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マンションバルコニーのお手入れをしておけば、台風の季節も安心?
1. マンションへの台風の被害って?
日本は、地震だけではなく、台風も多い国です。特に、ここ数年間では、大規模な水害・風害が増えています。
鉄筋コンクリート造で気密性の高いマンションでは、台風や大雨の被害の心配はなさそうに思えますが、そうとはいいきれません。過去の大型台風では、マンションにも被害が発生しています。
例えば、2018年9月、激しい暴風雨により甚大な被害をもたらした台風21号のケースでは、集合住宅への被害の80%以上が「ガラス」に集中していました。マンションの外に面した部分でガラスといえば「窓」ですが、多くのマンション住戸の窓はバルコニーにつながっています。
したがって、台風によるマンションへの被害を防ぐには、バルコニーが大きなカギになるということです。
そこで、暴風雨による被害を防ぐ、または減らすためのマンションバルコニーの使い方やお手入れの方法をお教えします。
鉄筋コンクリート造で気密性の高いマンションでは、台風や大雨の被害の心配はなさそうに思えますが、そうとはいいきれません。過去の大型台風では、マンションにも被害が発生しています。
例えば、2018年9月、激しい暴風雨により甚大な被害をもたらした台風21号のケースでは、集合住宅への被害の80%以上が「ガラス」に集中していました。マンションの外に面した部分でガラスといえば「窓」ですが、多くのマンション住戸の窓はバルコニーにつながっています。
したがって、台風によるマンションへの被害を防ぐには、バルコニーが大きなカギになるということです。
そこで、暴風雨による被害を防ぐ、または減らすためのマンションバルコニーの使い方やお手入れの方法をお教えします。
2. まずは台風に備えてやっておきたいこと
マンションでよくある台風被害のひとつは、窓ガラスの破損です。
その一因となるのが、強風によって飛ばされた屋根瓦などの飛来物です。他所からの飛来物によって自宅の窓ガラスが割れることもありますが、自宅のマンションバルコニーに置いていた植木鉢などが飛ばされて他のお宅に被害を与えることもあり得ます。
こうした被害や加害を防ぐには、屋外に風によって飛ばされるようなものを置かないようにするしかありません。通常の風では飛ばされないようなものが台風のときには飛ばされてしまいます。居住地域に台風の予報が出たら、物干し竿や物干しスタンドなどはもちろん、屋外用家具、据え置き式のデッキパネル、植木鉢など、強風で飛ばされる可能性のあるものは全て屋内にしまうようにしましょう。
また、金属製の手すりに目隠しのためのシートやパネルを取り付けているお宅では、これも取り外しておいた方が安全と言えます。強風による飛散はもちろんですが、強固に手すりに取り付けてある場合には、風の力をより多く受けてしまうことになり、手すりを歪ませてしまうこともあるからです。
その一因となるのが、強風によって飛ばされた屋根瓦などの飛来物です。他所からの飛来物によって自宅の窓ガラスが割れることもありますが、自宅のマンションバルコニーに置いていた植木鉢などが飛ばされて他のお宅に被害を与えることもあり得ます。
こうした被害や加害を防ぐには、屋外に風によって飛ばされるようなものを置かないようにするしかありません。通常の風では飛ばされないようなものが台風のときには飛ばされてしまいます。居住地域に台風の予報が出たら、物干し竿や物干しスタンドなどはもちろん、屋外用家具、据え置き式のデッキパネル、植木鉢など、強風で飛ばされる可能性のあるものは全て屋内にしまうようにしましょう。
また、金属製の手すりに目隠しのためのシートやパネルを取り付けているお宅では、これも取り外しておいた方が安全と言えます。強風による飛散はもちろんですが、強固に手すりに取り付けてある場合には、風の力をより多く受けてしまうことになり、手すりを歪ませてしまうこともあるからです。
3. それでも窓ガラスが割れるのが怖い時には
できる対策をしていたとしても、やはりどこかから飛んできたもので、窓ガラスが割れてしまうケースもあります。そうした万が一の時のために、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼るという方法もあります。
ただし、マンションの窓は基本的に共用部に分類されるので、個人では自由に手を加えられないことも多くあります。
お住まいのマンションの管理規約を確認してから、フィルムの貼り付けを検討しましょう。
ただし、マンションの窓は基本的に共用部に分類されるので、個人では自由に手を加えられないことも多くあります。
お住まいのマンションの管理規約を確認してから、フィルムの貼り付けを検討しましょう。
4. 日ごろからのお手入れも大事
台風によるマンションへの被害として「雨漏り」も報告されています。
マンションバルコニーの水はけが悪くなっていると、台風や大雨のときにバルコニーに雨水があふれ、室内に浸水したり、階下のお宅に漏水したり、といった可能性があります。
こうした被害を防ぐには、バルコニーの排水溝・口を詰まらせないようにすることが大事です。バルコニーの排水溝・口には、落ち葉や土ボコリ、鳥のフンなどのゴミが意外と溜まりやすいのです。
排水溝・口を詰まらせないためには、台風シーズンだけではなく、日ごろからのこまめなバルコニーのお手入れが欠かせません。床や手すりも含め、定期的にバルコニーの掃除を心がけるようにしましょう。その際の注意点や手順として、以下を参考にしてください。
<マンションバルコニー掃除の注意点>
・ホコリやゴミの飛散を抑えるために、風のないくもりか小雨の日が適しています。
・左右両隣り、階下のバルコニーに洗濯物などを干していたり、人がいないことを確認してから行いましょう。事前に、左右、階下の住戸には声がけをするのがベターです。
・漏水を防ぐために水を流さず、騒音や振動の観点から高圧洗浄機は使用しないようにします。
・ゴミや汚れには鳥のフン、虫の死骸なども混じるので、マスクとゴム手袋を着用しましょう。
<マンションバルコニー掃除の手順>
1. 掃除しやすいように屋外家具やデッキパネルなどを片づけましょう。
2. 床や排水溝のゴミをほうきとちりとりで取り除きます。このとき、水で濡らした新聞紙をちぎって床にまいておけば、ホコリが立ちにくく、細かいゴミを吸着してくれます。排水口に詰まったゴミが取りにくい場合は、割りばしやトングなどを使いましょう。
3. こびりついた汚れを住居用洗剤とデッキブラシなどで落とします。
4. 水で濡らした雑巾で拭きあげます。洗剤や汚れが残らないようにしましょう。
マンションバルコニーの水はけが悪くなっていると、台風や大雨のときにバルコニーに雨水があふれ、室内に浸水したり、階下のお宅に漏水したり、といった可能性があります。
こうした被害を防ぐには、バルコニーの排水溝・口を詰まらせないようにすることが大事です。バルコニーの排水溝・口には、落ち葉や土ボコリ、鳥のフンなどのゴミが意外と溜まりやすいのです。
排水溝・口を詰まらせないためには、台風シーズンだけではなく、日ごろからのこまめなバルコニーのお手入れが欠かせません。床や手すりも含め、定期的にバルコニーの掃除を心がけるようにしましょう。その際の注意点や手順として、以下を参考にしてください。
<マンションバルコニー掃除の注意点>
・ホコリやゴミの飛散を抑えるために、風のないくもりか小雨の日が適しています。
・左右両隣り、階下のバルコニーに洗濯物などを干していたり、人がいないことを確認してから行いましょう。事前に、左右、階下の住戸には声がけをするのがベターです。
・漏水を防ぐために水を流さず、騒音や振動の観点から高圧洗浄機は使用しないようにします。
・ゴミや汚れには鳥のフン、虫の死骸なども混じるので、マスクとゴム手袋を着用しましょう。
<マンションバルコニー掃除の手順>
1. 掃除しやすいように屋外家具やデッキパネルなどを片づけましょう。
2. 床や排水溝のゴミをほうきとちりとりで取り除きます。このとき、水で濡らした新聞紙をちぎって床にまいておけば、ホコリが立ちにくく、細かいゴミを吸着してくれます。排水口に詰まったゴミが取りにくい場合は、割りばしやトングなどを使いましょう。
3. こびりついた汚れを住居用洗剤とデッキブラシなどで落とします。
4. 水で濡らした雑巾で拭きあげます。洗剤や汚れが残らないようにしましょう。
5. その他の部分での被害
強風により、思わぬところのものが風で飛ばされてしまうこともあります。
例えば、屋根の瓦やアスファルトシングル(アスファルトを染み込ませた基材に砂を吹き付けたもので、幅30cm程度の長方形のアスファルトシングルをずらしながら重ねたような外観になる防水工法)が飛んでしまうことがあります。また、廊下に取り付けられた目隠しのパネルなど、風を受けやすい形状のものは、破損したり風散したりする可能性があります。
これらはいずれもマンション共用部の破損で、個人ではなかなか対応することはできません。台風が去った後に、見慣れないものがマンションの敷地の中に落ちていたら、管理人さんや理事会の方に報告しておきましょう。お住まいのマンションのどこかに取り付けられていたものかもしれません。こういった破損は、日ごろから積み立てている修繕積立金や、保険を利用して補修工事が行われることになります。
マンションの台風被害を防ぐには、台風シーズンはもちろん、日ごろからのバルコニーの整理整頓と掃除が大切です。以上を参考に、無事に台風シーズンを乗り越えましょう。
例えば、屋根の瓦やアスファルトシングル(アスファルトを染み込ませた基材に砂を吹き付けたもので、幅30cm程度の長方形のアスファルトシングルをずらしながら重ねたような外観になる防水工法)が飛んでしまうことがあります。また、廊下に取り付けられた目隠しのパネルなど、風を受けやすい形状のものは、破損したり風散したりする可能性があります。
これらはいずれもマンション共用部の破損で、個人ではなかなか対応することはできません。台風が去った後に、見慣れないものがマンションの敷地の中に落ちていたら、管理人さんや理事会の方に報告しておきましょう。お住まいのマンションのどこかに取り付けられていたものかもしれません。こういった破損は、日ごろから積み立てている修繕積立金や、保険を利用して補修工事が行われることになります。
マンションの台風被害を防ぐには、台風シーズンはもちろん、日ごろからのバルコニーの整理整頓と掃除が大切です。以上を参考に、無事に台風シーズンを乗り越えましょう。
《この記事のライター》
大塚 麻里絵
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
(2019年9月2日記事更新)