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ベランダで家庭菜園にチャレンジ! 春に植える野菜編(ハーブ) 〜マンションで楽しめるガーデニング〜

マンション 家庭菜園

マンションのベランダや室内で楽しむガーデニングを紹介するシリーズです。今回は、初めての方も簡単に育てられるハーブのベランダ菜園を紹介します。

☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・ マンションのベランダはあくまでも「共用部」です。いくつか注意点がありますのでご留意ください。
・ 避難経路として支障がないように配慮する。
・ 大規模修繕工事の際は、移動等により撤去する。
・ その他マンション規約に定められている事項に従う。 等
※詳しくは下記の記事を参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意

目次
1. マンションのベランダで始める、初めてのハーブ栽培
2. 春から育てるベランダ菜園にお勧めのハーブ
3. ベランダ菜園のハーブで食卓を彩るおすすめレシピ5選

マンションのベランダで始める、初めてのハーブ栽培

いつもの食卓に自分で育てた新鮮なハーブを添えてみませんか?
実はマンションのベランダでも手軽にハーブ栽培は始められます。ハーブの豊かな香りに包まれた暮らしは、日々の料理を彩ります。

●ハーブとは?
ハーブとは、香りが強く、食用や香料として利用されている植物の総称です。
イタリア料理やフランス料理で使われるイメージが強いかもしれませんが、日本の食卓でおなじみのネギやミョウガ、シソなどもハーブの一種です。
料理の風味を引き立てるだけでなく、薬膳料理などにも使われています。

●ハーブの種類
ハーブは、そのライフサイクルによって大きく3つのタイプに分けられます。

・ 一年草
発芽から1年で開花し、種子を残して枯れる性質を持つハーブです。
例)バジル、ルッコラ、パクチーなど

・ 多年草
発芽から何年も枯れることなく育つハーブです。
例)ミント、タイム、セージなど

・ 樹木
発芽から毎年育ち、茎が木の幹のようになるハーブです。
例)ローズマリー、ローレル、レモンバーベナ、ラベンダーなど

春から育てるベランダ菜園にお勧めのハーブ

初めてでも手軽に育てられるハーブをご紹介します。
ベランダ菜園では、プランターや鉢に市販の野菜用培養土を入れて育てるのがおすすめです。初期の生育を助ける元肥(もとごえ)入りでpHバランスも調整されているため大変便利です。

●バジル

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パスタやマルゲリータピザなど、イタリア料理に欠かせないおなじみのハーブ。
トマトとの相性が抜群です。
イタリア語ではバジリコ(basilico)、日本名はメボウキといいます。

・ 種まき:4月下旬
・ 収穫期:6月〜10月

<栽培のコツ>
・ 光が当たらないと発芽しないため、種の上に土をかぶせずに鉢ごと水を張った容器に浸して底から水を吸わせるか、霧吹きで土の表面を湿らせて発芽を待ちます。
・ 乾燥に弱いので、水分を切らさないように注意してください。育ってきたら朝夕に水やりするとよいでしょう。

●ミント
きれいなグリーンの葉からスーッと爽やかな香りが立つハーブ。
スペアミントやアップルミント、ペニーロイヤルミントなど複数の種類があります。
葉を食用するのではなく、主にアイスクリームやケーキ、ドリンクの飾りや香り付けに使います。

・ 植え付け:4月〜5月、9月〜10月
・ 収穫期:5月〜10月(常緑のものは通年)

<栽培のコツ>
・ 簡単に育つので初心者におすすめです。
・ 繁殖力が強く、ほかの植物が枯れてしまう可能性があるため、寄せ植えは禁物です。
・ 大きくなりすぎたら、適宜、剪定しましょう。

●カモミール
キク科の耐寒性一年草で、秋に種をまいた翌年花を咲かせるハーブ。
花にリンゴのような甘い香りがあり、花から抽出した液をお茶として飲んだり、お風呂に入れたりして楽しみます。
和名はカミツレといい、マーガレットのようなかわいい花を咲かせ、ベランダを美しく彩ります。

・ 種まき:3月〜4月、9月〜10月
・ 収穫期:5月〜6月

<栽培のコツ>
・ 排水性がよい土を好みます。
・ 初夏のころにアブラムシが付きやすいので、無農薬で育てたければこまめに取り除きましょう。
・ 暑さに弱いため、夏は半日陰で管理しましょう。

●タイム

苦みのある独特な香りをもつハーブ。
魚の臭み消しなどに使います。和名はイブキジャコウソウといい、ジャコウジカの雄の分泌物から作られる動物生薬「ジャコウ」のような香りがするところから名付けられました。ジャコウはムスクという香料の原料にもなります。
タイムにはコモンタイムやレモンタイムなどたくさんの種類があるので、お好みのものを育てるとよいでしょう。

・ 種まき:4月〜5月
・ 収穫期:通年

<栽培のコツ>
・ 水はけのよい土に植え付けましょう。
・ 日光を好むため、少なくとも1日6時間は日が当たる場所で育てましょう。
・ 根が鉢の中いっぱいに伸びて根詰まりしていたら、大きな鉢に植え替えましょう。

●イタリアンパセリ
セリ科の二年草で、その爽やかな香りと柔らかな葉が特徴です。
一般的なパセリのような苦味が少なく、パクチーに似た清涼感があります。
葉が柔らかく生のままサラダに添えたり、肉料理や魚料理、パスタの風味付けなど、幅広い料理に使えます。

・ 種まき:3月〜5月、9月〜10月
・ 収穫期:6月〜10月

<栽培のコツ>
・ 光によって発芽が促される好光性種子なので、覆土はせずに種まきします。
・ 種が小さく、シャワーで水やりすると種が流れてしまうため、霧吹きで優しく土の表面を湿らせるか、鉢ごと水を張った容器に浸して底面給水にするとよいでしょう。
・ 風通しのよい場所で育てると病害虫が付きにくくなります。

●セージ
肉厚で産毛のある葉が特徴的な多年草です。「ソーセージ」の語源といわれるほど、肉料理との相性は抜群。
香りが強く、魚の臭み消しや煮込み料理に使われるほか、乳製品ともよく合います。

・ 植え付け:4月〜5月、10月〜11月
・ 収穫期:春〜秋

<栽培のコツ>
・ ヨーロッパ原産のコモンセージやクラリーセージ、ペインテッドセージなどは暑さに弱いので、風通しの良い涼しい場所で管理しましょう。
・ パイナップルセージ、ディスカラーセージは、寒さに弱いので、冬は株元をビニールなどで覆って防寒対策をしましょう。
・ セージは食用と観賞用があるので、目的に合わせて選びましょう。

●ローズマリー

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ローズマリーは常緑性の低木で、細い葉に触れると爽やかな香りが漂います。
肉料理、魚料理の臭み消しや香り付けに使います。
ただし、刺激が強いため赤ちゃんや妊婦さん、持病のある方、ペットの食事への使用は控えましょう。

・ 植え付け:3月〜5月、9月〜10月
・ 収穫期:真冬を除いて通年

<栽培のコツ>
・ 樹木なので、1度根付けば暑さや寒さ、乾燥にも強く丈夫で育てやすいハーブです。
・ 枝が垂れて横に伸びる種類や、上に向かって大きく成長する種類など様々な品種があります。
・ 伸びすぎたら剪定しましょう。枝は料理に使うほか、挿し木で増やすこともできます。

●チャイブ
日本のアサツキに似た細い葉をもつネギ科の多年草です。
ネギよりもマイルドな風味が特徴で、サラダや卵料理、スープなど、様々な料理に手軽に使えます。
多年草なので、収穫してもしばらくするとまた生えてきます。

・ 種まき:4月〜5月、9月〜10月
・ 収穫期:4月〜11月

<栽培のコツ>
・ 日光を好むため、日当たりのよい場所で育てましょう。
・ 水分を切らさないように注意してください。
・ 初夏にネギボウズのようなピンク色の花を咲かせますが、花が咲くと葉の食感が悪くなるので早めにカットしましょう。

●レモングラス

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レモンによく似たシトラス系の香りがする、葉の細いイネ科のハーブです。
トムヤムクンなどのエスニック料理に使ったり、乾燥した葉を緑茶や紅茶とブレンドするのも爽やかでおすすめです。
その芳香はゴキブリを遠ざけるともいわれます。

・ 植え付け:4月〜6月
・ 収穫期:5月〜10月

<栽培のコツ>
・ 庭に植えると2mまで育ち、鉢植えでも1m以上になるので、直径30cm以上の深めの鉢で育てましょう。
・ 日当りのよい場所で育てましょう。
・ 収穫は根元から10cmほどのところで切り取りましょう。

●シソ
日本の食卓に欠かせない代表的なハーブです。
薬味として生で使うほか、餃子や肉巻きなど、様々な調理に使います。
「大葉」という名前でも呼ばれていますが、流通していた芽ジソと区別するために付けられた名前です。
シソは漢字で「紫蘇」と書きますがこれは赤じそを指し、赤じそと区別するために「青じそ」と呼ばれるようになりました。

・ 種まき:5月〜6月
・ 収穫期:7月〜8月

<栽培のコツ>
・ 暖かくならないと発芽しないため、種まきはゴールデンウィーク頃がおすすめです。
・ 発芽しやすくするために、種を一晩水に浸けてから種まきしましょう。
・ 好光性種子なので、覆土はせずに種まきしましょう。
・ 夏の直射日光に当てると葉が固くなるので、半日陰に移動するか遮光ネットをかけておくとおいしく食べられます。

ベランダ菜園のハーブで食卓を彩るおすすめレシピ5選

ベランダで育てた新鮮なハーブは、いつもの料理をワンランクアップさせてくれます。手軽に作れるおすすめレシピをご紹介します。

●心安らぐ香り。カモミールティー

マンション 家庭菜園

①収穫したカモミールを水洗いし、花を摘み取ります。
②ザルや干しカゴなどで2〜3日天日干しにします。
③乾燥したら密閉容器に移し、乾燥剤を入れます。
④カップに乾燥カモミールをスプーン2杯入れ、お湯を注げば完成!
濃いめに入れてアイスティーもおすすめです。

●ハーブの香りが食欲をそそる。魚とハーブのホイル焼き

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①白身魚に塩コショウで下味をつけます。
②オリーブオイルを塗ったアルミホイルに魚、野菜(アスパラガス、ジャガイモ、ニンニクなど)を乗せます。
③タイム、レモングラス、バジル、ローズマリーなどのハーブを重ねて包みます。
④200℃のオーブンで15分ほど焼けば完成!

●香ばしいハーブがたまらない。グリル焼きハーブチキン

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①鶏肉の厚い部分に切り込みを入れ、皮にフォークで穴を開け、塩コショウを振ります。
②グリルパンにオリーブオイル、ニンニク、ローズマリーを入れ、香りが立つまで炒めます。
③ローズマリーを取り出し、鶏肉と野菜を焼きます。
④焼きあがったら皿に盛り付け、ローズマリーを添えて完成! バジルやタイムもおすすめです。

●彩りも爽やかすっきり。ミントのデトックスウォーター

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①ミントの新芽を摘んで洗います。
②ピッチャーに水、ミント、薄切りキュウリ、レモンを入れます。
③冷蔵庫で2時間冷やせば完成! 夏の暑いときにさっぱり飲めるデトックスウォーター。可愛らしいタンブラーに注ぐと見栄えも抜群です。

●料理の風味を華やかに引き立てる。煮込み料理にブーケガルニ

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①ローリエ、タイム、ローズマリー、セージ、バジルなど、お好みのハーブを束ねます。ブーケのような見た目にすればお鍋の中が華やかになります。
②シチューや赤ワイン煮などの煮込み料理に加え、魚や肉の臭み消し、風味を付けます。
③料理が完成したら食べる前にハーブは取り出します。

今回はベランダ菜園に挑戦する方向けに、ハーブ栽培を紹介しました。
ハーブ栽培は初めての方にも敷居が低い手軽な家庭菜園です。
太陽の光を浴びて育った新鮮なハーブは、日々の食卓に彩りと豊かな香りを与えてくれます。
摘みたてのハーブを使った料理やハーブティーは暮らしを豊かにしてくれるでしょう。

あなたもベランダでハーブを育てて、生活に彩りを加えてみませんか?

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■この記事のライター
□熊谷皇(くまがいこう)
国立大学法人 鹿児島大学院工学研究科建築学専攻終了。専門は建築環境工学(温熱環境、省エネルギー)。国土交通省住宅の省エネ基準検討WG委員、日本産業規格JIS A 9521(2017)技術コンサル、建築環境省エネルギー機構(IBEC)・日本建築センター(BCJ)・職業能力開発総合大学校の講師、日本建築ドローン協会(JADA)WG委員を歴任。

(2025年4月7日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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