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八王子スカイマンションは、鉄筋コンクリート造・地上7階建てで、1階には複数の店舗があり、124戸の規模を有しています。1976年2月に竣工しました。リノベーション済みの住戸も多く見られます。最寄り駅は京王電鉄京王線の京王八王子駅とJR八王子駅の2駅です。近隣には保育園から高校までの教育施設、保健所、総合病院、ショッピングセンターなど生活に必要な施設が揃っています。今回は、築後49年目となる「八王子スカイマンション第4回大規模修繕工事」において、主にアスベストが含有された塗膜の剥離の施工に関する工夫点や施工のポイントについてご紹介します。

目次
1. 本現場の基本状況
2. ご採用頂いた経緯と今回の工事の特徴
3. 今回の工事で工夫している点
4. 今回の工事で苦労している点
5. 工事竣工までの意気込み
6. 最後に

施工業者選定に際してのヒアリングで、当社の施工管理体制と工事実施のポイントが評価された結果、ご下命をいただきました。今回の施工では、外壁塗装と鉄部塗装の塗膜剥離が含まれます。また、事前調査でアスベスト含有が確認されているため、アスベスト処理・対策も重要な管理項目となります。手摺の補修においては、手摺根元腐食部補修を行います。さらに、1階には5店舗があり、敷地北側にはバス停もあるため、事前協議・利便性と安全性についても考慮が必要でした。当社はこれらの問題について丁寧に説明し、管理組合様からご採用いただきました。

また、当社および担当する現場代理人の近隣マンション修繕の実績、塗膜剥離及びアスベスト対応工事の実績、並びにアスベストに関する保有資格についても説明し、ご安心をいただきました。

今回の工事は、第4回目の大規模修繕工事となっておりますが、当社はこれまで八王子スカイマンション様での工事実績がございませんでした。第4回目の大規模修繕工事を進めるにあたり、過去の問題点の原因を徹底的に究明し、適切な対処を行うことで、不具合等を根絶することを目指しております。特に、今回の外壁塗膜剥離および鉄部塗膜剥離については、試験施工に重点を置き、剥離方法や剥離具合、撤去物の処理、居住者様及び作業員の安全対策、廃棄物処理などを綿密に計画し、全ての作業工程をマニュアル化して均一な作業品質を確保いたしました。剥離工程の検査も自ら実施し、試験施工において確認済みであったため、大きな問題なく次工程の塗装へ移行することができました。

さらに、外壁塗装の下地はモルタルであり、天井を含む浮きも多数確認されました。これらについても、塗膜剥離同様、事前の試験施工を入念に行い、スムーズに下地補修を完了させることができました。天井塗装および鉄部塗装は3年、下地補修・シーリング・外壁塗装・屋上等を除く各種床防水は5年、屋上等床防水は10年の保証をお約束しておりますので、それ以上の品質を担保することが現場代理人としての責務と考えております。品質確保には一切妥協せず、現場管理を徹底してまいります。

今回の工事において、居住者の皆様は非常に協力的であり、特段の困難は生じておりませんが、いくつかの重要な点に留意しております。まず、足場仮設および解体時の安全管理についてです。本現場は交通量の多い道路に面しており、歩行者、自転車、自動車の通行が頻繁であるため、バス停も含め適切な誘導員の配置による安全対策が不可欠です。

また、施工中の車両の移動および現地残置車両への対応も重要です。車両移動に関しては、予め分かりやすい案内を提供し、居住者様のご理解を得ています。塗装作業中の塗料の飛散防止対策として、朝礼・昼礼において車両確認と養生対策の打ち合わせを徹底し、現場全体の共通認識を確立しています。

屋上等床防水工事に関しては、10年間の保証が付加されるウレタン防水通気緩衝工法を採用しております。平面部の塗膜厚管理や出隅・入隅部分の納まりについて厳密な管理が求められます。防水担当の協力業者は長年信頼を寄せている職人で構成されており安心感がありますが、最終的な社内検査においては自身で納得のいくまで確認を行います。

現場代理人として、これまでに2件のアスベスト対応工事を担当しておりますが、各現場において養生方法や必要な安全対策が異なり、施工中に新たな発見が随時ありました。そのため、現場に応じた柔軟なアプローチが求められることを再認識しています。

今回の工事では、多少の色調変更を行い、塗膜厚を確保して中性化を抑制すること、及びひび割れ補修跡を目立たなくするなど、新たにパターン付けも行いました。マンションが著しく美観を向上させるよう、現場状況を詳細に把握し、安全を最優先に考慮しながら、工事竣工時にはお客様の満足度の高い結果を提供できるよう尽力いたします。

首都圏近郊では、4回目の大規模修繕工事が増加しています。日本全国でマンションの高齢化と高経年化が進んでいます。高経年マンション修繕工事では、塗膜剥離や手摺など鉄部補修を適法に確実に行うことが重要です。これにより、マンションの長寿命化を図ることができます。当社も、技術向上に努め続け、お客様に貢献できるよう取り組んでまいります。

【無事竣工を迎えた工事完了後の写真】

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■この記事のライター
□吉田 秀樹
建装工業株式会社　MR業務推進部　統括部長
愛知県出身　職能能力開発総合大学校（当時：相模原市）卒業
マンション管理士・一級建築施工管理技士・マンション維持修繕技術者を有し、大規模修繕工事の営業に従事した経験者

（2025年3月10日新規掲載）
＊本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。