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クリスマスローズの育て方 〜マンションで楽しめるベランダ・室内ガーデニング〜

クリスマスローズ 育て方

ベランダでも楽しめるお花と、その育て方を紹介していくシリーズです。今回は、冬の貴婦人と称される「クリスマスローズ」をご紹介します。クリスマスローズの特徴や、育て方のポイントなどを初心者にも分かりやすく解説。クリスマスローズの魅力に迫ります。

☆マンションでベランダガーデニングをするときの注意点
・マンションのベランダはあくまで「共用部」です。大規模修繕工事の際は、すべて撤去する手間がかかりますので予めご注意ください
※詳しくは下記の記事を参照
⇒「ベランダガーデニングをマンションで楽しむ秘訣と諸注意

目次
1. クリスマスローズとは
2. クリスマスローズの花言葉・その他
3. クリスマスローズの育て方

クリスマスローズとは

「クリスマスローズ」は、うつむいて咲く控えめな姿がかわいらしい、キンポウゲ科の植物で、宿根草(一度植えると毎年花を咲かせる植物のこと)です。クリスマスローズという名は通称で、本当の名は「ヘレボルス」といいます。いまや冬のガーデニングの定番といえるでしょう。

・特徴
クリスマスローズは、十数種の原種の他に、一重〜八重、白・赤・紫・緑など色とりどりの交配種があるのが人気の秘密です。地植えでも鉢植えのベランダガーデニングでも栽培が可能。交配種では同じ花は2つとして咲かない特徴があるので、マニアやコレクター、プラントハンターなどのファンを魅了しています。
クリスマスローズの芽吹きは、秋。暑さに弱いため夏の間は半休眠や落葉状態にあり、10月頃にようやく目覚めます。晩秋になると古葉が倒れ始め、株元にはどんぐりのような姿の花芽が現れます。いよいよクリスマスローズのシーズンスタートです。

・開花時期
開花は関東基準で2月頃です。店頭では、新年早々初売り出しでクリスマスローズフェアが行われることもありますが、これは季節を先取りした商品。自宅の庭で咲き始めるのは節分の頃からです。花弁が褪色し、種子の房が肥大し始める3月下旬には開花シーズン終了。翌年たくさん咲かせるためには、早めに花の茎をカットします。

●クリスマスに咲かないのにクリスマスローズ?

クリスマスローズ 育て方

クリスマスローズの開花は2月頃なのに、なぜ「クリスマス」が出てくるのか不思議ですよね。寒い欧州では、原種の1つであり白い花を咲かせる「ニゲル」のみ、12月から開花します。また、ニゲルは「キリスト生誕時、貧しい少女が聖母マリアに捧げた花」との逸話もあり、海外ではニゲルのことを「クリスマスローズ」と呼ぶことがあります。

そのロマンチックな名前とエピソードを商戦に生かそうと考えた日本の園芸業界は、とっつきにくい名前の「ヘレボルス」に「クリスマスローズ」という流通名を付けたのです。思惑通り、大ヒットとなりました。

クリスマスローズの花言葉・その他

クリスマスローズの花言葉は、控えめな花らしい「労り」「追憶」「慰め」「私の不安を和らげて」「私を忘れないで」という花言葉がある一方で、「中傷」というちょっと怖い意味もあります。クリスマスローズの根にはアルカロイド系の毒が含まれていることから、怖い意味が付いたのではないかと考えられます。太古の昔、クリスマスローズの毒を矢に塗って狩猟をしていたという話も残されています。

クリスマスローズの育て方

クリスマスローズ 育て方

冬の花・クリスマスローズはどのように育てたらよいのでしょうか。育てにくいのでは?と不安になりますよね。こちらでは初心者にもよく分かるように「クリスマスローズの育て方」を解説します。

・クリスマスローズの購入時期
クリスマスローズの販売時期は、大きく分けて2回あります。まずは秋頃、9cmポットの販売があります。比較的安価(400円くらい)で購入できますが、2年苗(開花するまでに2年かかる)が大半なので、初心者は1月〜3月に販売される開花株での購入をおすすめします。開花株は安いもので2000円からありますが、希少種だと3万円くらいになることも!

・植え付け・植え替え
植え付け・植え替えは、秋のお彼岸ごろから始めます。寒冷地では厳寒期の植え替えは控え、暖かくなってから行ったほうが安心です。用土は水はけの良いものを使用します。庭植えならしっかり耕し、腐葉土や軽石などをすき込んで(すき込む:肥料や堆肥など土壌改良剤を加えながら耕すこと)、少し高く土を盛ると水はけが良くなります。鉢植えでは、赤玉土と鹿沼土、腐葉土をメインに、軽石やゼオライトを混ぜましょう。市販の花と野菜の培養土に軽石を混ぜ込んだものがよいとされています。

・適している環境
クリスマスローズの好む環境は水はけと風通しの良い明るい半日陰で、冬は直射日光が当たるような場所がおすすめ。原産地はヨーロッパや地中海沿岸なので、カラッとした涼しい環境を好み、高温多湿の日本の夏は苦手です。床がコンクリートのベランダ栽培では、真夏の照り返しが酷かったり、エアコンの室外機から出る熱風が当たったりと、庭植えより過酷な環境です。なるべく涼しそうな場所を探し、すのこを敷くなどの対策をしましょう。

・室内での育て方
クリスマスローズは、室内ではなく屋外で育てる植物です。かわいいからとずっと室内で育てていると、体調を崩して枯れてしまうかもしれません。ただし、園芸店の開花株は温室栽培されたものがほとんどなので、買ったばかりの開花株は玄関内などで数日様子を見て、徐々に外気温に慣らしてから外に出してください。

・水やり
クリスマスローズの水やりは、地植えなら雨水だけで生きられるので、日照りの時だけ水やりします。鉢植えでは、表面が乾いたらたっぷりと水を与えますが高温多湿を嫌うので、雨が多いようなら水やりは控えましょう。冬季はよく晴れた暖かい午前中に水やりし、夕方までにある程度乾くようにしましょう。春先など強風の季節は、鉢がカラカラに乾くので1日2回水をあげる日もあります。夏は涼しい朝か夕方に与えましょう。

・肥料
肥料はやらなくても育ちますが、秋の植え替えから2週間後に固形の置き肥を適量与えると元気良く生長します。2週間に1回、規定量の水で薄めた液体肥料を水やり代わりに与えるのもおすすめです。開花後にお礼肥(追肥)を与えると翌年よく咲いてくれますが、暑くなる前の5月頃には肥料がなくなるように逆算をしながら固形肥料を置いてください。夏の休眠時に肥料が残っていると枯れてしまうかもしれません。

・育て方のポイント
育て方のポイントは、地中海性気候の植物だということを念頭に置いて、涼しい環境に整えてあげること。鉢を地面に直接置くのではなく、すのこやラック、鉢置台などに置いて風通しをよくすれば、病害虫もつきにくくなります。
昨今の温暖化で、涼しさを好むクリスマスローズにとっては過酷な環境になっています。暑さで枯らせてしまうことは、初心者のみならずベテランでもよくあります。あまり落ち込まないで自宅の環境に合うものを育てましょう。

・病害虫対策
病害虫は滅多に付きませんが、まれにアブラムシやハダニ、ヨトウムシなどが付くことがあります。早めに殺虫しましょう。湿度が高いと灰色かび病やべと病にかかることがあります。また猛暑で根腐れや立ち枯れが生じて枯死することも。園芸用の殺菌剤で予防しましょう。
クリスマスローズで一番厄介なのは、葉に黒い線が入り縮れて枯れていく「ブラックデス(黒死病)」というウィルス病です。発症すると残念ですが治らないので、他の株に移らないよう廃棄処分してください。

●ベランダでも楽しめるクリスマスローズを育ててみましょう
キリストが生まれた日に少女が捧げた美しい花「クリスマスローズ」。日本の高温多湿な環境は苦手ですが、半日陰で風通しよく育てれば、ベランダガーデニングでも元気に育ってくれます。夏の休眠期は日陰で静かに休ませ、肥料も中止。秋の新芽を待ちましょう。クリスマスローズを育てると冬が待ち遠しくなりますよ!

■あわせてお読みください。
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■この記事のライター
大塚 麻里絵
建装工業株式会社 MR業務推進部所属
埼玉県出身 東京理科大学理工学部建築学科卒業
一級建築士・一級建築施工管理技士を有し、大規模修繕工事現場にも従事した経験のある女性技術者・ライター
※建装工業株式会社公式HPはこちら

(2022年11月28日新規掲載)
※本記事は掲載時の内容であり、現在とは内容が異なる場合ありますので予めご了承下さい。

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