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のぞいてみよう!工事現場紹介 〜Brillia Tower KAWASAKI大規模修繕工事

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Brillia Tower KAWASAKIの外観

現在、建装工業が施工中のマンションの工事現場を取材するシリーズです。今回は、神奈川県川崎市にあるタワーマンションの工事現場を取材しました。

こんな方におすすめ
● これから大規模修繕工事を計画するマンションにお住まいの方に
● まさに大規模修繕工事中のマンションにお住まいの方に
● これからマンションリニューアル関係の企業で働きたい方に

目次
1. 工事現場の概要
2. はじめに自己紹介をお願いします
3. 今回の工事現場の特徴を教えてください
4. 今回の工事現場で工夫していることを教えてください
5. 今回の工事現場で苦労していることを教えてください
6. 竣工への意気込みをお聞かせください
7. 最後に

1. 工事現場の概要

工事名称 Brillia Tower KAWASAKI大規模修繕工事
建物規模 RC造 地下1階 地上34階建て 住戸395戸
建物所在地 神奈川県川崎市
建物竣工年 2008年10月
RC造・SRC造
工事期間 2022年2月1日〜2022年11月30日
工事内容 躯体補修工事、鉄部・外壁塗装工事、防水工事等
取材日 2022年9月9日
話を聞いた人 市川さん(現場所長)

2. はじめに自己紹介をお願いします

今回の工事で現場所長を務めている市川です。私がタワーマンションの大規模修繕工事を担当するのは今回で5回目になります。
一般的なマンションの工事では枠組み足場を建物の周囲に設置することが多いですが、タワーマンションではゴンドラや移動昇降足場などとなることが特徴です。枠組み足場の場合は、作業員が建物の周囲を自由に移動して作業することができますが、ゴンドラの場合、作業員はゴンドラが止まっている場所でしか作業することができません。したがって、タワーマンションでは作業工程とゴンドラの位置をパズルのように整合させて工事計画を組まなければならない点が難しいところです。工事計画の精度が低いと工事期間や工事原価にダイレクトに影響してしまいます。いろいろ経験を重ねて(時に失敗もしつつ)、徐々に工事計画の精度が高まってきたと思いますが、今回の現場からも多くのことを学んでいます。

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Brillia Tower KAWASAKIの現場スタッフのみなさん
(中央が現場所長の市川さん)

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ゴンドラに乗って点検している様子

3. 今回の工事現場の特徴を教えてください

このBrillia Tower KAWASAKIは、神奈川県にあるJR川崎駅から徒歩6分の好立地に所在しています。JR川崎駅は1日平均の利用者が16万人※と、神奈川県内ではJR横浜に次いで利用者が多い駅で、この建物は線路からもよく見える場所に位置しています。それだけ多くの人が目にする工事ですから、良い工事をすれば広告塔にもなるし、その反対もあり得ます。したがって、私たちはもちろん、共に働く職人も含めて、みなさんから常に見られている工事であり、それを意識して行動することを何度も伝えています。

また、Brillia Tower KAWASAKIの特徴として入館認証システムにJR東日本の「Suica」が利用されている点があります。エントランスやエレベーターホールなどは「Suica」をタッチするだけで、オートロックを解錠することができます。私たちもあらかじめ登録した「Suica」を用いて入退館しておりますが大変便利です。

今回の工事現場では、22台の充電式のゴンドラを建物の周囲に配置しました。共用廊下からバルコニーに抜けるルートがないことから、バルコニー内の作業は全てゴンドラから出入りしなければなりません。そのためバルコニー内の住戸間の移動は、隔て板の一部を人が通過できるように加工する対策を施しました。

また、エレベーターホールと2階ロビーの内装工事では、壁などの仕上げを全て張り替える工事があり、3種のデザイン案から居住者様の投票により決定していただきました。ダークなウッド調のナチュラルテイストで高級感のある仕上がりになると思います。

※JR東日本 各駅の乗車人員2021年度

 

4. 今回の工事現場で工夫していることを教えてください

繰り返しになりますが、この建物はとにかく多くの人の前で工事をするという特徴があります。当然、建物の付近も多くの人が通行するため、建物周囲の工事看板を利用して何かできないかということを考えていました。「見られる現場」から「見せる現場」へと意識を変えていきたいといった発想です。そこで思いついたのが「地球のことを考える現場シート」です。春・夏・秋・冬の季節ごとに掲示した「地球のこと」に関する質問だけが現場シートに書かれていて、興味を持っていただいた方は、現場シートのQRコードからその「答え」のページに訪問して確認するといった、少し遊び心のある企画です。この企画は、以前、市役所の新築工事現場訪問時に本現場でともに働く佐野さんが、装飾された工事看板を撮影する姿をみて思いつきました。この企画のコンセプトは「現場看板で地球の温暖化対策に寄与する」ということです。私が所属する京葉第二支店では今年の2月に「ちばSDGsパートナー」の指定を受けており、その一環でもあります。実はこの企画では、春・夏・秋・冬の季節ごとの質問と回答については本部の熊谷さんと2人で考えたのですが、WEBで地球温暖化のことを調べたり、現場終了後に協議したりと、アイディアを実際の形にすることに大変苦労しました。実現することができたので良かったです。通行人や近隣のみなさまに少しでも目にとめていただけるとうれしいです。
エコロジーという視点では、他にも洗濯物情報などマンション内の掲示をサイネージで行うことでペーパーレス化にも取り組んでいます。

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地球のことを考える現場シート(夏バージョン)

地球のことを考える現場シートのランディングページはこちら

話は変わりますがアルミ手摺のトップレール養生も工夫しています。タワーマンションの工事は、①風が強い ②工事期間が長い といった特長があることから、破れにくく、糊汚れのしにくい工法が必要となり、そのための工夫を行いました。詳しい内容は企業秘密なのでお伝えできませんが、このような細かい工夫の積み重ねが、現場施工の品質向上に必要なのだと信じています。

5. 今回の工事現場で苦労していることを教えてください

やはり大変なのは車の養生ですね。駐車場が建物と隣接しているので、塗装汚れなどが付着しないよう、工事開始前に専用の不織布の袋で車を覆い、工事が終わったら回収するといったことを毎日行っています。大きな不織布で車を覆う作業は、毎朝取り付けて作業終了時に取り外しますが、その間は常に車の出入りがあるので誘導員を配置してその都度脱着を行っており、積み重ねるとかなりの時間を費やされ結構手間が掛かります。いつかもっと効率的に養生ができる方法を考えてみたいです。

他にも建物の外装の塗装で15色の色を使い分ける必要があるということです。外壁の塗装は、見付と各階天井の色が3フロアずつのグラデーションになっていて、少しずつ色が違うのです。ですから外装で11色。内壁で3色。吹抜け部で1色と全部で15の色を使い分けなければならないので間違いがないように納品されたすべての上塗り材の入れ物にかなり目立つように使用階を記入するなど、特別に注意を払っています。

また、隔て板を加工して開放できるようにしているのですが、工事が終わる夕方にゴンドラに乗って閉め忘れがないか全住戸の戸締り確認を行うのも結構大変です。タワーマンションはとにかく戸数が多いので、こういった一つひとつの確認作業が大きな作業負担になります。反対に、このような確認作業一つを工夫することで、大きく効率化することもできます。今回も、当初は各協力業社の当番制にしようとしたのですが他の確認作業に支障が出ることから断念しました。次にドローンによる巡回も考えたのですが空港も近く、現実的でないことから断念しました。このようにうまくいかないことがほとんどなのですが、常に「どうやったらより効率化できるか」「どうすればより品質が高められるか」といったことを考えさせられ、現場から学ぶことは多いです。

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車を不織布の袋で養生した様子

6. 竣工への意気込みをお聞かせください

新型コロナウイルスもまだ収束しない状況下ではありますが、当初の計画通りの工期で完工させてお客様に引き渡せることを意識しています。その為に、体調管理には十分に気を付けること。ここまでは事故無く工事が進んでおりますので、最後まで気を抜くことなく、竣工まで無事故でいきたいです。そして、居住者のみなさまに建装工業に頼んでよかったと思っていただければ嬉しいです。

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取材に応対する市川さん(右側)

7. 最後に(ライターより)

今回は、川崎市にあるタワーマンションの現場を取材させていただきました。川崎駅の近くという立地の便利さ、認証システムに「Suica」を採用する先進の取り組みなど、様々な点で都会の機能的なマンションという印象でした。この現場は、みなさんから常に見られる工事だからこそ、「見せる現場シート」で近隣や通行人に情報提供するといった発想が素晴らしいと思いました。今回は、私も現場所長の市川さんと「地球を考える現場シート」の企画・設計・製作に携わらせていただきましたが、カーボンニュートラルやSDGsにつながるこのアイディアは全国展開していきたいと思います。

建装工業ではこれまで100件以上のタワーマンションの改修工事の実績を有しています。これらの経験から学んだことも活かしつつ、お客様により質の高い工事を行えるよう努めてまいります。

■あわせてお読みください。
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■この記事のライター
熊谷 皇
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
千葉県出身。鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境(温熱環境性能、住宅の省エネ性評価等)。住宅の省エネ基準検討WGの委員、建築環境省エネルギー機構・日本建築センター・職業能力開発総合大学校等の講習会講師の経験を持つ技術者。ライター。
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2022年10月17日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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