必須
・育て方
ブロッコリーもカリフラワーも育て方はほぼ一緒です。種子を買っても使い切れないので、ポット苗で入手がおすすめ。直径30cmの丸形深鉢に1苗ずつ植えつけます。

植え付けから2週間後、野菜用肥料を施します。葉を食用部とする葉物野菜を育てるための「葉菜類用肥料」もあります。頂点のつぼみができたら、白色のカリフラワーは日焼けしないよう遮光しますが、色付きの種類やブロッコリーは日に当てて育てましょう。直径10cmになった頃が収穫時期です。
カリフラワーの収穫は一度のみですが、ブロッコリーは初めの収穫後も脇芽からの収穫が楽しめます。

秋は春や夏に比べて病気や害虫のリスクが少なく、初心者が家庭菜園を楽しむにはぴったりの季節です。お料理にちょっと使いたいときなど、ベランダからさっと収穫して毎日の食卓に彩りを添えてみませんか?

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ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意


■この記事のライター
□熊谷皇(くまがいこう)
国立大学法人 鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境工学(温熱環境、省エネ等)。国土交通省 住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構(IBEC)・日本建築センター(BCJ)・職業能力開発総合大学校等の講習会講師、日本建築ドローン協会(JADA)のWG等の委員を歴任。

(2024年10月7日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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