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マンションにおける省エネ対策「電力需給ひっ迫警報」に備えた心構えを
2022年6月26日、東京電力管内に発令された「電力需給ひっ迫注意報」は6月30日に解除されました。結果的に停電は回避できたものの、今後も節電・省エネへの協力が求められています。省エネに取り組むべき理由に加え、それぞれのマンション居住者ができること、また、マンション全体で考えられる取り組みについてご紹介します。
目次
1. 電力需給ひっ迫警報とは?
2. 省エネでマンション居住者ができること
3. マンション大規模修繕工事で省エネに配慮
1. 電力需給ひっ迫警報とは?
気温上昇による停電リスクの高まったことから、2022年6月26日、東京電力管内に「電力需給ひっ迫注意報」が発令されました(6月30日に解除)。これ以前にも、東北地方で発生した地震と季節はずれの気温低下の影響2022年3月21日に初の「電力需給ひっ迫警報」が発令されており、あらためて節電・省エネに注目をせざるを得ない状況が続いています。
「電力需給ひっ迫警報」とは、東日本大震災の影響で電力需給がひっ迫する事態が発生したことから2012年に定められた警報です。電力会社の供給予備率(想定される需要に対する電力余裕分の比率)が3%を下回ることが予想された場合に、その前日に政府が発令することになっています(電力会社の供給予備率が5%を下回ることが予想された場合は「電力需給ひっ迫注意報」を発令)。
結局、3月の警報・6月の注意報発令時はどちらも停電を回避することができましたが、経産省では引き続き日常生活に支障のない範囲での省エネへの協力を呼びかけています。なぜ、今後も省エネが必要なのかというと、そもそもエネルギーの資源となる石油や天然ガスなどは無尽蔵ではないからです。
このことは、石油などの化石燃料を自前で産出できないわが国では、特に意識しておくべきでしょう。エネルギーをムダに使いすぎないことは地球温暖化対策にもなりますし、一人ひとりが取り組むことが大切です。
2. 省エネでマンション居住者ができること
個人レベルの省エネ行動は電気代やガス代の節約にはその効果が期待できますが、国や世界といった社会全体における省エネは、多くの人が取り組むことで、はじめて効果を期待することができます。とはいえ、結局は個人レベルの省エネ行動の積み重ねになりますので、ここでは、マンション居住者ができる日常生活で使用する家電製品の節電についてご紹介します。
はじめにエアコンの使い方についてです。エアコンは、部屋の暖め過ぎ、冷やし過ぎは電気の使い過ぎになるので注意する必要です。暖房では20℃、冷房では28℃が省エネ推奨温度とされており、暖房ではマイナス1℃、冷房ではプラス1℃で、それぞれ10%程度節電できるといわれています。冬は温め過ぎず、夏は冷やしすぎない温度調節が節電に繋がります。
フィルターの汚れも冷暖房の効率に影響するので、適時にフィルター掃除をすることも大切です。エアコンの省エネ性能は新しいものほど高いので、古い製品を使っている場合は、思い切って買い替えるといった方法もあります。
冷蔵庫は、庫内の収容物が多いとより多くの電気が必要となるので、注意しましょう。
トイレは使用後に電気便座のフタを閉めることで節電できます。
食器を洗う場合は、手洗いよりも食器洗い乾燥機を使ったほうが使用する水の量が大幅に減ります。資源エネルギー庁発行の「家庭の省エネ徹底ガイド」では、食器洗い乾燥機を使うことで年間8,870円お得になるとの試算結果も出ています。
お風呂の使用についても、沸かす時間を減らすために家族で間隔を空けずに入る、節水タイプのシャワーヘッドに交換するなど工夫してみましょう。
3. マンション大規模修繕工事で省エネに配慮
省エネ性能が高いマンションといえば、新築のマンションを連想するかもしれませんが、既存のマンションでも省エネ性能を高めることができます。例えば、マンションの外断熱化や、玄関扉・窓サッシといった開口部について断熱効果の高いものに交換することで、住戸の断熱性能が高まり、冷暖房の効率が高めることができます。他にも屋上防水や外壁塗装の補修に遮熱効果のある塗料を使う、屋上に太陽光発電パネルを設置する、といった方法があります。特にマンションの外断熱化は室内の温熱環境も向上につながるはもちろん、住戸内の温度差が小さくなるのでヒートショックのリスクを軽減し、さらに建物の長寿命化にも繋がります。
電力の使用量を居住者がモニターで確認できるスマートメーターもおすすめです。
省エネについては下記の記事もご参照ください。
⇒これからは「省エネ基準」があたりまえ?
近年では夏も冬も電力不足が常態化しており、再び「電力需給ひっ迫警報」が発令されることがあるかもしれません。省エネは、マンション全体で対策することで、より大きな効果を期待することができます。近い将来に大規模修繕を控えている場合は、マンション全体の省エネルギーといった視点でも検討してみてはいかがでしょうか。
■あわせてお読みください。
・社員に聞くシリーズ 京葉第一支店、京葉第二支店における「ちばSDGsパートナー制度」への取り組み〜
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・マンションの部屋をより暖かくするリフォームとは
・グリーンカーテンづくりに挑戦! 植物の力を活用して、省エネ・快適な夏を過ごそう
■この記事のライター
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。
※建装工業株式会社公式HPはこちら
(2022年7月11日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。